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ワディダハールはサナアから小一時間走ったくらいの処で，有名なロックパレスのある土地として知られる．
サナアから北西14㎞にワディダハール，つまり涸れ川ダハールと呼ばれる集落がある．またこのワディダハールの一画にロックパレスが建てられている．このビューポイントから見ると谷あいの地方だ．木が結構多いから雨季にはそれなりに雨量があるのだろう．果物の名産地として知られているそうだ．
目を凝らすと谷の一画にロックパレスが岩の上に築かれているのが見える．
チーフドライバのムハマドさん（左）と，ガイドのムハマドさん．白いアラビア服にジャンビアがきまってカッコいい．特にガイドのムハマドさん（右）はこの日初めて（，そしてこれが最後）この出立ちで登場してくれた．彼は4人の奥さんどころか，三十路を越えてまだ独身ということだ．この国で，男にとって結婚するのは経済面でなかなか容易ではないとか，何とか．．．．チーフドライバのムハマドさん（左）は45歳，息子一人，娘二人と言ってたかな．
下は，ワディダハール地方で見かけた風景
このように岩の上に建てたのでかなり目立つ．時あたかも杏の花咲き乱れる頃，春の宴にちょうど良い季節であろう．
土台部分は岩なので強固であろう．下の方の通路（廊下）は岩をくり抜いて作っている．
さてこのロックパレスであるが，元をただせば1786年，当時のイマーム，Imam Mansour Au Bin Mehdi Abbasという人物によって宮殿として建てられたのが始まりだそうだ．（またそのとき既にこの岩の上には何らかの古い遺跡が存在したとも．．．．．）
現在眺めるこの建物は1930年代のイマーム，こんどはImam Yahya Hameed Al Ddinという人物が夏の宮殿として上の階を建て増しし，さらにこの近くに別館を建加えた，ということである．なお現在このロックパレスはイエメン政府管理下にあるそうだ．
ここはこの城の主，つまり男専用の団欒室，マフラージでとても広い部屋だ．半円形のステンドグラスがはめ込まれた典型的イエメン風窓はカマリヤ窓と称されるそうである．円形や，半円+長方形のステンドグラスのもあるがこういった形はカマリヤ窓とは言わないのであろうか？何にしても見事なことに変わりないが，
比較的小さいものから，
中くらいのもの，
大きいものまで，多彩だ．
下は，ロックパレスの写真あれこれ，モノクロ写真の渋い方が最後のイマームだったような．．．．．
