グラミン銀行Grameen Bank
このグラミン銀行編では,2019年11月14日モングラ港に上陸してから車でヒンドゥーの村へ行き,グラミン銀行支店を見せてもらい,次いで近くの本村に移動し同本店を訪れたときの写真を載せました.
モングラ港からヒンドゥーの村へgo to a Hindu Village
モングラ港から陸に
小舟からモングラ港に降り立ち,陸に歩いた.仮に大洋で揉まれて降りたのであれば,揺れのない台地に感激するかも知れないですね.でも私達は地上と変わりないとても静かなクルーズだったので,特段の感激はないのだ(注文が多いぞ)
再びお巡りさん先導で発車
陸に上がったので監視は沿岸警備隊から,再びお巡りさんになった.どうぞよろしく願います.
お揃いの制服で登校
やはりアジアの学校ですね,制服がありますので.
それと男の子,女の子一緒なので共学のようだ.さらに女の子はスカーフの子,なしの子がいるので,ヒンドゥー,イスラム区別なしの学校でしょう.もし仮にキリスト教徒や仏教徒がいればきっとそれも問題としない学校なのでしょう.
養殖漁業が盛んな辺り
しばらく走ると養殖池の多い地帯になった.増水したためであろうが床下浸水に遭った作業小屋も見える.
中程に小さな小屋,餌をばら撒く小屋でしょうか.右の地面からここに連なる一本橋がとてもシンプルな構造で,面白いですね.どうやら竹の柱(橋脚)に,下側に足を置き歩く竹竿,上に手摺の竹竿を這わせた造りのようだ.
グラミン銀行支店visit a grameen Bank Branch
グラミン銀行支店に到着
ヒンドゥー村のグラミン銀行の支店と言われる建物の前に到着した.大きな表札ながらベンガル文字で全く理解できないが,グラミン銀行と記されているのか?
ところで,そもそもグラミンとはベンガル語で「村」の意だそうで,グラミン銀行=村の銀行とのことだ.
後ほど訪れたグラミン銀行本店は半ば掘っ建て小屋程度の質素な造りだったので,ここは銀行支店として時間レンタルで活用される,言わば村役場の支所的建物なのではないかと,後で思った.
ところでこういった『支店』は融資申込みを受け付けるだけで,融資可能かどうかの審査や融資実行は次に訪れる『本店』で実行されるということだ.
建物内部
建物はかなり大きく,一階には写真のような会議室スペース,二階にはユーティリティや,居住スペース(実際在住者あり)が設けてあった.
壁の写真は左が現最高権力者シェイクハシナ(H.E. Sheikh Hasina)首相,右はその父で,パキスタンから独立時の初代大統領ムジブルラフマン(Sheikh Mujibur Rahman)のようだ.ラフマンには英国に居た長女ハシナと,NYに息子がいたが,息子はまあ道楽者で,娘のラフマン氏が政治的才に長けていたそうだ(ガイド氏の解説要約).
グラミン銀行の創設者や運営
私達は会議机に座り,お茶を頂きながらガイドSさんの解説に耳を傾けた.
手に翳された写真の一人はグラミン銀行創設者として2006年ノーベル平和賞に輝いたムハマド・ユヌス氏(Muhammad Yunus)で,も一人は.....失念.
要旨は,ユヌス氏は1983年にグラミン銀行を創設し,この村のような田舎の貧困層の人々が自ら小規模ビジネスを立ち上げる際に無担保で小口融資するシステムを作った,ということだ.そしてその低金利無担保融資はマイクロクレジットと呼ばれ,バングラデシュ以外でも採り入れている国があるようだ.
お巡りさんも一応アテンド
お巡りさんは私達を監視するため一緒に話を聞く.ただマイクロクレジットは非常に貧しい人々が対象で,バングラデシュではお巡りさんのような公務員は高給取りなので,貸し出しの対象とはならないでしょう.
グラミン銀行本店visit the grameen bank head office
商店街を越える
グラミン銀行支店のある村を離れ,進むと商店街があった.やたらリキシャが行き交い活気があるというか,混沌としているというかまあ,いつものとおりだ.そしてそこを越える.
本店のある村に到着
車は本店のある村に到着した.道路の入口は何人かのお巡りさんがガードを固めている.アリの子一匹通れぬであろう.
お巡りさんの前にいるのは私達の見物人だ.そう言っては何ですが,かなりの片田舎ですので,私達東アジア人は相当物珍しいのでしょう.
グラミン銀行本店の融資審査室
大勢の着飾った女性顧客が本店(の審査室)に集まり,審査の順番待ち中です.本店と申しましてもこのトタン張り構造の小屋がマイクロクレジットの本質を凝縮しているように思う.
ピンクのテーブルクロス上に重ねられたのが集まった人全員(実質的に殆ど女性)の融資申請手帳で,手帳には本人と連帯保証人(旦那さんなど)の写真付きIDカードが挟まれている.
低金利無担保融資であるが,単なる資金調達ではなく,16項目から成る各種決意(規律の遵守,家族の幸福,生活の改善.....)を行うとのことだ.
審査と融資の実行
左の男性が審査官で,一人づつ呼び,申請書と口頭での説明から融資可能か否か判定するそうだ.殆ど(95%以上)パスするそうである.この村では子ヤギや子羊,さらに子牛の仕入れ資金,織物の素材糸購入の申込みなどいろいろあるそうだ.
無担保であるが,低金利(年換算20%くらい)で返済率は98%と高く,返済不能となるケースは少ないそうだ.金利20%は高そうに聞こえるが,同国の高い物価上昇率を考慮すればそうでもないそうだ.
また銀行の総資産の90%は顧客が保有し,残り10%はバングラデシュ政府保有という.日本の『講』のように相互扶助システムのような一面があるとも言えるだろう.
グラミン銀行融資資金で仕入れた子牛を育成中
奥さんが資金調達し,旦那さんが主に育てているそうだ.こういった家族で団結し,繁栄するのは16項目の決意の中の一つだそうだ.
なお子牛仕入れ価格は他の家畜と比べて相当高いそうである.大きく育てないと.
バングラヒンドゥーの皆さんは派手目が特徴
モズレム女性はあまり外に出ませんが,ヒンドゥー女性の皆さんは大勢お出でになり,暖色系の派手な装束を披露して下さいます.インド系のように見えますが,インド婦人のように片側のお腹を露出するスタイルはあまり見ませんね.
一方モズレム女性は地味なアバヤ姿は見かけますが,国民の9割からすると少ない.ヒンドゥー女性ほどではないがやはり明るい色や模様のスタイルが多いのでしょうか.....
ティカを付けた若いお母さん
ティカを付けていればヒンドゥーと判り易い.若いお母さんは二箇所に付けているので,何か特別のことがあったのでしょうか.
ただティカは異教徒でも付けてもらって構わない.私も昔ネパールで付けてもらったことがあった(意味もなく).ペツルのヘッドランプにティカという機種もありましたね.単4電池仕様が惜しかったが.
牛糞ケバブ
牛糞を木の棒に巻き付け,乾燥し,燃料にするのだそうだ.とにかく驚いた.超大型ケバブに見えるので,かじったらエライことになってしまう.
乾燥牛糞を燃料にするのはチベットやネパールでも普通のことだが,形が全く異なる.その地方では,牛やヤクの糞を丸く平たくし,石や家の壁に貼り付けて乾燥させる.よく乾燥されたものはストーブやかまどに使われるが然程臭う心配はない.さてこのケバブスタイルはどうであろう.牛の食べる餌(食料)に関係するかな.
軒下の鳩小屋
鳩料理用に飼い,捕獲するためであろう,小さめながら鳩小屋が掛かっていた.鳩は勝手に外に出て餌をとり,大きくなってくれるので手軽で良いと思う.
エジプトとかのように巨大な鳩小屋で大量捕獲するのでなく,慎ましく飼っているところがバングラ的かな.
巨大なみかん
あるお宅に巨大なみかんが実っていた.バレーボールより若干小さい程度に感じられた(いくらか誇張された感覚か)
そこでガイドSさん,Aさんに訊いてみたのだが,お二人共に初めて見たそうで,どんな味か見当付かないという.バングラ人と言えどもまだ未知の果実があるのか,そりゃ発展余力がありそうだ.
グラミン銀行本店見物終える
グラミン銀行本店見物を終えて表通りに出た.まだお昼前であるが,小学校は授業が終わったのか,道草とおやつを食べながら,帰宅途中のようだ.
狭い表通りだが歩く人,リキシャ,バイク結構通ります.
サイクロンにやられた稲
私達は再び車で東に向かった.途中サイクロンで稲がなぎ倒されていた.水が溜まっているようなのでほぼ全滅であろう.こうした場合,グラミン銀行に加入していれば,当面の生活資金借り入れが可能かも知れないですね.