ルプシャ川下りRupsha
このルプシャ川下り編では,2019年11月11日クルナのホテルを出発しルプシャ川へ行き,小舟に乗りカワウソ漁を見物,そしてしばしその小舟で下りながらルプシャ川の光景を眺め,やがて大きなクルーズ船に乗り換えルプシャ川下りを楽しんだときの写真を載せました.
ルプシャ川へgo to the Rupsha river

ルプシャ川の渡し場
私達のバスはルプシャ川の渡し場に到着した.ここには幾艘もの小型ボートが人を乗せたり,降ろしたりしている.ルプシャ川両岸住民の大切な足になっているのでしょう.

意外に積載量の大きなフェリーも着岸
小さな渡し場だが,車が複数台積める意外に積載量の大きなフェリーも着岸している.船底が平らに近く,喫水量が小さいのでしょうね.流れが速くなく,波もないこうした川に適した設計の筈だ.

私達も小型ボートに乗り込む
さていよいよ楽しみのカワウソ漁が待っている.そして私達も小型ボートに乗り込む.
小型ボートは鋼鉄やFRP製ではなく,木造である.日本ではFRPの工場生産が多くなり船大工が著しく少なくなったが,バングラでは現在も技術が伝承され活躍しているのであろう.
カワウソ漁otter fishing

カワウソ漁のボートが待機中
カワウソ漁は,当初計画ではシュンドルボン国立公園のマングローブ林で見ることになっていた.だが例のサイクロンで,公園内や村は立ち入り禁止となったため,村から2日がかりで,ここまで出張して来て,技を披露して下さるそうだ.ありがとうございます.
カワウソ漁は一般的に家族と飼っているカワウソで行われるそうだ.今回は一家族と近親者,合わせて4人と,確か7歳くらいの父カワウソと1~2年前に生まれた双子カワウソだそうだ.母カワウソもいたのだが最近亡くなったとのことだ.
また伝統のカワウソ漁であるが近年後継者が少なく,長良川鵜飼いのような状況にあるそうだ.

お巡りさんはここまで監視
長閑なカワウソ漁と言えども,私達の監視,護衛には手を抜きません.お巡りさんもボートを出して,ピッタリ付いてきてくれました.左端迷彩服の男性は沿岸警備隊員だったかも知れません(沿岸警備隊員の船舶は川やベンガル湾近くに警備船舶を巡航していました).

カワウソ漁始まる
私はカワウソ漁とは,長良川鵜飼いの鵜をカワウソに替えて,カワウソが魚を咥えて(あるいは半ば飲み込んで),それを人が横取りするものと思い込んでいた.
それが全然違うのですね.船に平行にバレーボールのネットのような網を張り,そこにカワウソが魚を追い立てて,捉えるのです.つまり追い込み漁の範疇に属するようだ.ほんとにびっくりした.
先ず2本の棒に張られた網を川に投入し,ロープに結ばれたカワウソを網の先に泳がせる(ロープがないと逃げられるし,コントロールもできない.これは鵜と同じ).

カワウソは魚を探し,網の方向に追いやる
カワウソは川を泳ぎながら時々潜水し,魚を探し,見つけると網の方向に追いやる.魚はカワウソが獰猛なプレデターと知っているから,追われなくともカワウソと反対側,つまり網側に必死で逃げるであろう.
カワウソの動作は素早く,顔はとても可愛らしい.日本のペットショップで,時に不法輸入したり,売買する事件が起こるが,やはり可愛いので欲しがる客がいるのでしょう.

そして網を掬い上げる
頃合いを見て網の先端を掬い上げる.そして掛かった魚は網の手前側に転がり落ち,漁は1サイクル完了,となる.

これが今回の漁の成果
今回はルプシャ川でボートの行き交うところでの出張演技なので小魚程度なのは仕方ない.本来シュンドルボンのマングローブ林で行うときはぜんぜん違うという.つまりマングローブの込み入った根元は大きな魚の棲家,隠れ場で,そういった場所に入り込むのは人では無理,カワウソが活躍するのだそうだ.

一仕事終えてケージに収められたカワウソ
カワウソは一仕事終えたのでケージに収められた.カワウソは10年余り生きるそうで,家族の一員として大切に育てられるそうだ.ただカワウソは普通の家畜と違って野性味豊かというか,常に野生への回帰心を失わず,スキあらば....と窺っているようだ.そこでどうしてもケージは要るようだ.
スリムな体型で,手足を見ると団扇のように指間に膜が張られてますね.やはり泳ぎは得意な筈だ.

カワウソの食事
ケージに収まると,切り刻まれた魚が与えられた.丸ごとではないことに驚いたが,やはり食事としては刻まれた魚がいいのでしょうか......歳で歯が悪くなったかな.....
ルプシャ川の光景Rupsha Scenery

浚渫した土砂を運び上げる
カワウソ漁の後,ルプシャ川の光景を眺めた.
まずルプシャ川を浚渫(しゅんせつ)した土砂を運び上げる場所だ.ルプシャ川には遥かヒマラヤから運び込まれる土砂が蓄積するそうだ.ときどき浚渫しないと川底が上がり,船舶運航に支障が出るので写真のような浚渫船で掬い上げる.
そしてうまいことにここの浚渫土砂はレンガ素材として大変優れているという.そこで船から頭上のバスケットに土砂をいれ,レンガ工場の土砂置き場に運んでいる.ちょっと写真が小さいが複数の運び人が往復している.

できたレンガの積み出し
こちらは上とは違う工場で,でき上がったレンガ製品の積み出しを行っている.やはり人力(写真中央少し右)に頼った作業だ.
こうした重量物でしかも低価格の商品は,水運の発達したバングラデシュでは川沿いの工場立地,輸送共に適した形態であろう.

モスクと投網を打つ人
バングラデシュ各地で見るモスクは写真左上のような形態が多い.全般にインド風(バングラ風か)デザインで,白く,ミナレットは円筒状で,独立とせず本堂の上に載ったスタイルだ.
右下赤シャツ男性は投網を投げて引き寄せている場面だ.やはり投げているシーンでないと全くつまらないな~(つまり写真の腕不足)
捕れた魚は上のカワウソに勝てるかな~

濁ったルプシャ川で洗濯
写真でも明らかに濁っているルプシャ川で洗濯です.きっと水道のインフラが十分整っておらず,やむを得ず川で洗濯なのでしょう.桃でも流れてくればいいけど,まさか....

渡し船
私達のボートと同じ程度の渡し船が対岸に進んでいく.橋のある場所は限られており,遠回りになるのでやはり渡し船が必要なのでしょう.

岸辺のバザール
岸辺にバザールが開かれているようだ.規模は大きくないですね.ここに在ればこちら側の住民に加え対岸の人も売り手,買い手として参加できるのでしょう.特に片岸のみの特産品があればそれを並べる意義が大きくなりますね.

船舶ドック
かなり大きな船舶が岸に上げられ,足場が組まれている.周囲の状況を見るに造船はできないが,一部壊れた部分の補修や塗装,エンジンの整備など行うのではないでしょうか.バングラでは超大型タンカーをも対象とする解体工場,別名船の墓場が知られているが,この川岸では解体は行ってないでしょう,と思う.
ルプシャ川下りRupsha Cruise

クルーズ船に乗り換える
ルプシャ川をさらに下るため途中でクルーズ船に乗り換えた.現地旅行社ベンガルツアー社所有二艘のうちの一つベラ号(Bhela)ということだ.この日は泊まらないが,11の客室が設けられている.

大きな橋を通過
ルプシャ川をどんどん下った.そして長い橋を通過する.橋の名は不確かだがカンジャハーンアリ橋(Khan Jahan Ali bridge)かも知れない.いずれにしても地盤が柔らかいので橋脚を岩盤まで打ち込むのは大変なようだ.

ちょっと船長やってみます
長閑な川下りで,変化が少なく暇,で,ちょっと船長やってみます.車と比べて効きが緩いというか,ディレイ があるというか....ステアリングホイールほんのちょびっと回しただけですが....

浚渫船と陸揚げ港設備
左に見えるのは浚渫船らしい.まっすぐ立っていいる煙突のようなものは傾けることができ,傾けて掬い上げ,船内に溜めた土砂を陸に吐き出すのではという.あくまで皆の想像の内容だが(←実は全然違っているようだ).
そして右に見える橋のようなものは港で,土砂などの荷揚げ設備ではないか,とこれまた皆の想像.

船上ランチ
クルーズボートにはキッチンもあり,シェフにキッチンボーイの皆さんも乗り合わせ,ランチを作って下さった.そして屋上デッキのテーブルで風を受けながら美味しく頂戴した.