このロナークへ下る編ではパンペマの朝,パンペマからロナークに下るとき,ロナークに着いてからの写真と記事を掲載した.
11月9日(月):パンペマの朝を迎えた.
テントの外はさらに寒く,朝焼けを待っている頃-18℃という声がした.風があるので体感温度はもっと低く感じられる.相当気温が低いのにテントに霜が付いていないのが不思議だったが,どうやら風で吹き飛ばされるかららしい.何しろ,トイレテントが殆ど舞い上がりそうになり,ダイニングテントのポールが幾度となく跳ね飛ばされるほど強風が吹き荒れたのだ.
朝日がウエッジピーク東壁を照らした.荒々しく急峻な斜面が豪快だ.それとこの光線状態だと確かにウエッジ(楔)の名を冠しているのが納得できる気がする.
パンペマもそれなりの風があるが,カンチェンジュンガの雪煙を眺めていると温室のようなものだ.ヤルンカン,カンチェンジュンガ,ツインズまで広い範囲で,東の方向に恐ろしい程の速度で雪煙が流れている.登山している人が居れば多分嵐のような状況ではなかろうか.
ウエッジピークの右(東側)で,ほんのチラリではあるが一際明るく輝く峰が見えた.ラムタンピーク(Ramtang peak:6,700m)だそうだ.白い砂糖を塗したある種のお菓子とかアイスクリームに見立ててもいい感じだ.
下は,パンペマ朝の様子いろいろ
この日はパンペマで朝の風景をゆっくり楽しんだ後,10時半頃下山を開始した.初めはカンチェンジュンガ氷河脇のトレイルで,対岸に聳えるはウエッジピークだ.この日も天気が良くて何よりだ.
暫く歩くと欧米系7~8人,上に向かうパーティに行き交った.天気がいいし楽しめるであろう.
登るときから既にあったのだが,脆く土砂崩れの後がある.歩いている最中に起こるより何ぼかましであるが,下を見ると怖い所もある.
下は,パンペマからロナークに下るときの眺め
ロナークに到着してからもこの日はあまり雲が出ず,見晴らしが良かった.夕刻になるとテントピークとネパールピークが夕日で輝く様子も眺めることができた.
また我々の到着と前後して,このキャンプサイトにテントを張るグループがあった.水汲みで両手に2つの重いバケツを抱えたキッチンボーイが,休憩のため筆者のテント前でバケツを下ろしたとき訊いてみた.すると,英11人のグループで上に向かう途中ということだった.
夕刻の5時頃になると,カランコロ~ンとベルを鳴らしながら三々五々ヤクがロナークのテント広場に戻ってくる.ヤク追いの姿は見当たらず,自主的に戻ってくるようである.感心々々!
下は,ロナークに着いたときの写真
この日の夕食の直後は月が出ていなかった.ロナークの標高は4,785mで,光を吸収する大気成分が薄いため星は眩いばかりに輝いている.天の川だってくっきり見える.人によっては星の降る音が聞こえるとか.同行の人に星の撮影に詳しい方がおられ,露光条件をお聞きして撮影してみた.長時間露光でノイズ成分が多くなっているがそれなりに写ったであろうか?(ISO400 f/2.8×30秒)
ロナークはパンペマほど冷えはしないが,それでも相当寒い.長時間露光ではノイズリダクションのため同じ時間後処理時間も掛かる.モニタで眺めてイマイチかな~もう一度撮ろうかな~と思いながらも,寒いので,まあいいか,とちょっと根性が足りなかったかも知れない.
ところで我々が食事でテントを離れるとき,いつもシェルパの担当者が寒い中,長い時間立ちん坊で見張りをしてくれている.ご苦労さま,ありがとうございます.