チトワンChitwan

さて3/31,ランタン/ヘランブートレッキングは順調に完了し,チベットゲストハウスに再び戻った.順調だったので予備日は余ってしまった.戻りのラサ経由成都行きフライトは,安い航空券のため,4/5フィックスで変更できない.それまでうまく過ごさなくてはならない.

フィックスされたチケットであっても(いや,安いチケットだからこそ),中国国際航空(CA)はリコンファームが場合によっては必要らしい.乗れなくなっては大変.とりあえずCAカトマンドゥ支店に電話し,リコンファームをお願いしたら,名前とフライトをどうぞ,と言う.つまり,リコンファームは不要とは言われなかった.今どき,必要なエアラインはあまりないと思うが.....CAはやっぱりリコンファームしておいた方が無難な雰囲気かな~

チベットゲストハウスのロビーにはツアーデスクがあって,3/31午後はエージェントの男性が座って居た.あと,3~4日あるし,幾度か聞いたことのあるチトワン辺りのツアーが手頃かな~と思って訊ねてみた.いろいろあるが,2泊3日,ツーリストバス使用,チトワン国立公園の傍のロッジ泊パッケージ辺りが手頃なようだ.まあ,それ程期待できないかもしれないが,安いのでいいことにしよう,と翌朝タメルから出発することにした.

大きなダッフルバッグはチベットゲストハウスで預かってくれるというので,チトワンから戻ったときの予約も行った.

チトワンに行くgo to Chitwan

川に沿って下る

川に沿って下る

ツーリストバスはタメルから7時半過ぎ出発した.立った乗客や屋根上の乗客はいないようなので,シャブルベンシ行きの路線バスほど迫力はないが,かなりのヴィンテージもののバスであるのはいい勝負だ.

カトマンドゥを離れると,程なく川の左側に沿う道路を走るようになる.川の脇には比較的狭い畑や民家が見られる.概ねそんな風景が4,5時間続く.また川を下るに従いバナナやブーゲンビリアなど熱帯植物が増えていく.

タライ平原に出る

タライ平原に出る

昼過ぎ,突然平らな畑が広がる平原に出る.どうやらこれはタライ平原の一部のようだ.そこから少し走るとこの林に至った.格好の手洗い休憩地として,バスは止まった.名前は判らないが広い林で,人造物も見当たらないので多分自然保護林であろう.

地図を見ると,ネパールはヒマラヤ山岳地帯,丘陵地帯,平原地帯とに,ちょうど長手方向に沿う層状に細長い国土が区分されるようだ.その平原地帯は全部がタライ平原と呼ばれるようで,東から西の端まで連なっている.

幾度かネパールに来たことがあったが,平原を眺めるのは初めてで,これもまたネパールか~と改めて思う.

チトワンのソウラハ村に到着

チトワンに到着

1:45PM,バスはチトワン国立公園の周辺にあるソウラハの村外れに到着した.各ロッジの出迎えの車が待っていた.筆者のロッジ,ゴルカハムレットリゾートという粗末なロッジの客はこのとき筆者一人だった.ただ,後で一緒になったのであるが,この日はポカラからのバスで豪女性二人,カトマンドゥから少し後のバスで英青年一人が来て,合わせて4人の客がいた.皆同じパッケージで,同じように歩いた.

ソウラハの村は4/10の総選挙の選挙運動がたけなわで,特にマオイストの赤旗を掲げた車が頻繁に往来していた.

チトワン国立公園内部に複数の立派なホテルがあるそうだ.参考のため(何の参考?)チベットゲストハウスのツアーデスクで訊いたら,一泊料金は筆者のパッケージ料金総額よりかなり高かった.で,ソウラハの村にはロッジがかなり,20余りか,あるようだ.いずこも素朴な感じに見える.先のツアーデスクからホテルマネジャー宛のレターには,「ベストルームでベストサービスの提供を....」と記されていた.実際はこれとは裏腹な部屋とサービスで,分っていながらマネジャーには「お~っ,これがベストルームでベストサービスですね!」とチクリチクリしてみた.もちろんマネジャーはいつものことのようで,気にもとめないのだが....


下は,バスでチトワンに行くとき,ソウラハの村,ゴルカハムレットリゾートの写真

バスでチトワンに行くときの写真
バスでチトワンに行くときの写真 バスでチトワンに行くときの写真 バスでチトワンに行くときの写真 バスでチトワンに行くときの写真 バスでチトワンに行くときの写真 バスでチトワンに行くときの写真 バスでチトワンに行くときの写真
バスでチトワンに行くときの写真 バスでチトワンに行くときの写真 バスでチトワンに行くときの写真 バスでチトワンに行くときの写真 バスでチトワンに行くときの写真 バスでチトワンに行くときの写真 バスでチトワンに行くときの写真

タルー族Tharu

タルー族の家

タルー族の家

タルー族はタライ平原全域,およびインドに住んでいるそうである.タルー族の宗教は祖先信仰やアニミズムだったが,近年はヒンドゥー教が広まったという.かつては農業や漁業の自給自足,大家族でロングハウスという伝統的住居に住んでいたが最近は他と同様,核家族化が進んでいるそうである.現在,多くは写真のような普通サイズで熱帯タイプの住居であるようだ.薄く泥を塗った壁が特徴的だ.タライ平原ではマラリアが大問題であったが,薬草などで凌ぐ技術を有していたそうだ.なお現在はマラリアは根絶しているそうだ.尤もそうでなければ,簡単に我々も訪れることはできないが.

タルー族資料館の木のサンダル

木のサンダル

タルー族資料館が開設してあり,伝統生活用具や農機具が展示してあった.写真は木のサンダルで,親指と人差し指(と言うのか?)で挟んで履く方式だ.かなり指の働きをしっかりさせないと履けないだろう.なぜか,ロッククライマーがクライミングシューズの親指を岩に食いつかせて登るシーンを連想させられた.

鳩小屋

鳩小屋

鳩は食用にするようだ.あちこちに鳩小屋があり,出入りしている.同様に食用とするエジプトでの鳩小屋は巨大なものが多いが,ここのはそうでもない.入り口こそ結構多いが,多分中はワンルームのようで,若干大き目の犬小屋程度だ.さて調理法はどんなだろう?聞き損ねた.


下は,タルー族関連の写真.違う部族もあるかな?

タルー族関連の写真
タルー族関連の写真 タルー族関連の写真 タルー族関連の写真 タルー族関連の写真 タルー族関連の写真
タルー族関連の写真 タルー族関連の写真 タルー族関連の写真 タルー族関連の写真 タルー族関連の写真

タルー族の民族舞踊Tharu folk dance

タルー族伝統的踊りを見にいった.両手の棒を前後の踊り手で叩き合う舞は勇壮にしてリズミカル,なかなかすばらしい.孔雀の舞はとってもユニークで,またユーモラス,長く印象に残る.最後はお決まり,観客も一緒になって踊る.中にはものすごくセンスのいい人がいて,あっと言う間にここのダンサー並に踊るようになるのには驚くばかりだ.

タルー族の民族舞踊タルー族の民族舞踊
タルー族の民族舞踊タルー族の民族舞踊

カヌーCanoeing

丸太のカヌー

丸太のカヌー

丸太から削りだしたカヌーだ.後でジャングルを歩いたとき,素材となる木を紹介してもらったが,樫のような感じの広葉樹だった.カヌーが作れるようになるには相当の年数が必要で,必然的にカヌーは大変高価なものになるそうである.

同じ日,同じロッジになった英青年,豪女性二人と一緒に見て回った.


ワニが川原で寝そべっていた

ワニ

大きいワニが川原で寝そべっていた.丸々と太っているところを見ると餌が豊富なのであろう.カヌーって,ローリングし易い形態をしている.投げ出されて餌にならないようにしなければ.(影の声:硬くて不味そうだから大丈夫だよ!)


下は,カヌーから眺めた写真.川原で瞑想しているヨーロピアンがいる.

カヌーから眺めた写真
カヌーから眺めた写真 カヌーから眺めた写真 カヌーから眺めた写真 カヌーから眺めた写真 カヌーから眺めた写真 カヌーから眺めた写真 カヌーから眺めた写真

ジャングル歩きJungle walk

ジャングル歩き

棒を持ったガイド二人が前後を歩く

ジャングルのトレイルを歩いた.場合によっては動物に襲われることがあるそうで,私たち4人の前後に棒を持ったガイドが一人ずつ付いた.幸か不幸か,今回はあまり動物に行き当たらなかった.


草原のサイ

サイ

草原の方に一頭のサイがいた.背の高い草むらを,近づくように歩いてみたが,サイはもっと速いスピードで遠のいていった.サイは巨体であるが,それに似合わず,本気になると時速50kmで走るとか.


象鼻のシャワー

象鼻のシャワー

ジャングルを歩いた後川原に来た.象使いが象に水浴させている.ここでは象が,背中の客に鼻のシャワーを浴びせるのが名物になっているようだ.3人の同行者がこれを楽しみ,帰りはびしょびしょになってロッジに引き上げた.


下は,ジャングル歩きの写真

ジャングル歩きの写真
チトワンのジャングル歩きの写真 チトワンのジャングル歩きの写真 チトワンのジャングル歩きの写真 チトワンのジャングル歩きの写真 チトワンのジャングル歩きの写真 チトワンのジャングル歩きの写真 チトワンのジャングル歩きの写真

ところで,最初にロッジに着いたとき,歩く代わりに,ジープで巡るジープサファリをしきりに薦められた.別料金でUS$35だという.殆ど,99%の客はこれに参加するというのだ.「えっ,別料金,カトマンドゥで,全部込み(everything is included)って言われて来たのに!」と文句を言ったのだったが,結局「俺は残り1%のグループになる」で収まった.後で,英青年,豪女性二人と話したら,同じようだったようで,やはり文句を言ったようだ.英青年はエベレスト街道方面,豪女性はムスタン方面,筆者はランタン方面,とそれぞれ歩いており,もともとジープより歩く方が好みだったのだ.1%どころか100%別料金を好まない客で,ロッジにとって,どうやらこの日は相手が悪かったようだ.

象のサファリElephant back safari

象のサファリは一頭に客4人

一頭に客4人

アジア象は大きい.(アフリカ象はもっと大きい?)我々4人に象使いが一人乗る.さて出発だ!かなり揺れる.車と違って,回転はあまりないが,上下,左右,前後の少なくとも自由度3の振動を感じる.まあ,象が脚で歩くのだからそれはそうであろう.


サイは草を食べていた

サイ

今度も林の中の広場というか,原っぱというか,まあ木のあまりない所にサイはいた.草を食べていた.今度は間近に見えた.チトワンのサイは一角サイで,絶滅危惧種であるそうだが,写真のものはまだ若いのかツノはまだあまり成長していないようだ.このサイもまた密猟者の犠牲になっているそうで,ネパール政府が保護活動に励んでいるが,既に全土で数百頭しか生息していないようである.

チトワンにはベンガルトラやヒョウなど,やはり絶滅が危惧される種が生息しているそうだ.ただ,めったなことでは見ることができないそうである.つまり,さらに少ないわけだ.


下は,象のサファリ.サイ以外では鹿を見かけた.

象のサファリ
チトワン象のサファリ チトワン象のサファリ チトワン象のサファリ チトワン象のサファリ チトワン象のサファリ チトワン象のサファリ チトワン象のサファリ

バードウオッチングBird Watching

バードウオッチング案内してくれたブラマンの青年

案内してくれたブラマンの青年

パッケージにはバードウオッチングも含まれていた.他の3人は行かなかったが,筆者だけは野鳥の種類が500種類以上で世界一クラスというのがどんなものか,最終日の朝出かけてみることにした.

結論として,元々完璧な素人で,見てもよく分らなかった.仮に,鷲とかダチョウとかばかでかいものでも居れば,分るであろうか,普通の野鳥ではとても無理だ,と云うことが理解できた.

で,案内してくれたこの青年はブラマン,つまりカーストシステムで最高位の司祭カーストであるそうだ.で,ブラマンであるが君がどうしてロッジでウエーターやバードウオッチングの案内をしているのかね?と訊いたら,別にそれって普通のことだよ,って顔をされた.カースト制度のほんの一端だけど,やはり不思議な気がする.

今度の選挙では7つの大きな政党があるそうだ.別のロッジ従業員がマオイスト支持だと言っている中で,彼はマオイストは支持できない,でも他の6政党も支持できない,どうしよう....とも言っていた.


下は,バードウオッチング(のつもり)のときの写真.村人は象の草刈に出る.

バードウオッチング(のつもり)のときの写真
チトワンのバードウオッチング チトワンのバードウオッチング チトワンのバードウオッチング チトワンのバードウオッチング チトワンのバードウオッチング チトワンのバードウオッチング

カトマンドゥに戻るback to Kathmandu

選挙運動

選挙運動

さて帰路はバスでなくワゴン車になった.客の数に合わせて増便したのであろう.

復路も往きと同じ道であるが,4/10の投票に向け,選挙運動が一層盛んになっていた.見かける限り,動員数はネパール共産党マオイスト派が圧倒的だ.

帰国後暫くして選挙結果が報道された.それによれば定数601のうち,マオイストが220でトップ,2位のネパール会議派110,3位の統一共産党が103.....と,マオイストが予想を上回る勝利で第1党に躍進したそうだ.これで18世紀以来,240年続いてきたネパール王制が廃止されることがかなりの確度で高くなったようである.

個人的には,やはり他国のように一党独裁に進むか.....心配だ.

わき道へ行く

わき道へ行く

カトマンドゥに戻ったところで事故か何かで進めなくなった.そこでドライバは脇に逸れ,ダートの道を走り出した.途中道を訊きながら,都心に入り,タメルまで送り届けてくれた.この点バスからワゴン車で戻ったのが幸いしたと思う.

それにしてもカトマンドゥは一国の首都でありながらまだ畑も多く,未舗装の狭い凸凹道が普通にあるところですな.


下は,カトマンドゥに戻るときの眺め

カトマンドゥに戻るときの眺め
チトワンからカトマンドゥに戻るときの眺め チトワンからカトマンドゥに戻るときの眺め チトワンからカトマンドゥに戻るときの眺め チトワンからカトマンドゥに戻るときの眺め チトワンからカトマンドゥに戻るときの眺め チトワンからカトマンドゥに戻るときの眺め チトワンからカトマンドゥに戻るときの眺め

さてこうして質素なチトワンの旅は無事終わった.明日はタメルをぶらついて過ごすか.



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