トレック第1日目(3/17)Trek Day 1(3/17)

トレック第1日目はカトマンドゥから登り口のシャブルベンシにバスで行った.これでトレッキングとは変だが,まあ....

カトマンドゥから出発start from Kathmandu

カトマンドゥ北街外れのバスターミナル

カトマンドゥ北街外れのバスターミナル

3/17早朝6:30頃ガイドGさんとポーターJさんがホテルまでタクシーで迎えに来てくれた.すぐさまダッフルバッグを積み込んで,カトマンドゥ北の外れにあるシャブルベンシ行きのバス乗り場に向かった.

バスが何台か停まっていたが何れもヴィンテージ物,いやはっきり言って廃車レベル以下に見える車だ.わがシャブルベンシ行きもドライバ側のドアは欠損している.いや,頻繁に身を乗り出して後方確認が必要なための利便性確保のための改造,と好意的に解釈すべきか.

出発は7:30AMの予定であるが30分以上前には既に乗り込んでいる人もいた.でもシートは一応指定席であるらしいので,安心して近くのカフェ(?)で朝食を食べることにした.食べ物には一応かなり注意を払い,相対的に問題が少ないと見られる揚げドーナッツとお茶(紅茶)にした.

バスターミナル切符売り場

切符売り場

高々切符売り場なのに鉄格子とは物々しいような,まあイギリスなんかの駅もこんなのよく見かけるから,かつてイギリスの保護国として支配された国としてはやむを得ないか.


バスターミナルの露店

露店

バス停前には露店がたくさん並んでいる.大勢集まるから結構繁盛している.美味しそうな果物が並んでいるが,それなりにリスクがありそうなので,いざ出発せんとする今,ぐっとこらえる.

多様な部族から成るネパールでは,このような場所で眺めているとそれが実感できる.インドっぽい顔,純モンゴリアン的顔,ネワール人(カトマンズ盆地の古くからの住人)......

さて,やがて狭いバスは人と荷物で身動きならぬほど詰め込まれ,屋根にもいろいろ積まれ,かなり踏ん張るようにしながら出発した.

トリスリTrisuli

カカニ(Kakani)辺り

土砂崩れなども

カトマンドゥを出たバスは一旦徐々に高度を上げ,ヒマラヤの展望地カカニ(Kakani)辺りに至る.ただこの日は天気が悪く,全然見えない.暫くすると土砂崩れに遭遇したが規模は大きくなく無事通過.

こんなときはやはり写真のような4WDの方が通過できる確度が高かろう.ガイドGさんも,従来グループであれば4WDにしていたそうだ.今回は私一人で,最近ネパールでのガソリン高(昨年の2倍くらい)によるチャーター料金高騰のため,まあバスにするか.....としたのだった.バスは停車が多く,時間がかかるが,一方安く済んだことに間違いはない.

狭いバス車内

バスは時々停車

何しろ12時間くらいかかる行程なので所々,あるときは村で,あるときは野で止まる.バスの床は荷物で溢れ,全席指定とはいってもさらに立って乗っている人もいて,天井も低い.

写真のご夫妻は息子さんと一緒にブダペスト(ハンガリー)から来ていた人たちで,立派な体格なので頭が支えて後方のシートまで辿りつくのに一苦労しておられた.この方たちとは偶然最終日,山から下るときにまた再会することになり,一緒にワゴン車をチャーターし,カトマンドゥに戻ることになったのであった.

トリスリ(Trisuli)に到着しランチ

トリスリ(Trisuli)に到着しランチ

お昼頃トリスリの町に到着した.この辺りまでは一応舗装道路で,この先は未舗装になるらしい.とりあえずここでは昼食をとるため,比較的長く,小一時間くらいか停車した.停車した脇の食堂に入り,ネパールでデフォルトの料理,ダルバートを食べた.小さな鳥のから揚げも付けてもらった.今思うと,これが最後の肉類でこの先2週間一切肉類が口にできなくなるのだった.もちろん食欲は満々だったが,山のロッジのメニューには肉類が無かったのだ.

今に始まったことではないが,写真柱に掛けられたタオル一枚は,皆がダルバートの正式マナーである手づかみで食べた後手を拭いたり,食器を拭いたりするものだ.たったこれ一枚で全部一切合財.見なかったことにしよう~っと.いや,見たけどUnDoにしよう.

街道脇の子供ら

街道脇の子供ら

街道を行くバスと乗客は村々を通過する.道端の村々には何故かバスを眺めている人たちが大勢いる.写真のように子供たちはもちろん,大人も大勢いる.暇を持て余しているのかな~とか思うが,まあこれはネパールだけに限らず他のアジアの国でもしばしば出くわす光景だと思う.実際暇なのだと思うが,暇な人の割合が結構高いのが中央アジアとかアラブでは普通なのだと聞いたことがある.

真ん中の子が妹の世話をしている.ネパールでよく見かける光景だ.牛やヤギを追っている子などもよく見かける.暇そうな人も多いが,子供も含めてよく働いている人も多い.

ダンダガオンDandagaon

猫の額ほどが連なる段々畑

猫の額ほどが連なる段々畑

トリスリ辺りからかなり標高の低いところから高いところまで登ったり下ったりして進む.比較的高いところでは写真のような段々畑が多く,麦やトウモロコシなどが主なようだ.また家畜は牛やヤギが多いようだ.ヒンドゥー教が国教の国なので,牛は食べるはご法度,専らミルクや使役用のためという.

低いところでは狭くいびつな水田に稲が植えてあったりする.稲が年2回作付けできたり,或いは稲と別の作物ができるようである.バナナやパパイヤなども少し見られる.牛に代わって水牛が多くなる.水牛は食用にも供されるということだ.

用足し停車で降りた村

バス乗務員

何という村であったか,用足し停車で降りた村.ここの建物の壁には鎌とハンマーのマオイストのマークが誇示されていた.通過する街道の小村ではよく客が乗ってきたり,たまに降りていったりしている.新しい客はどうやら皆立ち席若しくは屋根上になるようだ.

バスにはドライバ以外に二人の乗務員が乗っている.一人は車掌のようで,途中乗車の料金徴収にあたり,もう一人はドライバ助手で,すれ違い時の誘導や荷物の上げ下ろしを担当しているみたいだ.バックバック....などのシグナルは,車体をドンドン叩くことで行われていることが,大分走ってからようやく判った.

屋根上まで乗客が満載

満載

私たちのポーターJさんもこちらが快適と屋根に登った.また途中乗車の人が多くなり,車内には入れなくなりどんどん屋根上の乗客が増えていった.大丈夫かね~?


雨になり車内は一層込合う

雨になり車内に移動

でもそのうちに雨が強くなって,耐え切れず多くが屋根から車内に移動してきた.これはまたエライことになったが何とか喧嘩も起こさずにおとなしく堪え,バスは進んだ.国によっては大変な騒ぎにもなろうが,ネパール国民気質は比較的穏やかなのかな~と感じられた.幸い雨は長くは続かず,雨が上がると再び屋根に戻るのであった.あ~っ,ほっとした!

ランタントレックのパーミットを得るチェックポスト

チェックポスト

ダンダガオンというところだと思うが,ここでランタントレックのパーミットを得るために申請書を書く.写真を貼り付けるようになっているが手元になかったので貼らずに提出したが別に何も言わずにパーミット(トレッキング許可証)を交付してくれた.Rs1000(1600円くらい)だった.

ここはまだマオイストの手に落ちず,政府軍の管理下にあるようだ.さらに,この後ランタンに入り,ヘランブーを抜けるまで幾つかチェックポストを通ったが全て政府軍の管理下にあったようで別途マオイストに通行料を請求されることはなかった.

シャブルベンシに到着arrived at Syabru Bensi

岩の壁に人影が映し出された

まだ屋根には多くの人が

チェックポストを過ぎ,天気は回復に向かい夕日が覗いてきた.段々畑も少なくなり,やがて岩の切通しのある地帯に至った.バスの屋根にはまだ多くの乗客が残っているようで,岩の壁に屋根上の人影が映し出された.なかなか見られない光景と,思わずシャッターを切ったのがこの一枚だ.


仏教徒

仏教徒

シャブルベンシまであと1時間くらいに迫ったであろうか,小さな村を通過した.道端では数珠を携えた女性を見かけた.チベット仏教徒であろう.普通,お経を所定回数読み上げる度に数珠玉を送りカウントするのが流儀とされる.この辺はシェルパ族はあまりいないようだし,多く住むというタマン族か?或いはチベット人か?いずれにしてもチベット系の顔立ちと見たが山間に近くなったこの辺は仏教圏であるのは確かなようだ.

ランタン谷現る

ランタン谷現る

さらに奥に進むと谷に掛かった鉄橋を越える場所に至った.どうやらこの深い谷がランタン谷の下流のようである.そうかこの流れを遡るのか~,と感慨ひとしおである.明日はこの流れに沿って歩いているだろうな~といろいろ想いを巡らす.


シャブルベンシに到着

シャブルベンシに到着した

終点のシャブルベンシに到着し,屋根の携帯荷物を降ろす.バスは荷物だけの運搬業も兼ねているようで,乗客の携帯品以外にたくさん積み込まれていた.鶏がたくさん詰まった鳥かごなどもある.まあ,安く上がったが,結構難儀でまた稀有な体験がこれで完了した.到着は6:20PMくらいであったのでカトマンドゥから11時間くらいかかったことになる.

仏陀ゲストハウスに泊まる

仏陀ゲストハウスに泊まる

まだバスの入るところなので外観は山小屋的ではない.シングルからグループまで対応できる4ベッドの部屋が並んでいた.電気があり充電も可能だ.来る途中水力発電所が見えたので,そこから送電されているようだ.また共同であるが水洗トイレだった.ただフラッシュレバーが折れていて,水を流すのが大変だった.

ミネラルウォーターの値段もカトマンドゥより若干高いくらいであるが,食事のメニューは山の中同様に限定的だ.焼きそばに春巻きにガーリックスープを食べてみた.味の程はまあまあか.



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