ラマホテルでトレック第3日目の朝を迎えた.今日はランタン村まで行く予定だ.
雷雨を伴う昨夜の強い雨も上がり,いい天気になりそうだ.7時半頃ラマホテルを出発し,樹林帯の中を歩き始めた.途中家畜に出合う.この辺りは標高が高くないので,ヤクではなく牛が多い.
ラマホテルを発ちランタンコーラに沿って30分ばかり歩くと,谷の前方に突然雪山が見えてきた.ランタンリルン(Langtang Lirung:7,234m)とランタンⅡ峰(Langtang Ⅱ:6,561m)だ.今回のトレッキングの目玉の1つがくっきり見えて,「いいな~!」と感激.
下は,ラマホテルから暫くの間の眺め
林の中,右手にランタン谷を眺めながら歩く.歩き始めて1時間半くらい,9時過ぎになるとリバーサイド(River Side)の標識が掲げられた小さな集落に至った.ここら辺では道がランタンコーラの流れの水位くらいになっている.谷あいにあるためこの時間ではまだ陽が射さないが,標高が低いのでまったく寒いことはない.
いや,この時刻に陽が射さないだけでなく,陽が落ちるのも早いであろう.下の写真のようにコケで覆われた樹木も多く見られることからも日照時間の少なさが窺えよう.
これとは対極的に時々ランタンリルンとランタンⅡ峰が眩いばかりにランタンコーラの上流に出現し,歩く楽しみを倍加させてくれる.
下は,リバーサイド辺りまでの写真
樹林帯はまだまだ続く.やがてグマナ(Ghunama)という広場に至る.ただここはたった一,二軒のロッジがあるに過ぎない.この辺では数組の下りのトレッカーに行き会った.時間からすると今朝ランタン村を出発したのであろうか.何れにしてもクーンブ地方に比べると行き交うトレッカーやポーター,荷役のヤクなど圧倒的に少なく,静かなトレイルである.
ピンクの花を咲かしているこの木は,丈が1~2mくらい,幹はネパール伝統の紙の原料になるそうだ.名前は....忘れてしまった.ちょうど今が盛りで,派手ではないが道端のあちこちで可愛らしく咲いている.
紙の原料として,この他にもう一種類の木も紹介してもらったが,そちらは日本のミツマタとよく似ていた.つまり枝の先が3本に分れ,多分ミツマタの類と思われた.
下は,グマナ前後の写真
林を抜け広い空間に出るとそこがゴラタベラだった.正面にランタンリルンを望み,数軒の茶屋があった.写真はラマホテルで一緒だったプラハの父子とチベット衣装を纏った茶屋のおかみさん.ちょっと早いがここでランチとした.ちょっと変わったサンドイッチ,普通のパンではなく,発酵させていない薄焼きのパンであるチャパティ(Chapati)で缶詰のマグロフレークを挟んだやつを食べてみた.
斜面からこちらを窺っていた.白い鬣で覆われた顔が特徴的だ.ガイドGさんに名前を訊いたら,ネパール語で「デリュー」と称するそうである.
ゴラタベラで標高は3,020mとなり,ここから先はどうやら大きな木はなくなるようである.
下は,ゴラタベラ辺りの写真あれこれ.下右から3枚目にARMY AREAの看板が見えるが,ここにはチェックポストがあり,トレッキングパーミットを提示して管理台帳に記帳した.帰路にまた立ち寄り,同じ欄にサインするようになっている.
ゴラタベラのARMY AREAにはまたヘリポートがあり,日本の旅行会社はカトマンドゥからここまでヘリで来て,ここから上へ歩くツアーを多く出しているようだ.シャブルベンシまでのバスを思い出すと,それもいいと思う.
ジャングルも抜け,天気も悪くならず,青空がきれいだ.その青空を突き刺すような大きな岩山を脇にしたタングサプ(Thangsap)の集落に至った.数軒の茶屋があったが,何故か人影が疎らだ.今はジャガイモの作付けシーズン,それで皆が畑に出かけたのか?
下は,タングサプ辺りの眺め
ランタン谷を遡るように開けたトレイルを進む.やがて先方にツエルゴリ(Tergo Ri:4,987m)が見えてきた.少し雪に覆われている.この頂上に立てば眺めが大変いいそうで,キャンジンゴンパから日帰りで登る人が多いそうだ.
そのうち表記の茶屋までやって来た.ポーター達もここで大きな荷を下ろし,身体を休めている.茶屋では特産のヤクヨーグルトの看板を掲げている.
しきりにヨーグルトを勧める若奥さんと,多分大奥さん.ヨーグルトは美味しそうだが.....生ものなので,今はパス.若奥さんデジカメの画像が気に入った様子で大奥さんと一緒のショットも,と相成った.チベット装身具であるが,割とシンプルにまとめるのがこの辺りの流儀のようだ.
下は,チャムキ近辺の風景
荷揚げの馬が歩いて行く.馬もかなり高所に強いようだ.まあ,馬の種類にもよるのであろうが,昔中国とチベットの交易で,チベット馬は最も重要な対象品目であったそうなので,その系統であろうか.
この辺りまで来ると潅木と枯れ草ばかりとなってくる.だがランタンコーラを挟んで反対側の斜面,つまり北斜面には木が多く見られる.反対側は,雪山の雪がゆっくり融け,その水が一年中供給される,というのが理由のようだ.
やがて先方右手にガンチェンポ(Ganchenpo:6,387m)の頂部が見え,3:00PMランタン村に到着した.たくさんのロッジがある.我々はシャングリラホテル,どこかの3つ星ホテルと錯覚しそうな名前のロッジに泊まることになった.二階の部屋からはガンチェンポの美しいヒマラヤひだを鮮明に望むことができた.
ランタン村には電気が引かれている.その前や先の村にはなく,ここだけ特別である.近くに小さな水力発電所があり,そこから供給されている.きっとこの村の消費量だけ賄える程度のパワーなのであろう.
シャングリラホテルのダイニングルームにも仏壇,と云っても売り物のマフラーや手袋なども渾然一体と並べられたものであるが.両側に仏像,中央にダライラマの写真とネパール王家の肖像画が掲げられ,チベット仏教の特徴と,さらにネパールにおける仏教の立場がよく示されていると思う.
このロッジではリムチェの茶屋辺りから時々一緒になるポーターグループ,6~7人と同宿となった.明日は私たちと同じくキャンジンゴンパを目指すようだ.
すこぶる快調,お腹が空く.チャーハンとオニオンスープの夕食を早めに作ってもらい,美味しく食べた.夕刻は残念ながら雲が多くなり,ガンチェンポの夕日は望めなかった.早く寝よ~っと!部屋の温度は6℃と,まだそれほど寒くはないから楽だ.
下は,チャムキからランタン村に至るまでの眺め
今日は天気に恵まれ順調にランタン村に至った.さて明日はいよいよキャンジンゴンパまで登る.明日も天気がいいかな~?