D13:ラージュンへgo to Larjung

このD13:ラージュンへ編では11月18日ジョムソンを出て,シヤン,マルファ,トゥクチェ,コーバンを経て,ラージュンまで行き,ナウリコットを訪ねたときの写真と記事を掲載した.

ジョムソンを出るleave Jomsom (2,710m)

ジョムソンを出てカリガンダキを歩く

ジョムソンを出てカリガンダキを歩く

このロッジでは珍しく普通のトーストがあった.英国風1斤12枚切りくらいの薄いタイプで,ネパールの歴史を思い起こさせる.

食後出発のため表に出ると,ジョムソン空港には一番機が飛んできた.少しして折り返し戻っていった.と眺めている内に次が飛んできて,あれよあれよと言う間に3~4機来てはまた飛び去って行った.気象条件の整ったときに集中的に飛び,逆に悪いときには数日フライトキャンセルが続くことも稀ではないようだ.

通りにはリンゴやみかんの露店が並んでいた.飛行機で帰る人は多少重くとも構わないのでよく買って帰るようである.

そのジョムソンを出るとまた直ぐにカリガンダキの川原に下りて,流れと同じように南に向かった.


下は,ジョムソン朝の写真

ジョムソン朝の眺め
ジョムソン朝の眺め ジョムソン朝の眺め ジョムソン朝の眺め ジョムソン朝の眺め

シヤンSyang (2,701m)

ネパールムスタン地域開発協力会 (MDSA)

ネパールムスタン地域開発協力会 (MDSA)

川原を暫く下ると標記の看板を掲げた建物があった.庭には近藤亨氏と梅田稔氏の建立した仏像がある.お二人は果樹栽培専門家としてネパールのために長年尽力されたそうである.ガイドGさんもここのリンゴがネパール一美味しいと賞賛している.お二人はその後も辺境ムスタン地域住民の自立に寄与するべく,このネパールムスタン地域開発協力会 (MDSA)を任意団体として発足させたそうである.


シヤン辺りを通過

シヤン辺りを通過

なおも川原を下った.この時間はまだ風もなく,広々としていて快適だ.途中,トロンフェディやハイキャンプ辺りで一緒に歩いたパリからの二人連れと再会.互いにその後の行動を報告しあう.中で,二人の「カクベニは素晴らしかった」との言葉に,ここをショートカットして通らなかったことに少し悔いるが,まあ今となっては遅い.

川原を行くとやがてシヤン(Syang)辺りを通過した.赤白外壁のゴンパは,茶色の背景と相まってここもまたチベットのような景観を見せていた.


下は,シヤン辺りの眺め

シヤン辺りの眺め
シヤン辺りの眺め シヤン辺りの眺め シヤン辺りの眺め シヤン辺りの眺め シヤン辺りの眺め
シヤン辺りの眺め シヤン辺りの眺め シヤン辺りの眺め シヤン辺りの眺め シヤン辺りの眺め

マルファMarpha (2,670m)

数珠玉送りの婦人

数珠玉送り

カリガンダキの川原を歩いていると,前方からチベット風ストライプエプロンを着けた婦人が歩いてきた.手に数珠を持っている.お経を唱える度に玉を送っているのであろう.


マルファの集落にやってきた

マルファの集落にやってきた

カリガンダキから右岸に上がるとマルファ(Marpha)の集落が見えた.赤と白の大きなゴンパが目立つ.ラサのポタラ宮のように白宮(手前)と紅宮(奥の建物)に分けられているようだが,ポタラ宮のように政治面と宗教面とで分けられているのかは不明だ.これだけ大きなゴンパであれば相当数の僧侶が居るのであろうか?

マルファは主にタカリー族の集落であるが,後述の河口慧海師がここに長く逗留し,チベット語を学んだようにチベット人も多いようである.


マルファの白い街

マルファの白い街

白い壁の家が曲がりくねった石畳の小路の両側に連なる.ヨーロッパ,例えばポルトガルとかの古い街並みと見紛うような光景だ.大きなゴンパのある門前町として栄えてきたことが,こうした街並みを造ったのではなかろうか.


河口慧海師修行の部屋

河口慧海師修行の部屋

マルファの街の終わり辺りに河口慧海記念館(Ekai Kawaduchi's Home)があった.そう,100年余り前,ダウラギリ辺りを越えて鎖国状態のチベットに密入国,ラサのセラ寺で修行し,多数の仏典を持ち帰った,あの河口慧海師が1年ばかり修行と準備のため過ごしたこの家を訪ねた.

建物は現在も普通に使われており,2階の一画に滞在したこの部屋があった.部屋の壁と云う壁には経典と仏像が収められ,慧海師は終日この部屋に篭り経典を読み,それを1年に渡り続けたのだ.

ここでは慧海師の記したチベット旅行記の感動を再び呼び戻してくれた.現在この建物は慧海師に部屋を提供してくれたお坊さんの子孫の方が住まい,管理されているようであるが,感謝申し上げます.


下は,マルファまでの写真あれこれ

マルファ辺りの眺め
マルファ辺りの眺め マルファ辺りの眺め マルファ辺りの眺め マルファ辺りの眺め マルファ辺りの眺め マルファ辺りの眺め マルファ辺りの眺め
マルファ辺りの眺め マルファ辺りの眺め マルファ辺りの眺め マルファ辺りの眺め マルファ辺りの眺め マルファ辺りの眺め マルファ辺りの眺め

トゥクチェTukuche (2,590m)

先方に形を変えたダウラギリ

先方に形を変えたダウラギリ

マルファを越えて,再びカリガンダキに沿って下る.風が出てきて,程なく突風程度に強くなる.ジョムソンからここまで殆ど山が見えなかったのだが,やがて先方に形を変えたダウラギリが見えてきた.ジョムソン辺りから眺めるより,えぐられた東壁が広く見えているようだ.


カリガンダキ対岸にはニルギリ

カリガンダキ対岸にはニルギリ

この辺りではカリガンダキ右岸に沿って歩いていたが,対岸に目を向けるとニルギリが大きく立ちはだかっていた.左の峰はニルギリノース,右がニルギリセントラルのようだ.サウスは手前の山に遮られているようだ.


トゥクチェの集落に入る

トゥクチェの集落に入る

やがてトゥクチェ(Tukuche)の集落に入った.ここも石畳の通りがあり,かなり立派な景観の街だ.

頃合もよし,トゥクチェの茶屋で昼食を食べることにした.きのこスープと野菜の春巻き,まあまあ美味しかった.


トゥクチェのネワール様式建築

ネワール様式建築

トゥクチェはタカリー族の集落であるそうだが,カトマンドゥでよく見られるようなネワール建築様式,例えば庇の筋交いとか彫刻とかの立派な建物が多くある.タカリー族は元々商才に長け,かなり辺境の地にありながらも常に中央に目を向けて生きてきたそうで,それが建築にも反映されていると読んだことがある.


下は,トゥクチェまでの写真

トゥクチェ辺りの眺め
トゥクチェ辺りの眺め トゥクチェ辺りの眺め トゥクチェ辺りの眺め トゥクチェ辺りの眺め トゥクチェ辺りの眺め トゥクチェ辺りの眺め トゥクチェ辺りの眺め
トゥクチェ辺りの眺め トゥクチェ辺りの眺め トゥクチェ辺りの眺め トゥクチェ辺りの眺め トゥクチェ辺りの眺め トゥクチェ辺りの眺め トゥクチェ辺りの眺め

コーバンKhobang (2,560m)

コーバンに着き,迫力のアイスフォール

コーバンに着き,迫力のアイスフォール

トゥクチェからさらに川原を歩く.暫くするとコーバン(Khobang)の集落が見えて,その上方にトゥクチェピークダウラギリⅠ峰とダウラギリアイスフォールを望む場所に至る.

アイスフォールは漢字で書くと氷瀑となるそうだ.氷瀑の正しい定義は分らないが,冬に凍った滝などもそのように呼ばれるようだから,氷河と違ってできた年代が古いものには限定されないようではあるが.....いずれにしても迫力がある.

トゥクチェピークもムクチナート辺りで眺めたのとはすっかり姿を変えてしまった.どちらかというと特徴的な姿が凡庸になったように見える.


下は,コーバン付近の写真

コーバン辺りの眺め
コーバン辺りの眺め コーバン辺りの眺め コーバン辺りの眺め コーバン辺りの眺め コーバン辺りの眺め コーバン辺りの眺め コーバン辺りの眺め

ラージュンに着くget to Larjung (2,550m)

ラージュンに着く

ラージュンに着く

コーバンから暫く歩きラージュン(Larjung)に到着した.ダウラギリⅠと同アイスフォール,トゥクチェピーク,ニルギリがよく見えるところで,この日はここで一泊することにした.なおニルギリサウスはここで初めて姿を見せた.

近くにナウリコット(Naurikot)と呼ばれる小高い丘があり,そこにも行けるし,なかなかいい場所だ.


リバーサイドロッジ

リバーサイドロッジ

ラージュンは小さな村で,ロッジも多くない.ここでは部屋数で6~7であったかリバーサイドロッジ(River side lodge)に泊まることにした.ニルギリを望む中庭では宿の奥さんが洗濯に励んでいた.

客はベルギー女性トレッカー一人と,中央(カトマンドゥ)から派遣されて来ている警官が居た.警官はほぼ官舎のような形で使用し,既に数ヶ月滞在しているらしい.

ベルギー女性は早い時間に到着し,既にナウリコットに登り,戻ったところだった.ナウリコットは野山の眺めもいいし,村も素晴らしい,と奨めてくれた.なお彼女は,もっと先まで下る予定だったがポーターガイドの不調で,ラージュン泊まりになったという.そのガイドが大酒のみで....で,とこぼしていたが,後で二人の脇で交わす会話を聞いていたら確かに呂律が回っていない.彼女に,「でしょう?ね?」と言われ,相槌を打つ以外なかった.不運なガイドでお気の毒に思った.


下は,ラージュンでの写真

ラージュン辺りの眺め
ラージュン辺りの眺め ラージュン辺りの眺め ラージュン辺りの眺め ラージュン辺りの眺め ラージュン辺りの眺め ラージュン辺りの眺め

ナウリコットに出掛けるgo to Naurikot (2,700m)

ナウリコットから東を望む

ナウリコットから東を望む

夕方,ナウリコット(Naurikot)に出かけた.途中日本資本と聞いた立派そうなホテルがあった.宿泊費はかなり高いらしい.ナウリコットの村はラージュンより150mほど高い場所で,細長く続いていた.街道沿いと違って狭い道で,入り口近くに小学校があった.家畜が主な生業か,牛やヤギが目立った.

ナウリコットから東を望むと,カリガンダキの向こうにニルギリの三峰がどんと座り,いい眺めだ.反対側にはダウラギリⅠと同アイスフォール,トゥクチェピークが間近に見えるのだが,夕刻の光線の具合はあまり良くない.多分朝ならいいであろう.


暫くして陽が傾き,やがて5時15分頃になるとニルギリが赤く染まった.言うことなしの見事さだった.

ニルギリ北ニルギリ中央
ニルギリ北ニルギリ中央
ニルギリ南アンナプルナⅠの一部?
ニルギリ南アンナプルナⅠの一部?

下は,ナウリコットとそこからの眺め

ナウリコットからの眺め
ナウリコットからの眺め ナウリコットからの眺め ナウリコットからの眺め ナウリコットからの眺め ナウリコットからの眺め

夕焼けを眺めていると,辺りはすっかり暗くなっていた.迂闊にもヘッドランプを持ってこなかった.焼きが回ったかな~?そろりそろりとナウリコットから下り始めると,ポーターJさんが明かりを持って迎えに来てくれた.これで安心して歩ける,どうもありがとうさん.



Cannergy'sホームへ