この涸れ川キャニオニング編では,2016年11月12日ビダー村を訪れキャニオニングを開始,どんどん進みランチに好都合なプールに至る.この後歩き,また泳ぎシクの村まで下る.次いでシク村のファラジ周辺を歩きキャニオニングは無事完了,このときの写真を載せました.
11月12日ワディバニハリッド峡谷(Wadi Bari Khalid)12の上流に位置するビダー村(Bidah)11に行き,キャニオニングを開始.川縁を歩き,またワディを所々泳ぎ,拡大すると見えるシク(Sayq)の村に下った.
11月12日朝,ワヒバ砂漠のデザートキャンプを出発し,ビデヤーの町でタイヤ空気圧を戻すとともに舗装道路に入ると,一路北東のワディバニハリッド峡谷を目指した.
道は高速道並みに整備されているところが多い.
やがて車はワディバニハリッド峡谷(Wadi Bari Khalid)のエリアに入ってきた.そして先には目指すビダー村(Bidah)が見えてきた.
ビダー村に到着すると車を降り,キャニオニングの準備にかかった.水着に着替え,軽いシューズに履き替え,日除けのシャツと帽子を着け,ライフジャケットを着た.私は初めての経験で勝手が判らず,特に靴の準備に苦労した.結局持参したのはゴム底の軽めの布靴であったが,結果は概ねOKであった.できれば水が抜ける靴であればさらにいいと思われた.
写真はビダー村ファラジ水源の湧き水であろうか,傍らにはナツメヤシの木がよく茂っている.
キャニオニング準備を整えてから,ビダー村の中,ファラジ水路に沿って暫く歩いた.水路脇は供給される水のお陰で,ナツメヤシ始め種々植物が青々とし,眩いばかりだ.
ビダー村の外れまで来ると,大岩ゴロゴロのワディバニハリッド峡谷(Wadi Bari Khalid)に出た.さてここから多分今回ツアーのメインイベント,キャニオニングの始まりだ.
ワディ(Wadi)の名の通り,今でこそ涸れているが,雨の季節は大岩も運ぶ激流と化すそうだ.
ワディバニハリッドの流れはごく微量で,先ずはその脇の岩の上を歩いて下る.
流れが僅かなので,段々池のように水が蓄えられている.ただ水はきれいで,安心して入ることができるようだ.
ワディで運ばれた岩が覆い,トンネル状になっている.ちょっと楽しい.
ただ行くと,ワディ脇に壁が立ち上がり,トレイルが途絶える場所となった.こうした場所は渡渉する.深いところもあって,泳ぎに変わるところもある.
細い流れの脇を踏みながら下る.岩を飛びながら歩くので滑りやすい.グリーンのザックのガイドSさんが,傍でサポートしてくれた.
写真の滝の上流から歩いて来たのだが,暫く歩き,このターコイズ色の池に出た.池は深くスイミングプールにちょうどいい.
また池の縁には座るに手頃な岩床があり,ランチ場にもいい場所だ.
先客の皆さんがおりプールに浸かっていた.私たちと同じ程度の人数のグループで,ヨーロッパの人たちのようだ.既にここで十分過ごしたようで,私たちが到着すると間もなく下流に下っていった.
ガイドSさんが先頭切って,崖からの飛び込みを見せてくれた.池が十分深いので大丈夫だ.頭から飛び込めばさらにカッコいいね.
ただこれに続いて飛び込む人は....居なかったかな?いやアスリートMさんは飛んだかな~?
私たちは池の縁から入って泳ぎを楽しんだ.私もライフジャケットや日除けシャツを脱ぎ,帽子やメガネを取り払い泳いだ.波もなく流れもなく,また水温は適温で正にスイミングプールのようだ.楽しい.
ただ池の縁はとてもヌルヌルしており,大変滑り易く,出入りするのは一苦労だ.ヌルヌルは藻の一種であろうか.
ひと泳ぎ後は焼けた岩床に座り,身体を乾かし,乾くと日焼け止めシャツを着た.
そしてお弁当だ.内容は何だったかな~?少なくともデーツは含まれていたかな.
ランチ後,ワディ下りを再開した.ワディは深い峡谷で,両岸の岩壁は高く立ち上がっている.雨後の水位は壁のかなり上まで上昇するのであろう.
さてこの辺りは所々水のある大岩を飛びながら行くとこになる.靴,特にソールは滑らず,飛び易いものでないと危ないだろう.履いていたのは一応まあまあで何とかなったが.
この辺りは右岸を歩いていたが,トレイルが途切れるので渡渉し,対岸に行く場面だ.流れは清らかで,対岸(左岸)は砂浜のように長閑な景観だ.多分長い距離続くことはなさそうだが.
左岸のトレイルは崖上で,傾斜や凸凹があり,厳しい.泳いで下ることもできるが,距離はありそうだ.さてどうするか?私自身は安全そうな泳ぐ方を選んだように思う.
ここはワディとは言いながらも結構水があり,両岸は縦,或いはオーバーハングしており,トレイルがない.つまり泳いで進むことになる.
シャツとライフジャケット,帽子,メガネは着けたままだ.ライフジャケットは比較的薄いタイプなので問題ない.むしろ楽かも知れない(Mさん,Kさんのように初めから着用してない人もいる)
私は腰のあたりに防水カメラも携えていた.以前から使用しているカメラであるが,雨の中を歩くとかボートで水しぶきを浴びることはあったものの,完全に水の中に沈めた経験はなかった.水中に沈めてもほんとに大丈夫なのか些か気掛かりだった.しかし結果は大丈夫で,右写真含め一連の写真はそのカメラで撮ったものだ.疑っていたのに,実際機能してくれたら,素晴らしい!と手の平を返した.勝手なものだ(→自分).
この辺りは泳ぐ箇所多くなる.深く,また長いところは100mくらいの距離がある.途中で泳ぐのを休んでも,ライフジャケットを着けているので沈まない,いや~楽なのだ(^^;
ところで防水ではないカメラ持参の人もいたが,一番のアスリートMさんは,それらのカメラをまとめて預かり,防水タンクに密閉し,背負って運んでくれていた.Mさんはヤギのように岩を登り,魚のように泳ぐが,とても親切でもある.
ランチのプールで出会ったヨーロッパの人たちは先を行っていたのだが,このプールで再会した.またこのプールで泳いでいるようだ.私たちは休まず下り続ける.お先に~
このプールの下流側出水口を見るとスロープ状滝になっており,緩やかに流れ落ちている.また藻が着いているようで,やはり滑り易いかもしれない.
プール下はしばし広々した平面があった.ガイドSさんは普段裸足で,サンダルを腰に下げて歩いていたが,この平坦な砂利状面ではサンダルを履いていた.
平坦区間は僅かで,またまた下を水が流れる大岩区間に入った.道らしい道が見えるわけではないのでルートファインディングが大事だ.ここはSさんから離れないよう,しっかり付いて行った.
ここ辺りには上から流されてきたのであろう,道路標識が転がっていた.大岩の上まで完全に覆うような水嵩になるのだと,改めて感心した.
右岸路から渡渉し,左岸の少し高みに位置するトレイルに登る場所だ.いや~いろいろな場所がある.
ここは大きく侵食されて屋根上部分と,テラス状棚が残ったようだ.なかなか面白い形だ.
ここは歩いて渡れそうだ.下は砂利状のようだ.
今度はまた泳ぐ区間に入った.また100mくらいの距離がありそうだ.
浅瀬の流れになり,左岸の歩くルートに上がり,歩く.
何度目かの右岸コースになる.ここは暫く大岩トレイルが続くが,ここを過ぎればシクの終点は近いそうだ.
ナツメヤシの木が生えてきた.それにワディに沿いトレイル下方にファラジの水路が見えている.ほぼキャニオニングが終わりに近づいたことになる.
大岩のトレイルが終わり,私たちは下のファラジ水路に降り,そこを下流方向に歩いた.ファラジは目指す終点シク村(Sayq)のもので,水路はしっかりしたコンクリート造りである.
ファラジ水路脇に格好の広場があり,ここで一休み.皆無事に下り,良かった.
私自身キャニオニングは初めての体験どころか,そのような言葉を聞くのさえ初めてだった.だがこれはとても楽しかった.
ファラジ水路を伝い,シク村のナツメヤシ畑に入っていった.今回残念ながらお二人の方がキャニオニングを見合わせ,不参加だった.そしてこのナツメヤシ畑の木陰で過ごし,ここで私たちと合流し,ランクルの待つシク村に歩いた.
ファラジ水路を歩いていると,シク村の女性でしょうか,歩きスマホで散歩中だ.伝統衣装だが皆カラフルなことにちょっと驚く.
シク村の駐車場に到着した.駐車場前の地面に石の欠片が突き刺してあるので,訊いてみたら村の共同墓地ということだ.石片には文字など識別するようなものはなく,極めて簡素なスタイルだ.
この初夏に訪れた,同じようにイスラムのキルギスタンの墓地は大層立派でびっくりしたものだが,その対極とも言えるここの簡素さにもまた驚く.
シク村にランクルに乗り込むと,今度はアラビア海,オマーン湾入り口に面するアルハド岬目指して発進した.