このオマーンへ編では,2016年11月6日成田から出発し,先ずドーハ(カタールの首都)へ飛び,ここで乗り換えてマスカット(オマーンの首都)へと辿ったときの写真を載せました.
成田1から出発し,先ずドーハ2へ飛び(飛行時間12時間強),ここで乗り換えてマスカット3へと飛んだ(飛行時間1時間半ちょい).
なお戻りドーハ2→成田1は順風で,これより2時間余り短い時間で済む.
半蔵門線で押上(スカイツリー前)に来て,アクセス特急成田空港行きを待った.出発のカタール航空QR807便は22:20と遅い時刻だが,通路側シートを確保するため17:01という随分と早い電車を待った.そして電車はすぐに来て,これに乗り込む.休日のこの時間帯は空いていて大変結構なことだ.
ところで京成の『アクセス特急』は慣れたので問題ないが,それがないときは,下欄『快速特急』のように,京成の複雑な呼称体系の中で果たして速いのかどうか?どれに乗ればいいのか?にわかには判り難い(単に一年寄りの問題ではあろうが)
成田空港第2ターミナルに着いた.先ずJAL-ABCで前日集荷してもらったダッフルバッグを受け取りに行く.次いでカタール航空カウンタ入口に行き,添乗Yさんに会い,どうぞよろしくとお願いし,eチケットや参加者リストをもらう.そして直ちにカタール航空カウンタに並ぶ.早い時間だったが,写真のようにもっと早い人が結構並んでいた.
チェックインの列に並んでいると7月キルギスタンでご一緒したMさん,4年前ザンスカールトレックで歩いたKさんと顔を合わせ,いや~どうもどうもと挨拶を交わす.改めて今しがたもらった参加者リストを見ると定員いっぱいの11人(f7,m4)だ.私は出発の10日ほど前に申し込んだのでこれが最後のようだった.この募集人数は添乗Yさんと合わせ12人が4台の4WDに分乗して旅するためだ.なおこの4台の4WD✕3人という編成(=募集定員)は7月のキルギスタンツアーと同じだ.
カタール航空カウンタでチェックインする.ドーハ行きQR807便(B777-200LR)およびマスカット行きQR1128便(A320)ともに通路席が確保できてほっとする.私にとってシートマップ3-3-3のB777などで窓際になることは大きな危機だ.かと言ってビジネスクラスはとても買えないし.
ところでカタール航空はワンワールド加盟で,JALのマイレージカードに加算してくれる.JALマイレージでは最近ワインを貰ったばかりで,今回はカード持参に抜かりなかった.なおANAでも所定の率で加算されるらしいが.....詳細不明.ANAカードは,ネットからの操作とファミリーマート端末操作で一万円単位でEdyに変換できるのが便利だ.
ということで出国審査に向かう.
さてドーハ行きカタール航空QR807便(B777-200LR)のシートは2/3くらいの埋まりようで,ゆったりできた.そして定刻より若干早い22:10,成田からテイクオフした.そして水平飛行に近づくと夕食を出してくれた.魚を頼んだらサワラか何か美味しいものを出してくれた.それとイスラム国のエアラインながらワイン(写真右上)などを添えてくれるのが嬉しい.
夕食が終わると照明が落とされた.大した好みの映画も見つからず,体内時計は真夜中であり,後はひたすら寝て過ごした.
QR807便は順調なフライトでオマーン湾上空に差し掛かった.今度は朝食の番だ.カートを引くCAは中東のエアラインらしく,中東系に加えアジア系,アフリカ系,ヨーロッパ系....多様だ.
後に添乗Yさんに聞いたことだが,カタール航空の客は,中東に往来するインドやバングラデシュ,フィリピン....などアジア系出稼ぎ労働者の比率がとても高いと云うことだ.CAの多様性はそんな事情に鑑みた結果であろう.
機は正しくオマーン湾はホルムズ海峡上空になったようだ.つまりオマーン王国の首都マスカットは過ぎ去った訳で,そこで着陸していれば何の事はないのに,一旦ドーハまで行き,戻るのだ.
ホルムズ海峡(Strait of Hormuz)は海路の要衝,原油の80%余りを中東に頼る日本にとっては極めて重要な場所だ.またそうした観点から集団的自衛権の行使の一例として想定されたことでもよく知られる.
ところでホルムズ海峡の半島先端部は面白いことにUAE(アラブ首長国連邦)に接するオマーン王国の飛び地なのだ.大航海時代はポルトガルが占領していたが,後にイランの支配を経て,複数の海賊や首長国が争い,オマーン王国領に落ち着いたようだ.
ところでこの成田から中東までのトラックを眺めると,中国の領土は北京の東から,イスラマバードの東,ヒマラヤまで著しく広大であることを改めて認識する.
さてそんなホルムズ海峡上空辺りで朝食を配ってくれた.さてオムレツか何か....特段変わったものではなかった筈だ.
QR807便は順調に飛び,ドーハ空港(ハマド国際空港 Hamad International Airport)に到着した.カタール航空のハブ空港だ.ハマド国際空港は2014年に開港したばかりだそうで真新しい大きな空港だ.真ん中辺りに大きな黄色のクマが座り,巨大な電光表示板が,粗くも透過式であることが珍しい.また中東の空港らしく高級車の展示も見える.
ハマド(Hamad)国際空港の名はカタール国元首ハマドビンハリーファアールサーニ首長(Hamad bin Khalifa Al Thani 長い!)に由来するそうだ.以前イエメン旅行で同行の浜田さんがガイドから親しげにハマド,ハマドと呼びかけられていたのを思い出した.中東の人にはハマドとハマダは同じように響き,またムハンマドの愛称のような親しみ深い名なのだそうだ.
広いハマド国際空港には歩く歩道にシャトルトレイン(写真で左右の2階部分)など最新の設備が備えられている.それとドバイ空港辺りではベンチ不足で,よく床に寝ているトランジット客を見るが,ここハマド国際空港は十分なシートがあり,溢れてはいない.旅客も少ないのかな~?私が一番感心した点だ.
なおフリーwifiが使えて,電源も随所に備えられている.
ハマド国際空港でトランジット手続きを経て,マスカット行きQR1128便ゲートに歩いた.黒ずくめの女性が中東の雰囲気を盛り上げてくれる.何処も同じだがやはりスマホはこうした待ちの暇つぶしに好適なようだ.
なおこうした黒ずくめワンピースは中東(イスラム圏)各地共通にアバヤ(Abaya),スカーフはヒジャーブ(Hijab)と呼ばれるようだ.なおアバヤは丈が長く, 恰も松の廊下の如く,常に床をこすりながら歩くのが普通だ.他人事ながら汚れが心配だ.泥汚れに強い洗剤とドラム型洗濯機で,叩きつけ洗濯が必要であろう,多分.
QR1128便にはCOBUSでタラップに行き,搭乗した.
バス内男性オバQのような白いワンピースは,これから最も頻繁に目にすることになるオマーン男性正装のようだ.これまた雰囲気を盛り上げてくれる.このようなワンピースはディシュダーシャ(Dishdasha)と呼ばれるようで,オマーンに限らず中東各地でほぼ共通のようだ.また理由は忘れたが日本製生地はディシュダーシャ素材として人気があるそうだ.
また頭のターバンはムッサル(Maaser)と呼ばれ,黒い輪っぱ(イガール Agal)は載せないようだ.ムッサルの替わりにクンマ(Kuma)というオマーン帽子の男性もよく見かける.
QR1128便機材はA320だった.タラップを上ると,入り口にoneworldとWiFiの表示があった.フライト時間が長くないので試そうとしなかったが,WiFiはどのようにすれば使えるのか不明だ.
比較的小型のA320には続々と乗り込んできて,概ね満席であろうか.中東内のフライトであるからこそしてヒジャーブ姿のお客さんも目立つ.これも旅情の一つと感じ入る.
マスカット行きQR1128便は定刻に飛び立った.シートのスクリーンにはドーハからマスカットへの予定ルートが破線で示されていた.概ね直線航路で,ペルシャ湾→UAE→オマーンと飛ぶようだ.1時間半のフライト予定だ.
QR1128便は飛び立つと程なくサンドイッチの朝食を出してくれた.朝からハイネケンも付けてくれてとても行き届いている.
QR1128便はマスカット上空となった.あまり高い建物は見えず,地面に同化するが如くベージュ系の建築が多いようだ.
QR1128便は予定通りマスカット国際空港(Muscat International Airport)に降り立った.マスカット国際空港は一国の首都空港だがボーディングブリッジを備えず,規模は小さめだ.タラップを下るとアラビア半島の街らしく11月にしては暑い大気に包まれた.また空を見上げると雲はなく,これまたアラビア半島を感じさせる.
ただ大気はクリアではなく,モヤっており,旅行の間中どこの場所でもくっきり感を欠く風景を味わうことになる.大気中の水蒸気量が多いとかがその理由であろうか.....?
COBUSでターミナルビルに向かい,イミグレーションに向かう.既に長蛇の列が見えた.私たちは列に加わり,添乗Yさんが全員のビザ代を支払ってきてくれた.ビザ代はUS$支払い可能で,この日の為替レートではUS$56だった.そしてそのレシートをパスポートに添えて,審査官に差し出すと何の問題もなくビザスタンプと入国スタンプを押してくれた.
イミグレーション,税関を過ぎたところに何故かありがたいことにビール(ハイネケンだが)が売られている.イスラム国に入国する異教徒に対する温かい配慮だ.このことは予め添乗Yさんより知らされていたこともあり,飲む人は皆330mlの12缶パックをUS$18(激安だ!)で買い求めた.2パック(24缶)を買った人もいた.そしてこれこそ正解だった.
こうしてビールも買ったことだし,飲み終えたら酒屋で買うかレストランで注文すればいいさ,というのが皆の目論見だった.ところがどっこい(端から在る筈ない)酒屋はもちろん,同行のWさんが懸命にググったり,また添乗Yさんの情報ルートを最大限活かして秘密の販売所を探してくれたがそうした場所は全く判らなかった.それどころか特定のホテルレストランでのみ約US$7(12缶パックUS$18よりは圧倒的に高いが)で飲めることが明らかになった.後に,空港で3パックくらい買っておくべきだったとの声は大だった.それにしてもオマーンはイスラムの教えに厳しい国だ.ただ,たとえ異教徒であってもビールは絶対不可のイランなどと比べるとかなり寛容だ.
イスラム香りアーチ回廊の優雅なマスカット国際空港建屋の外に出る.白いディシュダーシャにクンマと云うの絵に描いたようなオマーン男が居並ぶ.私たちと直接関係ない,いや関係ない一般的光景だからこそして,『これぞオマーンだ』と云う感に陥る.
さて私たちはマスカット国際空港を出ると,4台のトヨタランドクルーザーを従えたチーフガイド兼ドライバSさん,ドライバAさん,Syさん,Kさん4人にピックアップしてもらった.よろしくお願いいたします.
とこで写真中ほど,白とオレンジの車は一般タクシーで,国中どこでもこのトーンになっている.そしてその背後白とブルーの車は空港タクシーという.何れもどうやら法の定めに従っているようだ.