ジュベルサムハンJebel Samhan

このジュベルサムハン編では,2016年11月17日,ミルバットからジュベルサムハン自然保護区に上り,岩山の巻道トレイルでハイキングし,下って石焼ビーフのランチを食べたときの写真を載せました.


ジュベルサムハン20付近のGoogleマップ

ミルバット18から坂を上りジュベルサムハン20の1200m地点くらいに至った.

ジュベルサムハンは4,500km2の範囲が自然保護区(Jabal Samhan Nature Reserve)に指定されているそうだ.

ジュベルサムハンに上るgo up Jebel Samhan

ミルバットから徐々に高度を上げる

ミルバットから徐々に高度を上げる

ミルバットからジュベルサムハンに向けて徐々に高度を上げていった.すると急激に風景が変わっていく.木や草が生えてくるのだ.これまで見てきた岩山はあくまで茶色一色,植生と言えばオアシスのナツメヤシや野菜に限定されていた.

とにかくこの植生のユニークさには驚かされる.高さによる気温低下,モンスーン,地形に依る風....などの影響か...


ジュベルサムハン(Jebel Samhan)途中いきなり牛の放牧

いきなり牛の放牧

これまた驚くことに,しばしば牛の放牧シーンが見える.これまで通ってきた荒れ地の平原,ハジャール山脈では草が育たないので放牧できないのだが,ここは草が生えている(草ぼうぼうではなく,控え目だが)からこそ可能なことだ.


ジュベルサムハン(Jebel Samhan)途中ヤギもいるが毛の短いタイプだ

ヤギもいるが毛の短いタイプだ

ヤギはこれまで通ってきた荒れ地の平原やハジャール山脈でもよく見かけた.急斜面に僅かに生えた草や樹の葉をそれこそ根こそぎ食べる根性があるためだろう.

ここジュベルサムハンにもまた放牧されている.ただこれまでのヤギは毛の長い種だったが,ここのは皆短いタイプだ.


ジュベルサムハン(Jebel Samhan)でボトルツリー(Bottle tree)現る

ボトルツリー現る

標高が上がるとそのうちボトルツリー(Bottle tree)が生えてきた.名のように太い幹に小振りの枝が上から出ている.

形態としてはバオバブなどと似ている面があるが,丈は著しく小さく,バオバブの盆栽といった趣きだ.


ボトルツリー(Bottle tree)の花

ボトルツリーの花

ボトルツリーはデザートローズ(desert rose)の別名があるそうで,幹とは不釣り合いのような可憐な花を咲かせている.ソメイヨシノのように葉っぱが無いうちに咲くのも面白い.


ジュベルサムハン(Jebel Samhan)途中のシカクヤブガラシ

シカクヤブガラシだそうだ

これもたくさん生えている.一見サボテンの仲間かと思ったが違い,シカクヤブガラシ,学名Cissus quadrangularisということだ.幹の断面は4角形で,シカク(quadrangular)の名はそれに由来か.


シカクヤブガラシの葉っぱ

シカクヤブガラシの葉っぱ

素人目にはこの葉っぱがあることがサボテンと決定的に異なるように見える.葉っぱは四角い幹の節や先端に付いている.そして幹のサイズに比べてバカに小さい.

上のボトルツリーも幹に対して枝は小さく,葉の量が少ない筈で,両者とも砂漠的環境に順応した形態なのであろう.


ジュベルサムハン駐車場に到着

ジュベルサムハン駐車場に到着

ランクルはジュベルサムハン駐車場に到着した.左側の台地から,右の崖に落ちている.上のGoogleマップ地形図そのままの形で,驚く,


ジュベルサムハンでハイキングhiking at Jebel Samhan

ジュベルサムハン崖の巻道に入る

ジュベルサムハン崖の巻道に入る

さてここからハイキングの始まりだ.先ずは駐車場先方,ジュベルサムハン崖の巻道に入った.私たちの通るトレイルは全行程崖の巻道となる.


ジュベルサムハンでリュウケツジュ(竜血樹:dragon's blood tree)生える

リュウケツジュ(竜血樹:dragon's blood tree)生える

トレイルに入ると直ぐにリュウケツジュ(竜血樹:dragon's blood tree)が見えた.家庭でも観葉植物としてよく栽培されるドラセナの仲間だそうだ.ここにある種はアラビア海沿岸岩山にだけ生える種だそうだ.

竜血樹の名は,『竜血を採取できる樹』に由来するそうだ.で,その『竜血』とは何であろう.それは赤みを帯びた固形化した樹液で,古来鎮痛効果や止血の薬用に珍重されてきたそうだ.

採取方法は,樹皮を傷つけ滲みだしてくる血のような色の樹脂を集め,乾燥させて作るという.ここジュベルサムハンは自然保護区なので,樹皮を傷つける試みは不可能だが,後日別の場所で試してみることになる.


ジュベルサムハンのトレイルに咲く黄花

トレイルに咲く黄花

殆ど花は見えないが,このミニチュアひまわりのような小さな黄花が咲いていた.やはり乾燥に強いのだろう.


ジュベルサムハン断崖の竜血樹

断崖の竜血樹

断崖の岩に食いつくように根を下ろし,そして木や葉っぱの形態が,崖下の地面を背景としているので分かり易い.

いや~それにしてもこの断崖はかなりの落差がある.


ジュベルサムハン断崖のトレイルは続く

断崖のトレイルは続く

写真左側中ほど,断崖のトレイルは先まで続いている.岩のかなり切り立つ斜面を削って作られている.いい眺めだ.

前述のようにジュベルサムハン自然保護区であり,アラビアレパード(これは絶滅の危機にあり),アラビアガゼル,アイベックス,ヤマアラシ....など棲息するという.トレイルは元々そうした動物の獣道だったのかもしれない.


ジュベルサムハン断崖の岩は凸凹穴だらけ

断崖の岩は凸凹穴だらけ

ジュベルサムハン断崖の岩は,大小様々凸凹穴だらけだ.岩は少し赤みを帯び比較的脆いタイプに見える.さて何という岩なのだろう.


ジュベルサムハンさてこの辺で折り返すか

さてこの辺で折り返すか

トレイルは先まで続いているようだ.ただ同じような眺めが続きそうであるし,私たちのハイキングではここで休憩し,折り返そうか,となった.帰りは全く同じトレイルを逆向きに歩くことになる.


ジュベルサムハンでハイキングには私たちのスタッフの皆さんも同行した

私たちのスタッフの皆さんも同行した

ハイキングには私たちのスタッフの皆さん全員も同行した.岩の右側は断崖だ.気を付けて!


ジュベルサムハンでハイキング戻りにかかる

戻りにかかる

さて私たちは今度は西に向かって歩き出した.幸いこのトレイルを歩いている人は少なく,歩き易い.


ジュベルサムハンでハイキング大分戻った

大分戻った

この断崖巻道トレイルは高低差が少ない.従って往きも戻りも同じくらいの速さで歩いた.そして大分戻った.


ジュベルサムハン入り口に戻り,ハイキング完了

入り口に戻り,ハイキング完了

ジュベルサムハントレイル入り口に戻った.いいハイキングだった.

ここから西側を眺めるとやはり断崖は連続的に連なっている.向こうの断崖の右側が,来る途中途中で立ち寄り眺めたボトルツリーやシカクヤブガラシの生えた丘陵だ.


下って石焼ビーフget down and lunch with beef roasted on hot pebbles

ランクルで下りにかかる

ランクルで下りにかかる

駐車場でランクルに分乗し,ジュベルサムハンから下りかかった.

程なくラクダに出合った.ラクダはオマーンの南側に入ってからはあちこちでよく見かける.


牛に注意の標識

牛に注意の標識

ここジュベルサムハン特有の標識だ.なぜなら他では牛がいないのだ.

サボテンもあるが,牛の好みそうな草もたくさん生えている.


牛のお通り

牛のお通り

注意標識のように牛がお通りだ.ラクダのように執念深くはないであろうが,気をつけよう.


ボトルツリーに大きな木

ボトルツリーに大きな木

たくさんピンクの花を付けたボトルツリーだ.それに大きな木が生えているのに驚く.それに地面は殆ど岩で,根を張るのも容易ではなさそうだ.


石焼きビーフのレストラン

石焼きビーフのレストラン

ジュベルサムハンから下り,オープンカフェ風レストランに寄った.私たち客のテーブルは写真手前,青空の下だ.また写真奥のオマーンスタイル座敷も備えている.

さてこのレストランの売りは『石焼ビーフ』だ.写真は焼けた石の上に細長く切ったビーフを並べているところだ.この石床の下はかまどになっており,薪を焚いている.おもしろい.


出してもらった石焼きビーフ載せピラフ

出してもらった石焼きビーフ載せピラフ

これが出してもらった石焼きビーフ載せピラフだ.これを皆でシェアして食べた.石焼きは確かに面白いが,焼き過ぎで,味は取り立てて...といった感じか.それでは身も蓋もないか.

でもそれは不慣れなためかも知れない.焼いている最中かまど横の販売テーブルには引っ切り無しに客が来て,to goで買っていく.きっと評判のファストフード店なのだと思った.

さてこれでジュベルサムハンの観光は終わった.次はホールルーリ遺跡を見に行く.



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