タラスTalas

タラスという街はキルギスとカザフの両方にあるようだ.目指すはカザフのタラスで,タラス川の戦いで知られる所であるそうだ.


タラス付近のGoogleマップ

カザフスタンのタラス(Talas)はマーカー6の辺りに位置している.キルギス国境に近い.

近くには古戦場で知られるタラス川が流れている.

タラスに行くgo to Talas

茶色の大地

茶色の大地

この風景は7月15日だ.カウボーイが茶色一色の大地を行く.7月と言えば,草繁る頃....と思うが,どうして緑がないのだろう?ガイドに訊くと,「もう今年の新緑は終わってしまった.また来年の春,緑でいっぱいになる」ということだ.それでもなかなか納得できないでいるのだが.....つまり,7月は夏真っ盛り,緑いっぱい,という概念から脱却できないのだ.

セルフサービスガススタンド

セルフサービスガススタンド

タラス手前でドライバのバリエラさんがバスに給油する.やはりキリル文字が幅を利かしているようだ.カザフは産油国なのでガソリンは安価であろう(多分).ところでバスはどこでも助手が乗り合わせていた.運転の交代ではなく,故障時のサポートとかポーターとしての役割が大きいように見えた.ご苦労さんです.


ジャンブールホテル

ジャンブールホテル

このホテルで一泊した.エレベータがないなど,どことなくソ連の香りが漂う.そんなホテルの客室なのに,大柄なロシア人対象にしてはバカに狭いベッドで....何とも不思議だ.

タラスは化学工業,薬品工業が盛んで,タラス川を利用した発電所もあるそうだ.それに関連し,夜は激しい雷雨であったが,それが止んでも灯りの明るさが絶えず変動する.供給される電力の電圧は安定してないようだ.タラス川発電とは別問題であろうが....


下は,タラスに行くときの写真

タラスへの道中写真
タラスへの道中写真 タラスへの道中写真 タラスへの道中写真 タラスへの道中写真 タラスへの道中写真

タラス川古戦場跡historic battlefield of river Taraz

タラス川(river Taraz)

タラス川(river Taraz)

この川は,隣国キルギスのアラトーに源を発し,国境を越えてここカザフスタンに入り,カザフ奥の砂漠で消滅するようである.ちょうどこの辺りがタラス川の戦いの繰り広げられた場所であるそうだ.

タラス川の戦いとは,751年,ここタラス河畔において,イスラムのアッバース朝と中国の唐が西域支配をめぐって争い,唐が大敗した戦い,ということだ.元を質せば,750年,唐の朝鮮出身の軍人高仙芝がウズベキスタンの首都タシュケントにあった石国の王子を捕虜にし,これを虐待したことが原因とされているようだ.捕虜にされた石国王子は逃亡して周辺国に高仙芝の暴状を訴えた.周辺イスラム諸国はアッバース朝に救援軍を頼み,これらの連合軍が唐軍と戦ったのであった.唐は5万人の戦死者と2万人の捕虜を出したと言われる.またこれに懲りた中国は以降1,000年間ここまで軍を進めることがなかったそうである.イスラム諸国にとって極めて意義深い戦いだった訳だ.

ところで紙はその時代より相当古くに中国で発明され,唐の時代には広く用いられていた.最重要技術の一つであり,中国以外には門外不出とされていた.ところが破れた唐の捕虜から紙の製法ノウハウがイスラム世界に伝わり,やがてヨーロッパに広まった,ということである.

TEKTYPMAC廟

TEKTYPMAC廟

タラス川を見下ろす丘の上には廟が建てられていた.入り口にはTEKTYPMACと記されているが,キリル文字のようなので読み方がよく判らないが,どうやらテクトルマスのようである.レンガ積みの模様がなかなかきれいだ.


下は,タラス川古戦場跡付近の眺め

タラス川古戦場跡付近の眺め
タラス川古戦場跡付近の眺め タラス川古戦場跡付近の眺め タラス川古戦場跡付近の眺め タラス川古戦場跡付近の眺め

アイシャビビ廟Tomb of Aisha Bibi

アイシャビビ廟

アイシャビビ廟

商人の娘アイシャビビはカラハン朝王子と恋に落ちた.だが父親の反対で容易には会うことができなかった.不憫に思った母親が,乳母のババジカトゥを伴わせ,密かに家から送り出した.王子に会う前にタラス河で身を清め,河畔で身に付ける衣装を手繰り寄せたとき,不運にも毒蛇にかまれてしまった.王子は駆けつけ,アイシャを抱き上げた.そして息を引き取る前に急ぎ結婚式を挙げ,彼女のために立派な廟を造ることを誓った.それがこのアイシャビビ廟だという.また王子はイスラム法が複数の妻を娶ることを許容しているに拘わらず生涯独身を通したという.

近年飛行機の墜落事故で一部破損し,修復されているそうだ.幸い背面だけは難を免れたようで,レンガを積み上げてできた模様がなかなか美しい.

またアイシャが亡くなって20日後に,乳母ババジカトゥも亡くなったそうだ.そのためアイシャビビ廟の右にババジカトゥの廟も並んで建てられるに至ったそうだ.こちらも美しい.

アイシャビビ廟の前で記念写真

廟の前で記念写真

このような美しいストーリーを有するアイシャビビと王子はカザフ人から好かれているようで,この時もあるグループ,家族か?親族一同か?がお参りに来ていた.廟内部では,我々が壁を背に座ると,イスラム僧が,内容はよく判らないが多分廟の主に関する説話であろうか,唄うように話してくれる.それを終えると,廟の前に並んで集合写真を撮っていた.


下は,アイシャビビ廟とタラス土産を並べた露店の写真

アイシャビビ廟周辺の写真
アイシャビビ廟周辺の写真 アイシャビビ廟周辺の写真 アイシャビビ廟周辺の写真 アイシャビビ廟周辺の写真 アイシャビビ廟周辺の写真 アイシャビビ廟周辺の写真

さてこの後はチムケントまで行きランチを食べ,国境を越えてウズベキスタンのタシケントで一泊し,ウルゲンチへ飛ぶ予定になっている.



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