レオンからサラマンカにやって来た.サラマンカはトルメス川のほとりにあって,人口18万人くらいの街だそうだ.農作物の集散地で,食品加工などが盛ん,化学製品や陶器製造などもあるようだ.古代ローマ帝国の時代から交通の要衝として重要な役割を果たしたが,イベリア半島の他都市同様8世紀よりイスラムの支配下に置かれたこともある.11世紀後半にキリスト教勢力が奪回し,13世紀前半,カスティーリャ王国アルフォンソ9世の治世下,スペイン最古の大学,サラマンカ大学が建てられたそうである.
マーカー10で示したのがスペインのサラマンカ(Salamanca).スペインを代表する大学や大聖堂があり,旧市街全体がユネスコの世界遺産に登録されている.
市庁舎前広場で,1729~55年にかけて建築されたという由緒あるバロック様式の柱廊広場.スペインで最も美しい広場と言われるそうだ.周囲には歴史的人物のレリーフがあったりして重みを感じさせる一方,多くの市民が日常的に行き交う日常生活の場もあるようだ.高い屋根の上にはコウノトリが巨大な巣を作っていた.
名門サラマンカ大学を抱えるヨーロッパ有数の文化都市だけあって,落ち着いた街並みだ.治安も良いという.サラマンカを訪れたこの日はクリスマス,所々,窓にサンタクロースが現れていた.
1500年代に建築が始まり16世紀完成とい修道院.この修道院のファサードは銀細工様式の1つで,プラテレスコ様式と呼ばれるそうである.このスペイン独特のレリーフは光の当たり方で,見え具合が様々に変化するのが特徴だという.でもファサードは石造りで,銀細工のように見えなかったので,何かの聞き違いかな~?
トルメス川対岸より望むサラマンカ市の風景.大きな2つの塔を有する建物がサラマンカ大聖堂.隣接して新旧2つの大聖堂が建てられたそうだ.ロマネスクゴシック様式の旧大聖堂,完成までに200年を費やしたという巨大な新大聖堂,と大聖堂建設に注いだエネルギーに感心する.尤も,ここだけでなく他のカテドラルについても同様であるが.この大聖堂には400年前の建造で,鳴らなくなったパイプオルガンがあったそうだが,岐阜県白川町の辻宏さんという方が修復に貢献したそうである.またそれが機縁で,天皇,皇后両陛下が皇太子時代を含めて2度もサラマンカをご訪問されたことがあるそうである.
下は,サラマンカで眺めた光景
なお,サラマンカは,1988年,『サラマンカ旧市街』(Old City of Salamanca)として,ユネスコ世界遺産(文化遺産)に登録されている.