リスボンからシントラを訪ねた.
マーカー16で示したのがポルトガルのシントラ(Sintra).リスボンの西に隣接する小さな街.
シントラはリスボンから約30km.周囲は緑の木々で覆われた小高い山々(シントラ山系というそうだ)で,シントラ城はその中心にある.王家の夏の離宮で,元々は,14世紀にジョアン1世がイギリスから迎えた妃のために建てたそうで,後に狩猟用の別荘として使われていたそうだ.一帯には貴族や富豪たちの館も点在するようだ.昔,イギリスの詩人バイロンがこの地に滞在し,ここを「エデンの園」と称えたという.
左写真がシントラの王宮で,屋根には巨大なキッチンの煙突が目立つ.内部は,ポルトガル特産のアズレージョで埋め尽くされた壁,いろいろな絵画やタペストリー,家具など,なかなかである.中を隈無く見せてもらったが,あいにく撮影禁止で,王宮周辺の風景だけがCFカードにあった.
なお,シントラは,1995年,『シントラの文化的景観』(Cultural Landscape of Sintra)として,ユネスコ世界遺産(文化遺産)に登録されている.
下は,シントラ王宮近辺の眺め
下は,もっとシントラの写真
最初の写真はアズレージョ(装飾タイル)でできた案内板.アズレージョ1枚1枚に絵付けし,窯で焼き,貼り合わせて大きな作品に仕上げられる.この組み合わせて大きな絵柄にするところがポイントだ.絵柄は単なる模様から,歴史的場面,人物.....などいろいろで,教会や街のあちこちで見られる.ポルトガルでアズレージョが発展したのは,気候風土が合っていることと,油絵やタペストリーよりコストパフォーマンスが良かったからのようである.タイルそのものはアラブ,またはペルシャ辺りが起源で,イスラムのイベリア半島支配で入ってきて,逆にポルトガルの北アフリカ攻略を機にポルトガル全土に広まったそうである.