3日目の6月15日,イスラマバードから空路スカルドへ向かう予定であったが,気象条件が悪く結局陸路でスカルドへの途中にあるベシャムまで辿ることになった.
3日目のこの日,6月15日はPIA機でイスラマバードからスカルドまで飛ぶ予定だ.イスラマバード空港は国内線と国際線共用だ.早めに出かけ搭乗を待った.暫く遅れて搭乗開始の案内があり,バスで搭乗機の脇まで行った.ところが,まだ準備ができていない....とか何とかで,再び待合室まで戻される.まずい予感が走る.案の定,途中通過飛行予定エリア,ナンガパルバット脇辺りの気象条件が何たらかんたらで.....,結局フライトキャンセルとなる.
まあ,イスラマバード/スカルド間はなかなか容易には飛ばないのは折込済みで,そのため2日間の日程が設けてある.翌日まで待ってもフライトは不確かなため,マイクロバスに切り替えて出発することになった.
下は,イスラマバード空港での眺め
イスラマバード空港からマイクロバスで北に向け出発したのはお昼近くになっていた.地上の天気はまずまずで,まあ東京の天気と大差なかろうか.いや,沿道にはブーゲンビリアやバナナの木をよく見かけるのでやはり東京以上に熱帯か?
途中通過する小さな町々を車窓から眺めながら進む.概して女性は外に出ないので少ない.たまに見かける女性は首都イスラマバードに比べてスカーフをしている人が多いように思う.
パキスタンではモズレムが殆どを占めるが,クリスチャンも幾らかいるそうで,イスラマバード郊外には真新しい教会が見られた.シンプルでしゃれたデザインだ.
ところでパキスタンのモスクのデザインは多様で,中東など他のイスラム国と違って統一性はあまり見られないような気がする.つまりいろいろな構造や色彩のモスクが見られる.
道はやがてカラコルムハイウェイに入りこれを北上することとなった.
やがてアバタバード(Abbottabad)に至り,Usmaniaというレストランで昼食となった.日本で言えばファミレスのようなチェーン店だそうである.とは言ってもそこはイスラム圏,女性や子供の席はつい立てを隔てた狭い一画に区分けされている.ただ,一般のレストランではそれさえ無く,女性や子供は入れないそうだ.それに比べればここはまだましなようである.
なお,我々外国人は異教徒ということで,女性も普通席で食することができた.
料理はパキスタン料理に中華風を加えたようなもので,まあまあか.
下は,アバタバード辺りまでの写真
とても小さな車であるが,一応幌内部に車座状に設けられたシートがあり,定員(?)は12人乗りくらいのようだ.ところが実際はこのように後ろにも屋根にも乗るので,最大その2倍くらい運んでいる場合がある.
しかし,公平な目でちゃんと見ると,朝の東急田園都市線などはこんなものでは済まず,何ら驚くに値しないであろう.まあ,原油がUS$150/バレルと高騰した今,燃料効率が良くなり,好ましいとも言えよう.
ところでパキスタンでもガソリンやディーゼル燃料はかなり値上がりし,しかも供給が不十分,(或いは不十分なので値上がりか?)我々のマイクロバスのドライバさんもガソリンスタンドを調べながら進むが,どこもポンプが空で,なかなか入れてくれるところが見つからず相当苦労していた.
アバタバードを過ぎるとカラコルムハイウェイはインダス川に沿って走ることになる.この辺りではまだ標高は低く,川に沿って段々畑や田んぼが広がり,米や麦が青々と繁っているところも多い.ただ2005年10月に襲った大地震の傷跡はまだ所々に残っており,仮設住宅やテントも見られ,痛々しい.
パキスタン名物のデコトラ.よくもまあ飾り立てたものだ....と感心してしまうが,ドライバがとても誇りにしている様子が窺える.いろいろなモチーフが描かれているが,動物では馬とトラが目立つ.若干拙い感じが一所懸命感を増幅しているようで微笑ましい.
この日はチラスまで進む予定であったが,そこに達するのは深夜になるという.でも,カラコルムハイウェイの深夜走行はかなり危険,そこで手前のここベシャム(Besham)で一泊することになった.
到着は8時半くらいであったが,パキスタンは今年からいきなり夏時間制を導入したそうで,9時くらいまでは日が暮れない.
話は逸れるが,筆者は夏時間制(所謂サマータイム制)は好かない,いや嫌いだ.外国はともかく,日本でも導入検討を始めたことに憂慮する.2,3ヶ月前であったか,日経紙上で賛否両意見が載っていた.中で,彼のトロン提唱者坂村健氏が,「増エネになる」と反対意見を述べられたことに心強く思った.カナジーからすると,夏時間制は人間を含めた在りのままの自然に対する逆らいで,実にばかげたことに見える.
閑話休題,写真は宿泊したベシャムのRana Lodge前の道路標識であるが,漢字とキリル文字でも記されている(一方,ウルドゥー文字はない)のが不思議だ.カラコルムハイウェイは中国の資金援助で作られているので判るとしても,キリル文字はどうして?
下は,ベシャムまでの写真あれこれ
本日は予定より手前までの走行に留めたので明日は長くなりそうだ.ドライバさん,よろしく願います!