11日目(トレック6日目),今日6月23日はウルドカスへと向かう.
この日,コボルツェで明けると空はくっきり晴れ渡っていた.ここからはパイユピークがとてもクリアに見えた.やはり横からの光線だと陰影がくっきりし,雪渓も白くすばらしい.
その右(東)にはウリビアホー,さらにグレートトランゴ,カテドラル,さらに上流と見えている.
コボルツェからウルドカスは目と鼻の先,と云うことでいつもは7:00AM出発であるが,この日だけは例外的に8:00AM出発となった.
左前方にカテドラルを見ながら歩く.このあたりでさらに先に見える2つに分かれた峰はロブサンスパイアーかな~?多分そうだと思うが.....
下は,コボルツェを発ち,少し歩いたときの写真
氷河の上の大きな石の上を歩いていくと,やがて右手(バルトロ氷河左岸)に白い峰が見えてきた.かなり高そうな山だが名前は判らない.裾野の谷は氷河になっており,バルトロ氷河に流れ込んでいる.
地図ではこの辺りにMandu Peak:6,400mと云うのがあり,これかも知れないが.....特定は難しい.
この辺りからウリビアホー(Uli Biaho:6,417m)もよく見えた.ところでウリビアホーのビアホー( Biaho)はビアホー川と共通の名前だ.するとウリ(Uli)は峰とか山とかいう意味であろうか? いやどうやら違うようで,Uliとは「小」と云う意味とあるサイトで見かけた.でもやはり分らないな.....??
手前の峰は白いよだれ掛けを付けているお地蔵さんのように見えて,おもしろい.
やがてカテドラルの下流側に,バルトロ氷河に流れ込む氷河,地図によればDunge Glacierが現れる.正しい発音は不明であるが,一応ダンゲ氷河としておこう.写真で右の黒い塊がカテドラル,手前の氷がバルトロ氷河,中央がバルトロ氷河に流れ込むダンゲ氷河.
再び地図を眺めると,ダンゲ氷河奥にもまた6,000m級の山は幾つも並んでいる.写真の白い峰はその中のどれだろうか?
下は,ダンゲ氷河河口辺りの眺めあれこれ
待望の8,000m峰の1つ,ブロードピークが見えてきた.皆で感激し,しばし立ち止まり見とれる.
東にあるので午前中は太陽に向かって進むので,峰もまた逆光であるが,眺めながら歩けるのが嬉しい.
左側肩部にに四角い弁当箱を載せたような山容が特徴的か.これなら見分けがつき易いだろう.
さらに進むとガッシャーブルムⅣ峰が真正面に見えてきた.かなり急峻な稜線を持った台形が特徴か.ガッシャーブルムⅣ峰はガッシャーブルム山群の中で4番目の高さで,8,000mに僅か満たない.
Ⅰ峰,Ⅱ峰が8,000m超として知られている.ただ,Ⅰ峰は別名ヒドュンピーク(Hidden peak)と呼ばれ,相当奥にあり,残念ながら今回のコースでは見ることができない.(晴れていれば,ほんのチョビッとだけ見えるところがあるらしいが,雲があった.)
Ⅱ峰は,この少し先でⅣ峰の右側にチラリとだけ見せてくれる.
10:30AMという早い時間にウルドカスに到着した.コボルツェからウルドカスまではいくらの距離もないのだ.
ウルドカスのキャンプサイトはバルトロ氷河左岸にあって,地面の上だ.パイユのようにトイレの設備があって,面積も結構広い.少し離れた一画にはパキスタン陸軍の連絡所がある.写真は禁止されている.
キャンプサイトの上には雪山があり,ここから水が供給されるのであろう,殆どが灰色や茶色い中にあっては,斜面の緑が眩いくらいに輝いて見える.水は細いパイプでキャンプサイトへも供給され,調理や後片付けに使えるようになっている.
ウルドカスはこのような環境にあるので宿泊に適し,我々以外にも2~3人のトレッカーグループを幾組か見かけた.
ここには早く到着したので時間はたっぷりある.ただ,午後から天気は徐々に崩れ,3時くらいになると強風が吹き荒れた.それでもスカムツォクの晩よりは大分増しで,ダイニングテントでゆっくりお茶を飲んで過ごした.
下は,ウルドカス辺りからの眺め
コックのSfさんは夕食に天ぷらを作ってくれた.味噌汁にご飯も用意されている.加えて,なぜかシチューもある.この辺はパキスタン風和食と言えそうか?とても美味しく,これまで経験したトレッキングではやはり抜群の腕だ.やはり,夏以外のオフシーズンはイスラマバードの5つ星ホテルレストランで5年の経験があるというSfさんだけのことはあろう.
コボルツェからウルドカス辺りにかけては意外に花を見かけた.日本でも見かける種類と同じようなものも多い.でも名前はなかなか浮かんでこない.同行者で花に詳しい方がおられ,その都度教えてもらうのだがなかなか覚えられない.......
ワスレナグサと引くと,標記の「勿忘草」と云う難しい漢字が出てくる.英語ではForget-me-not(広辞苑第5版,ジーニアス英和など)と出ていた.これまた難しい.Don't forget me.と同じ?
下は,ウルドカス辺りで見かけた花
夕食を済まし,トイレに行く.これが結構大変なのだ.つまり,テントから結構距離があり,道が複雑.道端にはいろいろなテントが張ってあるし,帰り道,たまたま出合った荷運びの馬がカナジーの後ろにくっ付いて,どこまでも一緒に来るのだ....いや~あせった.馬の習性らしいが,こりゃ真夜中にはちょっとトイレには行けそうもないな~
ここでも8:40PMくらいになるとアザーンの音が聞こえてきた.そして何人かのポーターが自分の居場所でそれぞれお祈りする姿を見せていた.