6日目(トレック1日目),6月18日はアスコーレからジョラへと歩いた.
当初ポーターは38人,行程が進むに連れ食料などの荷物が減るので,2週間後のトレック最終日アスコーレに戻ったときは20人だったそうだ.ポーター頭はばね秤で計量しながら一人ひとりに荷物を割り振っている.この後毎朝この光景に出合うことになる.
我々トレッカー一人当たりのダッフルバッグは12kgと,ネパールでのトレッキングなどと比べるとかなり少ない.この点については,出発前減量にかなり苦しんだ.リングに上がる前のボクサーの心情並み....とまでは言えないまでも.
アスコーレから目指すバルトロ氷河までは標記のビアホー川(Biaho River)に沿って遡上する.次項目のビアフォー川(Biafo River)とよく似た名前であるが,そちらビアフォー川は横から流れ込む比較的小さな川である.
アスコーレ近くでは周辺の集落が緑の畑とともに点在し,なかなか美しい.
さて,ビアホー川沿いに行くと,間もなく緑はなくなり,したがって集落も途絶え,ビアホー川の両側や先方にはいろいろな山が順次現れてくる.何れも無名峰ながらなかなか見応えのある山容を見せてくれる.
下は,アスコーレ出発時の写真.アスコーレの女性のファッションで,スカーフの内側の頭巾はフンザ地方と少し似た印象を受ける.
主流ビアホー川に沿う道を進むと,途中水嵩が増しているため高巻き道に回る場面や,砂漠のように砂地の道なども通過する.
やがて道は,北側(ビアホー川右岸)に流れ込む濁流ビアフォー川(Biafo River)と交差する.ビアフォー川上流はビアフォー氷河となっているようだ.ここでは吊り橋が架けられ,轟々と流れる濁流を見下ろしながら渡った.雨季にはこの橋が流されることもあるそうで,維持するのはなかなか大変なようである.
下は,ビアフォー川辺りまでの眺め
ビアフォー川の吊り橋を越えると広々とした高原のような,広場のような場所に至る.地図に依ればケサールシャグラン(Kesar Shaguran)と称される所ではなかろうか.
この辺りも乾いた砂漠状であることに変わりないが,ところどころに野生のバラが咲いていたりする.この辺りは太陽が容赦なく照りつけとても暑い.ただ気温そのものはそれ程高い訳ではないので陽が翳れば大丈夫だ.
やがて先方にグランドジョラスのようにのこぎり状の山が見えてくる.パイユピークの筈であるが雲がかかり頂上は望めない.そのうち見えてくるだろう,と期待する.なおパイユピークは6,610mで,グランドジョラスの4,208mより圧倒的に高い.
やがてコルフォンと呼ばれるオアシスのような風情の場所に到着した.ポーターの人たちが運んでくれたテーブルに着くと小雨が降り出し,カッパを用意した.ランチはスープにドライフルーツで,ちと量が少ないかな~と思ったが,美味しいし,調理時間が十分取れない昼なので,まあ良かろう.
下は,コルフォン辺りまでの写真
ビアホー川に沿って歩き進むと,やがてデュモルド川(Dumordo River:発音は怪しいかも)に行き当たる.目指すジョラはこの対岸に位置するが,近くには橋がなく,吊り橋のある上流まで一旦デュモルド川を遡る.回り道であるが,橋がそこにしかないのでやむを得ない.
そのうち雨が降り出した.今度は結構降ってきたのでカッパやザックカバーを付けて進んだ.
下は,デュモルド川辺りまでの光景
デュモルド川の吊り橋を渡ると幸い雨は小降りになり,程なくデュモルド川の辺に位置するジョラのテントサイトに到着した.サイトは結構広く,あまりきれいとは言い難いが水場があり,またイタリアが寄贈したという多数のトイレ設備があった.
サイトから南,デュモルド川下流方向にユニークな形の山が見える.バフォルダスピーク(Bakhordus Peak:5,810m)と呼ばれるそうだ.
ジョラに至るまで眺め.右下はバフォルダスピーク(Bakhordus Peak:5,810m).
こうしてトレック1日目は終わった.いや~やはり歩くのは気持ちいい!明日はスカムツォクか.