10日目(トレック5日目),6月22日はコボルツェへと登る.
パイユのキャンプサイトはビアホー川右岸(上流に向かって左側)に位置している.朝7時軽く準備運動をして,そのまま右岸を進んだ.曇りがちの天気だった.少ししてテントを畳んだポーターの皆さんが我々を追い越していく.
行く手の左側には,パイユに居たときまでは背後の山に拒まれ頭だけ出していたパイユピークやグレートトランゴらしき山が見えるのだが,う~ん,どれがどれだか確定できない.
ビアホー川の対岸には時々雲が切れてリリゴピークが顔を覗かせてくれる.
パイユを出て少し歩くとバルトロ氷河の末端に至る.つまりそれより上流は全部氷河で覆われている.ただ,その表面には砂利や岩が覆い被さっており,陸地のようであって,一見氷河には見えない.しかし黒ずんではいても部分的に覗かせている氷の断面はやはり氷河と気付かせてくれる.
この先暫くはサイドモレーン(側堆石)と氷河の上とを交互に歩くことになるようだ.さらに先は全て砂利や岩に覆われた氷河の上のみを進むことになろう.
下は,パイユを発って氷河に入る辺りまで
さてバルトロ氷河が現れた後は,氷河の上とサイドモレーン(側堆石)の上を伝って,次の目的地リリゴを目指した.リリゴではランチも予定されている.
リリゴの南側にはリリゴピークが聳えている,幸い雲が切れるとリリゴピークが雄大な姿を見せてくれた.
下は,リリゴを目指し,バルトロ氷河を行くときの眺め
バルトロ氷河は砂利や岩で覆われているが,ところどころ氷がむき出しで,また大小のクレバスが口を開けている.転がり落ちては大変なので,ガイドAmさんを先頭に変な道を歩かないようにして進んだ.
うまい具合に砂利だけで覆われているところもあるし,かなり大きな岩が転がっているところもある.氷河表面のこのような堆積物は比較的安定しており,前年のトレッキングルートがそのまま残っているケースが多いようである.もちろん去年は通れたのに今回はだめと云った箇所もあるようだ.
写真中央,てっぺんが雲で覆われているのはグレートトランゴか?
さらに進むとうまい具合にパイユピークやグレートトランゴが頭を覗かせるようになってきた.そして進行方向右手(バルトロ氷河左岸),少し緑もある土の地面のある場所,リリゴに到着した.11:30AMで,ここでランチとなった.周りは岩山や氷河なのに何故かハエがたくさん飛んできた.落ちた食料やごみ,暫く停滞する家畜などの影響で生息するようになったのであろう.
サイドモレーンの上を歩いていると,足元で岩の間から時々可憐な花が姿を見せてくれる.
氷河上に堆積した砂利や岩の間には,その層が薄いためであろうさすがに植物は育たないようである.
リリゴを発って少し行くと,先方にカテドラル(5,866m)を望みながら歩くようになった.カテドラルと称してもいろいろな形式があり,バルトロのそれはまあゴシック様式と云ったところか.
下は,コボルツェの少し手前まで写真
2:40PM,コボルツェのテントサイトに到着した.この日は我々以外キャンプ客はなく,あまり広くないこのサイトにはちょうど良かろう.
歩いて来た方向を振り返ると,左(西)からパイユピーク(6,610m)が,その右隣にウリビアホー(6,417m)が見えていた.
夕刻になるにしたがって空が晴れてきた.明日向かう上流方向には何本もの塔を突き立てたカテドラル(5,866m)がくっきり見えてきた.
このカテドラルと上述のウリビアホーとの間,一番近くにあって大きく立ちはだかるのはロブサンスパイアー(5,707m)とガイドAmさんに教えてもらうが,地図で見るとロブサンスパイアーはカテドラルの上流,これはグレートトランゴ(6,286m)のようにも思われるが.....さあて? 一応グレートトランゴとしておくか.
下は,コボルツェからの写真
さて,明日はウルドカスまで登る.