17日目(トレック12日目),今日6月29日はコボルツェに下る.
朝5:50頃,テントの外から同行のKさんが「見えますよ」と声を掛けてくれた.急ぎカメラを手に外に出ると,マッシャーブルム(Masherbrum:7,821m)が赤く染まっていた.すばらしい!!
それから1時間ほどすると,マッシャーブルムは雲一つなくその全容を現した.マッシャーブルムは,前にも述べたように,主峰だけだとさほどでもないが,左右の連峰を含めた形はすばらしいと思う.カナジー的にはチョゴリサと共に美しく,また印象深い山だと思う.
さて今日はバルトロ氷河右岸下流方面も見えている.例によってどれも茶色で,たくさんの峰々が立ち並んでいるのでいつも混乱するのだが......
多分,左の下側がグレートトランゴ,その上から突き出ているのがウリビアホー,中央の塊がカテドラル,その右がロブサンスパイアー,最右端の雪山は不明(無名峰?)
下は,ゴレⅠとその少し下までの写真
ゴレⅠを出てどんどん下った.やはり雨がなくカッパが要らないと快適だ.先の方は雲が多めだが,右岸も左岸も所々見通しがきく.さて,その左岸に見えるこの峰は何だろう?
少し歩いて振り向くと,ビアルチェリ(Biarchedi:6,781m)がくっきり見える.
晴れていれば,こうしてどこかに山を見ながら歩ける.これが四方山に囲まれたバルトロ氷河歩きの醍醐味だ.
11時頃になってウルドゥカスのキャンプサイトに到着した.ここは氷河の上でなく,ちゃんとした陸地だ.背後の山から流れ出る水が潅木や草を潤し,炊事やキャンプを可能にしてくれている.
眼下にはバルトロ氷河が融けてできた池が見える.氷河の融けた水で,流れもないのであまりきれいではない.
下は,ウルドゥカスまでの眺め
ウルドゥカスから先は大きな岩がごろごろしてくる.またこの辺りでは下から上がって来る遠征隊やポーターの人たちと多くすれ違った.その中で一人の日本人に出会った.単独でガッシャーブルムⅡに挑むそうである.今回出会った日本人登山者は初めてで,無事成功を祈りたい.
遠征隊の荷揚げで馬も活躍している.十数頭引き連れているグループもある.割と小型であるが高地順応できる種なのではなかろうか.
午後3時頃コボルツェのキャンプサイトに着いた.ここはあまり広くはなく,道端にテントを張るのだが,この時間は既に皆が,上または下に移動を済ませており,通行の妨げにはならない.
ここでは日が照っていたのでシェラフやインナーシーツを岩に並べてみたが,いきなり雨がぱらついてちょっとあわてたりもした.
下は,コボルツェまでの写真あれこれ
下コボルツェ周囲の岩山には,往きの時くらいがピークだったようだが,それでもまだいろいろ咲いていた.
さてこうしてトレック12日目は終わった.明日はパイユまで下る.