この戻りカウマへ編では,2014/10/30(木)朝,ドバテを出発し,ケケ峠を越え,シプトン峠を越え,ツツ峠直前のサノポカリに来て昼食.食後すぐツツ峠を越え,そしてカウマ峠を越え,カウマまで戻ったときの写真を載せました.
ドバテ(8)から,赤マーカーのシプトンパスを越えてカウマ(7)に下る.2014/10/22(水)往路で辿った全く同じルートを逆方向に歩く.
ドバテの朝,テント内は-4℃,641hPaと異常に低く,実際猛烈に寒いし,結露も尋常ではない.温度計の場所がおかしかったのかな~?
それでも外を見ると明るく,かなり晴れて明けたようだ.それに夜間の雪は無かったようで,昨晩寝る前の積雪のままであった.あ~良かった.
北の方の山もきれいに輝いており,陽の照らす範囲は時間とともに広がってきた.
ただ谷あいのテント場は陽が当たらず,霜の被ったテントを畳むのは少し待つそうである.
遅い陽射しがきて,ドバテを出発することになった.テントはも少し待って畳むそうだ.
ドバテのテントの南側背後から直ちにシャクナゲに挟まれたトレイルが始まる.路面は石の川底のような趣きであるのは,往路歩いた経験から心得ている.
さてそのシャクナゲ道であるが,前日の雪が石を覆っている.幸いその量は多くないので歩くにさして支障ないので助かる.
シャクナゲ道が終わり,緩い傾斜の平原道になった.つまりとても楽な道に入った訳だが,雪が被っているので場所によってルートがはっきりしないところがあり,1,2度先導のシェルパも立ち止まる場面があった.
斜面を暫く上ると,周囲の景色が良く望めるようになった.ケケ峠は近いであろう.
そして程なくケケ峠(Keke La)に到着した.少し雪を被ったマニ塚が,往きのときより厳しい季節に向かっていることを告げているようだ.
ケケ峠からはカロポカリ(Kalo Pokhari/黒い湖)目掛けて下った.カロポカリは氷結しておらず,細かなさざなみが見えている.
カロポカリ湖畔にやって来た.相変わらず大量のルンタが風に舞っていた.
上に3つのチョルテンを載せた立派なマニ塚をコルラする如く,その右を回った.こうしてトレイル脇に据えられたのは,きっと道行く私たちの安全を見守ってくれるためであろう.
マニ塚の側面にはマニ石とネパール式チョルテンが描かれた石が嵌めこまれている.チョルテン図の顔は素朴で,非専門家,例えば奉納した近所の住民,などによって描かれたものであろう.なかなかいい味だ.
カロポカリは底に位置し,ここからはシプトン峠を目指し上りに入った.そして残念ながら雲行きは怪しくなってきた.降らなければいいが....
これも往きのときと同じなのだが,路面は悪くなってくる.ただ雪がいくらでもないので助かる.これが凍っていたり,深い雪だったら大変だ.
そのうちシプトン峠(Shipton La:4,216m)に到着した.リュックを下ろし,休憩だ.ここで陽が射せばいいのだが,黒い雲に阻まれている.残念ながら見晴らしも利かなく,陽がないので,立ち止まっていると寒くなる.う~ん,ここもゆっくりはできないな~
シプトン峠からは次のサノポカリ(Sano Pokhari)を目指して下り始めた.ここは今日の行程で最も大変な箇所だ.つまり急峻なガレ道となっており,気が抜けない.
ただ幸いなことに,ケケ峠からの下り路と同じように,路面は凍っておらず,また積雪量も少ない.きっと往路と同じ程度の労力で下れるのではなかろうか.
シプトン峠から暫く下るとサノポカリ(Sano Pokhari)が見えてきた.今日はその湖畔でランチを頂く予定になっている.寒そうだが....
少し下って,上に向かうイタリア隊に出会った.9人だという.私たちと同じようにガイドやポーターが付いている.天気がよくなるといいですね~
また,この後,この厳寒の中,ショートパンツで上っていく単独の男性ともすれ違った.ワイオミング(米)から来たそうだが,いったい全体どんな身体の造りになっているのか....驚愕する他なかった.
そしてサノポカリに着いた.ここで昼食なので荷物を下ろす.残念ながら空も湖面も鉛色だが,まだ降り出していないのが幸いか.(少しして降りだしたが)
脇の崖には長い氷柱が下がっている.まあ寒い筈だよ.
キッチンスタッフの皆さんがサノポカリの前にダイニングテーブルを据え,お昼ごはんを並べてくれた.大変なことろで,どうもありがとうございます.これで天気が良ければ最高なのだが,そうもいかないのが自然の掟だ.メニューそのものは熱いヌードルスープなど,寒空の下で食べる配慮をして頂いた.すみません.
雪もぱらつき始めたことだし,食事を終えると,ツツ峠を目指し歩き始めた.ツツ峠は直ぐそこの丘の上に見えている.2,30分程度であろうか.
これまで2つの峠に較べて比較的ひっそりしたツツ峠(Tutu La)に到着した.峠のスペースはあまり広くない.それでもちゃんとチョルテンが建てられ,好天であれば360度広い視界が開けている筈だ.今は雲の中であまり見えないが.
ツツ峠からはカウマ峠に向かった.尾根筋のトレイルから右側(東側)の斜面を眺めると,濃霧で霞みながらも幾頭ものヤクがバラバラに草を食んでいるのが見えた.テマタンカルカ以来久しぶりに見るが,まああのような急な斜面でよく平気なもんだ.
カウマ峠へのトレイルは結構急な場所もある.まだかな~もうすぐかな~
カウマ峠に到着した.往きではヒマラヤがあれほどくっきり望めたのに,今回は霧の中で全く見えない.過去,既によく見たことが慰めた.
何も見えないので,カウマ峠からは直ちに,カウマのキャンプサイト目掛けて一目散で下った.3時頃下ると,サイトの段々スペースには既にテントを張っていてくれた.ありがとうございます.
4時にお茶の時間になった.私はBCでひいた風邪は大分良くなっていたのだが,珍しいことに腹具合不調で,食事を少な目にと,パスすることにした.
そして夕方になった.炊事用水やお茶には,例の池の濁り水でなく,往復3時間の水場からきれいな水を汲んできてくれたそうだ.ありがとうございます.
そして夜になった.普通夜間は雲がとれて,星が煌めくことが多いのだが,この夜だけは星が出なかった.どうしたのであろう?