この戻りテマタンカルカ編では,2014/10/28(火)ラマラ(ランマレカルカ)で朝を迎え,ヤクカルカ,リポックカルカ,ネヘカルカ対岸を経てヤングレカルカに至り,ここで昼食.そして午後にテマタンカルカへと下ったときの写真を載せました.
ラマラ(10)を出て,ヤングレカルカ(9)を経て,テマタンカルカ(12)に歩く.
往きではまごまごしているうちにチャムラン(Chamran:7,319m)の朝焼けを見逃したが,今度は抜かりなく美しい姿を望めた.坊主頭のようで鋭さを欠く姿であるが,このドッシリ感はなかなか味わいがあろう.
ピーク6(Peak 6:6,739m)は先日に続いて再び焼けた.こちらは何と言ってもひねりの入った襞の織りなす模様が見事だ.まあ今回ツアーのモルゲンロートの美しさでは,マカルーBCで眺めたピーク4と共に双璧を成すであろう.
ラマラ(ランマレカルカ)で朝食を頂いて,私たちは下り始めた.往きと同じなのであるが,晴れた朝,とても広々した原っぱを下るのは快適そのものだ.
そして程なくチョルテンの載った第一番目のマニ塚を右回りで通過した.私たちの安全を見守ってくれているようだ.
下り路では左手にピーク3(Peak 3:6,477m)や,多分ピーク5(Peak 5:6,404m),そしてまた無名のチベット国境の山を望みながら進んだ.どれも青空を突くように聳え美しい.
原っぱのトレイルは続いた.今はヤクの姿を見かけないが,きっと夏になれば草を食む姿を見るに違いなかろう.
バルン川(バルンコーラ)の支流であろう,原っぱの中を小川が流れる.ヤクや羊の水場になり得ると思う.
一軒のバッティがあるヤクカルカ(ジャックカルカ)に至った.この辺りの眺めは素晴らしい.スイスのアルプの光景とかと似たところもある.いやアルプの方が似ているのか?
上りはそれなりに大変だったが,下りは楽だ.天気は良いし,一本調子でとんとん下るだけだった.
先ほどと同じバルン川支流と思われるが,流れが少し太くなったかな~?太くはないが急峻になったかな~?一本調子のトレイルに変化を与えてくれる.
そしてそのうちリポックカルカ(Ripock Kharka)に着いた.往きではテーブルでゆっくり昼食を頂いた場所だ.チョルテンが立ち,ルンタがはためき,広々した実にいいカルカだ.
リポックカルカで下ってきた方向を振り返ると,往きと同じように左から鋭い頂きのピーク6(Peak 6:6,739m),坊主頭のチャムラン(Chamran:7,319m)の東峰(6,480m),三角形のピラミッドピーク(Pyramid Peak:6,739m,別名Chonku Chull ホンクーチュリ),左斜面ほんの少しだけのピーク4(Peak 4:6,720m)が望めた.
リポックカルカで暫し休憩後また歩き始めた.そして一軒の廃屋の残る寂しげなカルカを通過した.前には大きなチョルテンの載るマニ塚もあるのにどうしたのであろう....
廃屋の残るカルカを過ぎると,あの印象強烈な大岩山,アマピジマ(Aama Phisum:妊婦の岩)の場所に再び戻ってきた.やはりインパクトのある眺めだ.ヨセミテのハーフドームほど大きくはないものの,やはり一塊の岩ではなかろうか.
またこの辺りからはヒマラヤ杉など比較的大きな樹木の茂るエリアに入る.多分標高の効果ではなかろうか.
アマピジマから下るとやがてバルン川(バルンコーラ:Barun Khola)が見えてきた.これまでの支流と違ってここではそれらが既に集まったある程度大きな流れになっているようだ.
さらに下ると左手,バルン川対岸に聖地ネヘカルカ(Nehe Kharka)を望むようになった.トレイルのあるこちら側にはタルチョーやルンタが掲げられている.往きのときと較べて,カルカを取り囲む山の麓斜面が雪で圧倒的に白くなっている.季節が季節だけに短期間で雪が積もるようだ.
ネヘカルカ対岸からはかなり平らになる.そしてそこを暫く下った.
この浅瀬の川もバルン川支流の一つであろう.これまでの小さいながら急な谷側と比べると長閑なものだ.
往きで一泊したヤングレカルカに到着した.村入り口で,今は無人のゴンパがルンタを翳して迎えてくれた.お陰様で無事ここに帰ってこられました.
私たちはバッティのダイニングルームでヌードルスープなどの昼食をいただいた.ダイニングルームの片端はお店になっており,いろいろな商品が並んでいた.例えば石鹸などの日用品から,お米やお菓子,それにビールなど酒類などだ.ビールはここでは定番のツボルグなどに加えハイネケンやバドワイザーなども並んでいる.驚いた.
昼食後歩きを再開した.先ずはバルン川を渡り右岸に行く.この先は難儀なトレイルが待っている.
橋の先ではヤクが食事中だった.一部はまだ左岸から川を渡ったばかりのようだった.このヤクたちはまだタシガオンに下らず,いま暫くここにいるのであろうか.
ヤングレカルカでのバルン川はこのような様子だ.丈夫なヤクは渡るが,弱ったヤクは流されることもあろう.この時間になるといつものように雲が厚く,かなり暗くなってきた.
右岸に渡ると直ぐに川沿いの荒れたトレイルに入る.それしかルートがないのでやむを得ないところだ.
下るものがあれば,上ってくるトレッカーもいる.いま天気は良くないですが,明日朝はよくなるでしょう.がんばって下さい.
とうとう雨になり,カッパを着た.まあヒマラヤの天気の常であるが.....
テマタンカルカに到着した.先に着いたポーターさんとシェルパの皆さんは既にテントを張り終え,寒いので焚き火をたき,温まっていた.ご苦労さまです.
標高が下がったのだが,雨のため寒々した空気が漂っているのだ.実際の気温も結構低いかな...?
先ほどまで対岸にいたヤクがバルン川を越え,本来彼らの寝床であるこのキャンプサイトに戻ってきたのだ.でも今夜はぜひ私たちに使わせて下さい.ただ夜中お手洗いに外に出るのはちょっと怖いかな....