遍路5日目(2018年3月5日)一時大雨のち小雨Shikoku Pilgrimage day 5

この遍路5日目編では,2018年3月5日ふるさと旅館を出発し,新谷を通過し,県道230号線沿いを進み,内子運動公園脇に抜け,内子町を通過し民宿シャロンに到着するとき,および内子の街の写真を載せました.

遍路5日目周辺マップと札所(マウスonで名称出ます)


 

ふるさと旅館を出発

JR予讃線と松山自動車道を越える

JR予讃線と松山自動車道を越える

さて今日は朝から雨だ.カッパを着てふるさと旅館を出発した.そして東に進むと,JR予讃線と高架の松山自動車道に行き当たる.

予讃線は前述のように高松市から松山市を経て,宇和島市に至る線路だ.

松山自動車道は愛媛県四国中央市から松山市を経由し,宇和島市に至るそうである.


特急宇和海(うわかい)が通る

特急宇和海(うわかい)が通る

踏切に来るとちょうど遮断器が降り,『宇和海』のプレートを付けた列車が通過していった.宇和海はJR四国が松山駅ー宇和島駅間を予讃線,内子線経由で運行している特急列車で,ここ内子町駅にも停まるそうだ.運転間隔は毎時1本と,意外に多そうだ.


新谷(にいや)を通過

新谷の街に入る

新谷の街に入る

新谷の街に入った.ここは内子町の一部で,雨のせいもありちょっと寂れた印象だ.

ここを歩いているとき,雨脚が強くなり,時どき家の軒下に逃げ込ませてもらった.もちろん母屋も取るなど思いもよらない.


お店の前のお遍路休憩所

お店の前のお遍路休憩所

軒先にベンチを設け,お遍路休憩所を提供してくれるお店もあった.特にこうした雨の日は助かる.ありがとうございます.


県道230号線

県道230号線を行く

県道230号線を行く

新谷の街を過ぎると遍路道は県道230号線となった.県道だが交通量は疎らで,特に雨の日は跳ね水の心配がなく結構だ.


県道230号線は川沿いを進む

県道230号線は川沿いを進む

県道230号線は川沿いの通りだ.川は大きくないので並の地図には載っていない.雨なので水は土色に濁り,嵩も多めになっているようだ.

そしてまた行き過ぎてしまった(トラックで川沿いの突き出た部分).ただ今回は一昨日と違ってその行き過ぎ量は少なく,全体の行程も少ない予定なので,まあいいとするか.


内子運動公園脇

内子運動公園脇

山に上る

間違いに気付き,一旦戻り,東の山方面に向かった.山の手前に集落があり,そこを抜けるとちょっとした山道になる.

林に包まれた静かな道で,これで晴れていれば言うことないのだが.


内子運動公園辺り

内子運動公園辺り

山から下り少し行くとランニング中の青年(学生くらい)に順次10人余りとすれ違った.近くの内子運動公園の施設と関係あるのかも知れない.

また運動公園近くには大きな池があり,なぜか北の国に渡り損ねたのか白鳥一羽が水面を泳ぎ,また魚は多くいるようであった.養殖であろうか.


内子町通過し民宿シャロンへ

内子町の市街地に入る

内子町の市街地に入る

そしてそのうち内子町の市街地に入っていった.民宿シャロンさんは内子町市街地の反対側(東側)に位置しており,市街地を突っ切って進んだ.


内子町市街地東側に至る

内子町市街地東側に至る

内子町市街地東側のゲートに来た.『白壁の家並みが息吹く町うちこ』のフレーズが架かっている.またその脇にはレストラン,民宿シャロンの看板が見えている.


民宿シャロンに到着

民宿シャロンに到着

ということでお昼すぎ民宿シャロンに到着した.この日は行程が短く,事前に早い時間に到着するがいいでしょうか,と尋ね,どうぞどうぞと予め了承を得ていたのだ.こんな雨の日入れてもらえないと大変なので,大いに助かった.


レストランシャロンで塩サバ定食にコーヒー

レストランシャロンで塩サバ定食にコーヒー

シャロンはレストランも営業している,いやレストランが先だそうだ.ちょうど昼時なので塩サバの定食を作ってもらった.またコーヒーも入れてもらった.スタバとか違う濃く苦いタイプで,これがデフォルトのようだ.最初にタイプを指定すべきだったか.

シャロンの若旦那に,民宿来楽苦(シャロンの12,3km先)に予約電話したとき,マスターが昨年亡くなり営業を止めました,と返答されたと話した.すると若旦那曰く,シャロンの民宿はその亡くなった来楽苦のご主人の勧めで始めたのだそうである.宿がこの辺りには疎らで,普段空いている宴会用部屋を転用すればいいのではとのアドバイスがあったという.

なお当レストランは若旦那の他に,少なくとも退職した元教員という大旦那,それに若旦那の奥さんが仕事をされているようだ.


民宿シャロンの部屋

民宿シャロンの部屋

これが民宿シャロンの部屋だ.珍しいことにテレビがない.テレビは必要なら階下レストランのカウンターで見ることになる.

またランドリー設備はなく,奥さんがお接待で洗濯,乾燥し,畳んで持ってきて下さった.ありがとうございます.


民宿シャロンの全そば枕

全そば枕

予め敷いてもらった布団には柔らかい枕が置いてあった.私は硬めの枕が好きである.何故か部屋の外に写真のような全そば枕があったのでこれを使わせてもらった.大して硬いわけではないが,かなりいいと思う.


内子の街

内子の街の白壁白格子なまこ壁の家

白壁白格子なまこ壁の家

雨が弱くなったので夕方内子の街見物に出た.街には写真のような白壁白格子になまこ壁の家や,土蔵といった建物が見え,まるで江戸時代の街のような雰囲気だ.


内子座

内子座

内子町の案内によれば,内子座は木蝋や生糸生産で栄えた大正5(1916)年,愛好家の手で建てられた芝居小屋で,木造2階建て瓦葺き入母屋作り,回り舞台や花道,枡席などを整えた劇場,ということだ.芝居などが盛んに公演されたが,後に映画館などに改装,最後は老朽化のため取り壊されるところ,町並保存事業に連動し昭和58(1983)年~60年(1985)年に復原,劇場として再出発を果たしたという.創建100周年を経た現在,町内外芸術文化活動の拠点として活用されているという.


内子座の入り口

内子座の入り口

入り口には歌舞伎の演目を記した浮世絵のような絵が掲げられている.いい雰囲気だ.

シャロンの若旦那の話では,内子座では年に数回,名の知れた役者の登場する歌舞伎が演じられるそうだ.そうしたときの観客は地元周辺住民が半数,追っかけ客が半数程度観劇するという.追っかけの皆さんは,例えば築地の歌舞伎座では舞台が遠いが,ここでは間近に役者を見ることができるのがいいのだそうだ.な~るほど.


鮮魚店もあり

鮮魚店もあり

街には鮮魚店もあった.スーパーではなく,こうした専門店は少なくなった.味わい深い雰囲気で,きっと魚も味わい深いであろう.


内子の街に曹洞宗のお寺あり

曹洞宗のお寺あり

曹洞宗禅昌寺があった.曹洞宗の名だけは実家の絡みでよく覚えている.四国遍路で第15番国分寺も曹洞宗であり,また他にも同じく禅宗の臨済宗が2つ,天台宗系が3つある.弘法大師の真言宗系でないのが含まれるのが興味深い.八十八札所は若き空海が修行した場所や寺が元となっているが,廃寺されたり改宗したりで現在の形になったそうだ.まあ,神仏習合など含め,おおらかさが日本仏教の伝統なのであろう.


レストランシャロンで夕食

レストランシャロンで夕食

内子の街歩きを済ませ,入浴後,階下のレストランシャロンに降りた.カウンター席には既に二人のお遍路さんが食事をしていた.一人はこの後幾度か一緒になる昭島のKさんで,今回が13回めの遍路ということで,すごい!もう一人は一回目で,2日前から歩き始めたのだが腰が痛み,お気の毒に歩行困難な状況にあるという.明朝若旦那が車で最寄り駅までお送りするそうだ.どうぞお気を付けて.

私は昼食べた魚も好きなのだが,肉も好きなので遍路では初めてステーキを焼いてもらった.ちょっと硬めだが,まあそれなりに美味しかった.

食事が済むと,翌日朝食はトーストにと予約し,二階の部屋に戻り,翌日およびその次の日の宿予約に取り掛かった.足の具合やネット上評判などから,翌日はたちばな旅館,その次はいやしの宿『八丁坂』に狙いを定め,電話で申し込む.そしてラッキーなことに両者とも確保できた.良かった.後に知るのだが,この2つの宿は上述のKさんも同じで,やはり一定の評価があるのであろう.

さて,天気予報によれば明日は降らないようだが,そうあって欲しいものだ.



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