遍路20日目(2018年3月20日)雨,一時上がるShikoku Pilgrimage day 20

この遍路20日目編では,2018年3月20日,せと国民旅館を発って,第81番白峯寺に上り,山道を越えて第82番根香寺に来て参拝,その後松山郊外各所を通過し,第83番一宮寺をお参り,天然温泉きららに宿泊したときの写真を載せました.

遍路20日目周辺マップと札所(マウスonで名称出ます)


 

せと国民旅館を発つ

せと国民旅館を出てコンビニへ

せと国民旅館を出てコンビニへ

せと国民旅館で,3月20日朝が明けた.朝食がないので,5分先のコンビニに行く.雨のためまだ暗い.残念ながら天気予報は大当たりだ.


肉まんとコーヒーの朝食

肉まんとコーヒーの朝食

コンビニには食事スペースがあり,肉まんとコーヒーの朝食を食べる.このセットはすっかり気に入ってしまった.


暫く舗装された遍路道を行く

暫く舗装された遍路道を行く

コンビニの位置する県道33号線を少し西に進んで,北の農道に入る.農道は畑や林を抜けながら,少し高度を上げながら行った.そして県道180号線に合流し,そこを西に進んだ.


県道180号線から逸れ山道に入る

県道180号線から逸れ山道に入る

暫くして遍路道は県道180号線から逸れ山道に入っていった.晴れていればかなり快適な筈であるが,雨なのがちと残念だ.

この辺りでAkさんと再会した.別の宿で,示し合わせた訳ではないが,ちょうど一緒になったようだ.泊まった宿は一般の評判に較べて,悪くはなく,いや結構良かったそうで,それは何よりだったと思う.


第81番 綾松山 洞林院 白峯寺(りょうしょうざん どうりんいん しろみねじ)

落ち葉の第81番白峯寺トレイル

落ち葉の第81番白峯寺トレイル

さて遍路道は坂道や階段があり,落ち葉が多い.ただ雨のため落ち葉の下を川となって流れているところがあり,脇に避けたり,飛び越えたりしながら行くところもある.

また濡れた石は滑りやすいので,これも要注意だ.


第81番白峯寺山門に着く

第81番白峯寺山門に着く

そして第81番白峯寺山門に着いた.白峯寺は280mの標高に位置しているので,それなりに上ったようだ.山門は両側に2段の屋根の格子壁を有する,とてもユニークな形式だ.堀重門と呼ばれるようだ.

綾松山の山号額と白峯寺の寺号表札が架けられている.


第81番白峯寺山門先に弘法大師像

山門先に弘法大師像

山門先にはブロンズの弘法大師像があった.下には南無大師遍照金剛の御宝号も記されている.

また稲荷大明神の鳥居に社も祀られている.


第81番白峯寺,境内途中に勅額門あり

途中に勅額門あり

肝心の勅額が写真では黒く潰れてしまったが,後小松天皇直筆の奉納勅額(のレプリカ)が架かっていた筈だ.

またこちらも黒くなったが,下の部屋には扉があり,その奥左右には二体の武者像が随身像として守護しているそうだ.まあ,どの道閉まっているので見ることはできないが.守護担当が四天王や不動明王でなく,少し前に参拝したこんぴらさんと同じように随身像であるところが興味深い.


第81番白峯寺本堂

第81番白峯寺本堂

白峯寺本堂は一般的な入母屋造りだが,前室が設けられ,燭台や香炉が設けられ,雨の日はありがたい.早速そこでろうそくと線香を灯し,経を読む.

本寺は弘法大師と大師の妹の子とされる智証大師二人の創建で,智証大師彫造の千手観音像を本尊にしたそうである.また宗派は真言宗御室派に属するそうだ.


第81番白峯寺大師堂

白峯寺大師堂

白峯寺大師堂もまた一般的な瓦屋根方形造りだ.

825年高松藩主松平頼儀公により再建されたそうで,中央の弘法大師の他,左右背面に数体祀られているようだが,よく見えない.


第81番白峯寺阿弥陀堂

白峯寺阿弥陀堂

本堂の左手に位置し,阿弥陀三尊像が並んでいるようだが,中は覗けない.ただ正面の額には 阿弥陀如来を中央に,見て右に左脇侍の観音菩薩,左に右脇侍の勢至菩薩の名が記されている.阿弥陀三尊は仏像配置の代表的な一形式なのだそうだ.


第81番白峯寺から下る

第81番白峯寺から下る

無事参拝を済ませ,山門手前の納経所に下る.

階段を下りつつ,白峯寺には保元の乱により流された崇徳上皇の御陵があり,上皇をしのぶ逸話が数多く残されている,ということについて改めて思うことあり.つまり,ここ讃岐は京の都にごく近いが,海で隔てられているためか,流刑の地だったんだな....空海が唐に渡るのはこれに比べれば月に行くくらい大変だった筈だ....と


山道越え

第81番白峯寺から山道に入る

第81番白峯寺から山道に入る

第81番白峯寺参拝の後,第82番根香寺に向かう山道に入った.最初はここに至る道をトレースし引き返し,次に第82番青峰山へのルートに入る.

そしてこの辺りで,松本の男性(Mtさんとしておこう)が加わる.私は初めてお会いするが,Akさんは以前に知り合っているそうだ.このルートを一人で歩くには若干不安もあったのでちょうど仲間ができて良かったという.確かに周囲には誰も居ないし,雨で足場も悪くなっているし....


やはり雨が問題だ

やはり雨が問題だ

この白峯寺ー根香寺間トレイルは遍路道としてはとても雰囲気のいい通りだ.やはり雨が問題だ.私の靴はボンドが効かなくなり,ソール剥がれが進み,時どき立ち止まり応急手当が必要だった.いつまで何とか持つやら....心配でならない.完全に剥がれたときのために一応途中で買ったスニーカーをザックに入れてあるが,それでは水は防げないし....元より捻挫が懸念されるし...


第82番 青峰山 千手院 根香寺(あおみねざん せんじゅいん ねごろじ)

第82番根香寺山門に到着

第82番根香寺山門に到着

暫く山道を歩き,第82番根香寺山門に到着した.根香寺は標高365mに位置するということなので,第81番白峯寺から85mほど上ったことになろう.

山門は切妻造りで,大草鞋に仁王像が納められ,中央には山号青峰山を表すかの如くに青い字の額が架かっていた.


第82番根香寺で先ず手水舎で清める

先ず手水舎で清める

山門で一礼し,境内に入る.すると正面先方階段上に本堂を望み,直ぐ左手脇に手水舎があり,ここで手を清め,口に水を含む形をとる(略式口濯ぎ)

手水舎の反対側にはおみくじのようなものが結ばれている.神社と同じかな~

そして先は豊かな緑に囲まれた本堂への階段に続いている.


第82番根香寺本堂入り口

第82番根香寺本堂入り口

先程手水場から見上げた階段先本堂入り口はどうやら裏口的入り口で,そこから巡らされた万体観音像の祀られる廻廊の反対側,この写真のところが本来の本堂入り口ではなかろうか.ややこしい構造なのだ.

ここもまた弘法大師,智証大師二人の開基で,千手観世音菩薩をご本尊とするのは,一つ前の81番白峯寺と同じだ.ただ宗派は真言宗ではなく,天台宗というところが興味深い.天台宗と言えば弘法大師と同じように唐に渡り修行した最澄(伝教大師)の派であるが,一時当根香寺が荒廃し,高松藩主らによる再興時に天台宗へ改宗されたとのことだ.


第82番根香寺本堂周囲の万体観音廻廊

根香寺本堂周囲の万体観音廻廊

本堂に連なる廻廊には万体観音が祀られた廻廊が巡せてある.実は万体どころか,全国の信者から奉納された三万三千体の観音像が並んでいるとのことだ.


第82番根香寺大師堂

根香寺大師堂

本堂参拝後大師堂に回った.切妻屋根で前面が太い柱に支えられた庇状広い空間があり,どことなく神社建築的印象を受けた.

広い庇状空間には香炉や燭台が置かれ,経本も心配なく広げることができ,好都合だ.そしてゆっくり経を読む.


第82番根香寺階段左側を下る

根香寺階段左側を下る

途中納経所に寄り,そしてまた階段を下る.仏教の作法に従い歩くのは左側だ.雨で滑りやすいので手摺に掴まって降りた.


松山郊外

第82番根香寺後は暫く山道

第82番根香寺後は暫く山道

第82番根香寺を出ると,後は暫く山道を歩く.

強くはないが依然雨は続く.途中トレイルは小川と化したところもあり,足の置き場を,子供の頃の缶蹴り遊び(最近見ないので,死語かな)のように工夫しながら歩く.


またちょっとした藪こぎも

またちょっとした藪こぎも

笹や草があるので,ちょっとした藪こぎもある.やはりカッパパンツを着けてないとびしょびしょになるだろう.


山道は下りに入る

山道は下りに入る

一宮寺の石道標が見えて,山道は下りに入ってきた.

暫く行けば舗装道路に出るだろう.


遍路道は舗装道になる

遍路道は舗装道になる

遍路道はゆるい傾斜の舗装道に入った.下方には高松の市街地,さらに先には瀬戸内海が見えてきた.


松山郊外の住宅街を通る

松山郊外の住宅街を通る

遍路道は松山郊外の住宅街に入ってきた.高松市北西部に位置する鬼無(きなし)町の辺りだ.山から下ったこの辺りは完全に平で,高松平野の外れとなるようだ.


JR予讃線鬼無駅近くの踏切を跨ぐ

JR予讃線鬼無駅近くの踏切を跨ぐ

鬼無町にはJR予讃線鬼無駅があり,遍路道はその近くの踏切を跨いでいた.

この辺りで,どうやら第83番一宮寺までの半分くらいを歩いたことになるようだ.


個人の方の休憩所でお茶

個人の方の休憩所でお茶

踏切後,また住宅街を歩く.そのうちに立派なお遍路休憩処があり,寄せてもらった.隣にお住まいの方が個人で設置されたようで,ありがたい.ここではザックを下ろし,用意されていたお茶を頂戴した.


川を越える

川を越える

休憩所から暫く歩くと川,いや土手はあるがほぼ枯川か,を渡った.


小路になる

小路になる

川から暫く先からは小路に入った.いかにも遍路道の雰囲気だ.


大通りを越え,また住宅街になる

大通りを越え,また住宅街になる

小路を行くと,国道32号線の大通りにぶつかり,ここを越える.そしてまた主に住宅街を延々と進んだ.


第83番 神毫山 大宝院 一宮寺(しんごうざん たいほういん いちのみやじ)

第83番一宮寺山門に着く

第83番一宮寺山門に着く

ようやく一宮寺山門に到着した.切妻屋根で両側に仁王さまと大きな草履が納められている.

山門手前から,山門突き当りの本堂まで,きれいな石畳が敷かれている.


第83番一宮寺境内

第83番一宮寺境内

境内に入ると比較的樹木は少なく,開けている.中央石畳通りの左側には鐘楼,先に手水場があり,右側には納経所,大師堂の順に配置されている.


第83番一宮寺本堂

第83番一宮寺本堂

一宮寺本堂は瓦屋根入母屋造りだ.

当寺はとても古く,仏教伝来から160年後,701年ころまで遡り,義淵僧正という方が創設したという.そして後に行基菩薩らを輩出.さらに後弘法大師が訪れ 聖観世音菩薩を彫造しこれをご本尊とし,真言宗に改宗したということだ.


第83番一宮寺大師堂

第83番一宮寺大師堂

大師堂も入母屋造りで,むしろ本堂より大きいか.

ここでこの日最後の般若心経を唱える.そして納経所に回り,ご朱印と墨書きをもらう.


天然温泉きらら

夕食調達し天然温泉きららへ

夕食調達し天然温泉きららへ

天然温泉きららを予約するとき,この日は温泉とレストランは休業日で,食事なし,素泊まりなら可能ですが,ということで.素泊まりでお願いしていた.

そこできらら手前でローソンがあったので,ここでビールやおつまみを仕入れる.そして,近くに針金を売っているお店がないか尋ねたところ,暫く先にダイソーがあるそうで,そこに向かう.

ダイソーまでは,ビールが重く,意外に遠く感じられたが,ニッパーと共に無事針金を買うことができた.大した根拠なく巻くのが簡単そうな一番細いのにした.

そしてまたきらら方面に舞い戻り,きららにチェックイン.担当の若い男性二人は大変親切で,脱いだカッパを持ってくれたり,靴乾燥用古新聞を用意してくれて,宿泊棟の部屋や,ランドリーの場所に案内してくれた.


天然温泉きららの客室

天然温泉きららの客室

天然温泉きららの客室は8畳だったか広めの和室で,なかなかいい部屋だった.


天然温泉きららの和室前室

天然温泉きららの和室前室

きららの客室の入り口には洗面台やキチネット,お風呂とお手洗いを備えていた.家族での温泉旅行などに良さそうだ.

案内してもらった後,直ぐに洗濯物を運びコインを入れて回す.そして戻り,部屋のお風呂に入る.風呂が終わるとランドリーに行き,乾燥機に入れ替える.そしてまた戻り,ビールの時間だ.ヤキトリやししゃも,チーズ...野菜が足りないな~



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