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アクサイチンの荒野で明けた朝，コック，キッチンボーイのスタッフはトラックと共に我々と別れ帰路につく．我々はこの日の昼食から普通のレストランとホテルの旅になり，イェチョンに向かった．
最後にサポートスタッフが用意してくれた朝食の後，長い行程に備え，早朝そそくさと出発した．スタッフの皆さんどうもご苦労さまでした．
さて，そんな朝，この日に始まったことではないがひどい砂埃の中を進む．これがなければいいのだが．．．．．．
一台は冷却系異常でオーバーヒート，一台は燃料ポンプに砂が入ったとかで，この日は故障停止が多い．まあどのドライバもメンテナンスのスキルは一流で，何とか直してしまうところがすごいが．
マザルという小さな集落に到着した．ここもバラック建築のようであるが，簡易宿泊と食事の提供を行う店が数軒並んでいた．ウイグルに入ったので早速ラグ麺の昼食となる．
ここにいると，直ぐ後に道路建設をやっていると思われる兵士が，どどどど～っと入ってきた．この近くに軍の施設があるようだ．
下は，マザルまでの写真あれこれ．
昼食後マザルを発つと登り道に入り，やがてマザル峠（4,850m）に至る．既に5,000mを切っているし，この後はもう4,000m以上に達することはないようだ．
マザル峠を下ると，検問所のあるクティに向かった．茶色一色の世界から，やがて木立ちのあるオアシスが見えてきた．ここでは車を降り，パスポートを提示し通過する．
検問所を過ぎると，いくらかの農家が並んでいた．シンプルな日干しレンガの家がいかにもウイグルに入ってきたことを感じさせる．主に羊などが飼われているように見えた．
クティの後，比較的低い最後の峠，クティ峠を越える．越えると川に沿っていい道となり，たまにこのように家畜の大群を引き連れた遊牧民に出会う．風貌がウイグル人になり，あ～違う世界に入ってきたんだな～と思う．
ふたこぶラクダも見かけるようになる．これもチベット，少なくともンガリ地方にはいない家畜なので，今ウイグルに居ることをさらに印象付ける．
これもまたウイグル風景の必須要件だ．ポプラ並木を行くロバ車にウイグル帽の男とスカーフの女が乗っていれば完璧だろう．そしてこの先，この典型的光景には何度もお目にかかるようになる．
下は，イェチョンへ向かうときの写真あれこれ．牛を引くロバが面白い．これを撮っていると傍らのロバ引きが「俺も写せ！」と言ってくれた．
行政区分は定かでないがイェチョンのアーバンというところに到着した．一帯はとても大きな都会という印象だ．ちゃんと調べた訳ではないが，ラサを含めてチベットのどの町とも比較にならないほど広く，また人が多いと感じる．
ここでは交通賓館というホテルに泊まった．早速トイレがフラッシュしないという問題があり，修理を頼んだ．そんなの予めチェックしておけば判ることなのに．．．．．いや，判っていても文句がくるまで放っておくのか．．．．この辺がやっぱチャイナ流なのかな～
ホテルの前には屋台が並んでいた．果物から，焼き鳥，ケバブ．．．．といろいろ並んでいる．でもイスラム圏なのでお酒はない．いかつい大男が，メロンなどかじっている姿は何となく微笑ましいような印象を受ける．やはり屋台にはお燗のお酒，が定番の国から来たからかな．
イェチョンでは陽の落ちる前にレストランが営業してはいけないということで，少し遅めのウイグル料理の食事となった．このときはちょうどラマダンの期間だったので，ラマダンに合わせた措置なのか，或いは市の恒久的な条例なのかは聞かなかった．
下は，イェチョンでの写真．
さて明日はエンギザルを経由して，カシュガルに入る．
