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トレック3日目，いよいよドルマラを目指す．
朝ディラプクゴンパのキャンプサイトを発ち歩き始めた．朝のうち，天気がイマイチだった．同じ頃出発したグループがあった．暫く並んで歩いたので，付き添っていたガイドに訊いてみた．すると，ガイドはカトマンドゥでマウンテンバイクとトラベルエージェントの店を開業しており，今回はウクライナの客をネパール経由で案内しているのだそうだ．筆者が何よりも驚いたのは，ヨーロッパ系の人たちなのにヤクに乗っていたことだ．頑丈一点張りの人たちばかりと信じ切っていたのに．．．．．．
やがて天気は回復に向かい，カイラス（カンリンボチェ）北面が見えてきた．この面はあたかも抉り取られたような形になっている．
華やかな衣装を纏った一団が我々を追い抜いて行く．この衣装は地元ンガリ地方のデザインだそうだ．皆すたこらすたこら足早に行く．何しろ，我々が４日もかけて歩くところを，１日で歩いてしまうそうだから，それはそれは速い．
ちょうど晴れ渡った頃，ドルマラに到着した．風が爽やかだ．皆が順調にこの丘に立ち，しばし満たされた気分に浸る．また，持参したルンタを撒き，タルチョーを結び，カタを巻き付けた．
下は，ドルマラへ至るまでの写真．いろいろな人とポーターのヤクが歩いている．
それぞれがここで記念写真．まあ定番であろう．
ドルマラで休んだ後また歩き始めた．程なくトルコ石色の湖水を湛えた湖の横を下る．路面はガレ場状で，傾斜も比較的急だ．多分反対方向を歩くボン教徒の方が歩くコースとしてはきついのではなかろうか．ヤクの速度は我々より速い，（いや我々が遅いだけか）ので先に行ってもらう．連中はどどどど～っと砂塵を巻上げながら豪快に下って行った．
湖を過ぎたところで昼食を食べた．そして再び歩き始めた．途中仏足跡など眺めながら行くに従い，天気が悪くなり雹が降り，そのうち雪に変わった．それ程気温は下がっていないので，少し白くなる程度でまああまり積もる心配はなさそうだ．それでも２～３時間くらいは続いたであろうか？
後で聞いたことであるが，現地の旅行会社が，我々の１週間ほど後に案内したグループは，降雪のため，ドルマラを越えることができなかったそうである．まあ，秋はそういうことはよくあることであろうが，残念であっただろう．
小雪の中，暫く歩くとカイラスの東面に沿う川に出合う．川の流れ方向に沿って下るに従い，雪は上がり，山の斜面に陽が回復してきた．総じて緩やかな下りなので足取りも軽やかになる．
ズトゥルプクゴンパ地域の河原でテントを張ってくれた．広い河原には我々以外にも１，２組のグループがここにテントを準備していた．朝起きたとき，周りの山は若干白くなっていたが，それ程気温が下がることなく，温度計は朝のテント内で３℃を示していた．
下は，ズトゥルプクゴンパ下のキャンプサイトに至るまでの写真あれこれ．河原にはマーモットも見えていた．
さてドルマラ越えは無事済んだ．明日はタルチェンに戻る．
