サンサンsamsang

シガツェからサンサンへと向かった.

上海から5000km地点5000km From Shanghai

からし菜畑

からし菜畑

シガツェから暫く中尼公路を更に西進する.辺りに鮮やかな黄色の畑が広がる.遠目には菜の花そっくりであるが,からし菜だそうである.この実も菜種のように油が採れるのだそうだ.

またこの辺りに上海から5000km地点と表示された広場があった.広大な国土を実感させるに十分だ.


下は,上海から5000km地点辺りの眺め.周囲にチベット様式の住宅が10余り建っていた.殆どは屋根に五色のタルチョーが掲げられていたが,一軒だけそれがなく,代わりに「五星紅旗」があった(右端写真).漢族の家か?それとも改宗したチベット族か?

上海から5000km地点辺りの眺め
上海から5000km地点辺りの眺め 上海から5000km地点辺りの眺め 上海から5000km地点辺りの眺め 上海から5000km地点辺りの眺め 上海から5000km地点辺りの眺め

シガツェを出て間もなく,我々より3日早く出発した同一内容のツアーのランドクルーザー一台に偶然遭遇した.聞けば,サンサン(4,400m)で高度障害を起こし,これ以上進むと危険で,治療のため日本への帰路につく一人だという.ネパール側に行く方が早く高度を下げられるので,一旦カトマンドゥに向かったが,道路が閉鎖されていたためやむなくラサに向かうところだそうだ.さぞかし残念であろうが仕方なかろう.エスコートしているのはチベット人ドライバ一人なので,多分意思疎通面などでも容易ではなかろう.

このグループでは,既にシガツェ(3,900m)でもラサ経由で日本に一人引き返したそうで,これまた気の毒なことだ.当初12人のグループは10人に減ったことになろう.

同一コースで,昨年度は早くもラサで日本に引き返した人もいたという.次は,例えば富士山などで,高度順化の様子などを見ながら,調整すれば結構上手くいくのでは,とも思う.

ツォーラTsola Pass

中尼公路をさらに進むとやがてツォーラ(標高4,500m)に到着した.夥しい数のタルチョーが風に舞っている.

ツォーラの羊ツォーラのタルチョー

ラツェ(拉孜)Lhatse

ツォーラを過ぎ,暫く走るとラツェの町に到着した.ここでは拉孜賓館という質素なレストランで昼食となった.窓やドアに物乞いの幾人かが張り付いている.チベットではよくある光景だ.

ラツェの町ラツェの町

さてここからはいよいよ中尼公路から離れ,北西のダートコースを辿ることになる.

ランツォ(ラン湖)Lang tso

中尼公路を離れると,ろくに橋もなく4WDの威力が発揮される.ここからは,次の2点でそれまでと圧倒的な差異を感じる.
(1)畑が見当たらなくなる.
(2)木が無くなる.
正に筆者にとっては想像上定型化されたチベットの心象風景だ.

こうしてしばらく進むとランツォという湖に至る.ここの水もグリーンに染まり,紺碧の空と白い雲を映し出し,しばし見とれる.

中尼公路を離れる中尼公路を離れ荒地を走る
ランツォ(ラン湖)ランツォ(ラン湖)

ガラ山Galashan

アンガラ(アンガ峠)

アンガラ(アンガ峠)

タルチョーがいっぱいのアンガ峠に来た.カシオの高度計では4,415mを指している.この高度計はいつも低めに表示するので実際はもう少し高いかも知れない.

タルチョーだけでなく帽子や靴なども散乱している.チベット仏教ではこのような場所で身に付けていたものを置いて,安全祈願する慣わしがあるそうだ.この習慣はネパールではあまり見かけることはないので,地域差があるのかも知れない.

パドマサンババ(グルリンボチュ)修行のゴンパ

パドマサンババ(グルリンボチュ)修行のゴンパ

パドマサンババ(Guru Padomasambhava)はグルリンボチュとも尊称され,ニンマ派/チベット密教の開祖で,8世紀にインドからやってきた高僧だそうだ.そのパドマサンババが写真の丘の上のゴンパで瞑想に打ち込んだという.ゴンパは大きくはないが,今も機能しているそうである.


ガラ山

ガラ山

さらに進むとガラ山という峠に至った.カシオで4,670mを指していたので,相当高度を上げたことになる.


下は,ガラ山付近の写真あれこれ

ガラ山付近の写真
ガラ山付近の写真 ガラ山付近の写真 ガラ山付近の写真 ガラ山付近の写真 ガラ山付近の写真

サンサン(桑桑)Samsang

サンサンに到着

サンサンに到着

丘を越え,川を越え,今日の宿泊地サンサンに到着した.宿は招待所風で,電気は午後8~10時に限定,シャワーは使えなかった.近くのお店でミネラルウォーターを探したが置いてなかった.ビールやコーラは置いてあったが,ミネラルウォーターの需要は少ないのであろう.


腸詰を作るカップル

腸詰を作るカップル

サンサンは宿場町なのであろう,レストランや簡易宿舎,また車の修理工場が多くある.しかし小さな町なので一廻りしても幾らの時間も要しない.

町の一画に肉市場があった.普通の枝肉が吊るしてあったり,この若いカップルのように腸詰を製造販売しているものもいた.このような肉市場周辺では特にそうであるが,よく家畜の骨が道に転がっている.ちょっと気持ち悪いかな.


下は,サンサン辺りの眺めあれこれ.

サンサン辺りの眺め
サンサン辺りの眺め サンサン辺りの眺め サンサン辺りの眺め サンサン辺りの眺め サンサン辺りの眺め サンサン辺りの眺め サンサン辺りの眺め

サンサンからはちゃんとした宿泊施設がないため,テントや食料品を積載したトラック1台が合流.またスタッフとしてコックのダワさん以下4人のキッチンボーイ,トラック運転手が加わる.以降ウイグルのイェチョン(アーバン)の手前まで同行し,お世話になる.

サンサンの宿の庭で夜歯磨きに出ると,星は降るように輝いている.まだ新月に近く,標高が高くもやが少ないためであろう.天の川の細かい星までもが,東京の3等星(正確性は?)くらいに輝いている.明日はサガに向かう.さてどんな場面に遭遇するやら.....



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