このボコンバエバ編では,7月7日クルマク峠を越えて平地に降りてから,コチコル村に至りケバブの昼食いただき,ボコンバエバの鷹匠(の息子さん)を訪ね,次にイシククル湖南岸に来て色々な花を見物したときの写真を載せました.
地名表記されているコチコルと,イシククル湖南岸マーカー17ボコンバエバはこの辺りに位置している.
クルマク峠を下りきると小さな村が現れ,畑がある.
さてこの写真の家族の持っている道具は何でしょう?細長い臼と杵のように見えるが....
ウズゲンの街を出てからず~と砂利道であったのだが,いきなり舗装道路になった.実に久しぶりで驚いた.これまであまり行き交う車をなかったが,これからは増えるだろう.
街道脇には青々とした麦畑が広がっている.コチコルの標高は1,767mで高原に属すると思うが,麦類には適しているのだろう.
コチコル(Kochkor:1,767m)の村に入ってきた.村の人口は1万人近くという.写真右橋の住宅は日干し煉瓦造りのように見えるのだが.....多分雨は少ないのであろう.
三張りのユルトの中の一つに入り座った.ユルトのサイズはキルギス標準サイズで,一見小さいが,中に入ると結構広い.
最初にワンタンのようなものが含まれるマンパール(Manoar)と呼ばれるスープを出してもらった.これがとても美味しかった.
普通のパンや揚げパン,それとデザートなのかパンなのか,細長く,途中で折れ曲がった揚げパンのようなもの,フルーツなども並んでいる.
メインはこのお兄さんが焼いてくれている鴨肉ケバブ.焼けると直ちに皿に盛り,出してくれた.鴨鍋や鴨南蛮とか食べたことはあっても,こうしてケバブにするのは初めてだ.美味しい.
私にとって,今回旅行これまでで一番美味しいと思った.とにかくマンパールスープと鴨肉ケバブが決定的だ.
レストランにはお土産店が併設され,いろいろ並んでいる.一つはこのようなキルギス伝統デザインの織物や布製品だ.こうした絵柄はカーペット,カーテンから衣類まで展開されているようで,よく見かける.
実は食事の後,鷹匠の里ボコンバエバを訪れ,鷹狩のワザを見せてもらうことになっている.ところが行ってみると肝腎の鷹匠が不在で,叶わぬ結果に終わるのだ.
そうとは知らず,『ふむふむ,午後はこんな様子を見るのだな』と,この剥製から予習したのだった.ところで獲物となっている,鋭い牙の動物は何でしょうか?イタチとかか....
コチコルレストランの庭では子どもたちが遊んでいた.
お腹がいっぱいになり,レストラン前に出る.ポプラであろうか,随分太く茂っている.それとやはり舗装道路になったので,車は多くなっている.
そしてバスに乗り込むと,東に向かって出発した.
コチコルの村を出て少し行くと湖が見えた.地図を見るとオルトトコイ貯水池(Orto Tokoy Reservoir)のようだ.貯水池ということは相模湖のようにダム湖であろううが,なかなかきれいな湖水を湛えている.
オルトトコイ貯水池でバスを停め,花を眺めた.
そのうちにオルトトコイ貯水池は過ぎ去り,バスは先に進んだ.
やがてボコンバエバ(Bokonbayevo)の村に到着した.周囲には麦畑や牧草地が広がっている.
ここが鷹匠タルガルベクさんのお宅だそうだ.土壁構造が面白い.特に二階部分の木筋はすべて筋交いで構造力学的に合理的である.
ところが肝腎の鷹匠タルガルベクさんが,他のツアー客団体のショー出演のため,鷹共々出掛けて,不在ということだ.(涙)
ガイドTさんが『でもショーでは生きたうさぎを放ち,それを捕らえさせるので,非常に残酷ですよ』と慰めてくれる.
それで,跡継ぎの息子さんが代役を務め,これはハヤブサか,を手に乗せて見せてくれた.ありがとう.
こちらはお兄さん.少し大きめだ.脇の黒いのはもっと大きい.
鷹狩は中央アジアで盛んだったが,キルギスタンでは一時鷹匠が減っていたそうだ.それが近年観光資源として見直され,最近は50人ほどに増えたそうだ.上記二人の息子さんも跡を継ぐ意志があるようだ.
鷹狩に使う鷹は普通イヌワシのメスで寿命は50年と長く,そのうち20歳くらいまで働くという.そしてお役御免となり,自然にリリースされるそうだ.以前モンゴルのカザフ族の鷹匠の話では11歳くらいでリリースと聞いたので,流儀はかなり異なるようだ.
日本でも家康の時代の古来より鷹狩が行われるが,最近のニュースで,地方在住女性鷹匠が,東京都清掃局と共同で,繁華街のカラスを鷹で追い払う実験をしたのを見た.
上記二人の男の子に加え,三人の女の子が集まってくれた.皆兄弟なのか,従兄弟なのか判らないが,まあ皆仲良し兄弟といった間柄であろう.どうもありがとうさん.
鷹匠家族にお礼を言い,同家を後にした.少し進むとモスクがあった.こぢんまりしたタイプだがミナレットも備えている.特にドーム屋根は中央アジア様式,凹凸ある金属だ.
ボコンバエバを離れると,また一面麦畑になった.いや牧草や,米などもあるのかも知れないな~
やがてバスはイシククル湖南岸に沿うようになった.イシククル湖は標高1606mに位置し.琵琶湖の9倍の面積があり,0.6%と薄いが塩湖だそうだ.0.6%と薄いが冬季に凍らないという不思議があり,透明度20mと極めて高く,また流れこむ川は多いのに,出る川は1本もないそうだ.
花を見てからまた先に進んだ.後日立ち寄る北岸は観光客でいっぱい,汚染も心配されるが,こちら南岸はまだ開発が進んでおらず,差は大きいようだ.私たちはここでは専ら花探しだ.
この黒い棒状の植物はA先生が探し,教えてくれた一つ.根っ子部分が他の植物根辺りに食らいつき,栄養を吸い上げるのだそうだ.実にたちが悪い.その黒い様相と相まって悪者の印象が植え付けられた.学名はCynomorium songoricumだそうだ.
湖南岸も整備して観光開発しようという動きがあるそうだ.そのためであろうか,こうして海岸を整備する様子が見える.
お役御免になった戦闘機であろう.キルギス空軍のアピールか,それともリクルート活動の一つか.
変な植物も見たことだし,後は次の街カラコル(Karakol)へとバスは進んだ.