このオシュ編では,7月4日午後サリモゴルを出てパミール街道を北上し,オシュに着きそのまま聖なる山スレイマン山に上り,そして下ってオシュの宿に落ち着いたときの写真を載せました.
マーカー3がオシュの街,8が聖山スレイマン山の位置である.
サリモゴル村の民家をおじゃました後,サリタシュに至るとパミール街道(M41)に乗り,北上した.往きと同じように写真のタルディク峠(3,615m)を越え,フェルガナ盆地へと向かった.
この辺りは比較的平らな地帯で,川が流れ大きな樹木も多くなった.
街道の途中に小さなモスクがあった.近くに大きな村はなく,礼拝には離れた場所から訪れる人も多かろう.
小さなお店があり,ガイドTさんが馬乳酒と乾燥チーズ(クルト)を買い入れ,試食させてくれた.クルトはかなり塩っぱいかな.
お店の脇のベンチでは大人も子供もかなり暇を持て余している風にしている.
フェルガナ盆地に入り,オシュの街が近くになった.この辺りではトウモロコシが青々と茂っていた.
オシュの街に入ってきた.街路樹が立派だ.フェルガナ盆地は標高400mくらいで夏(今)は35℃くらいまで気温が上がるそうで,街路樹は日除けの効果が大きかろう.この気温は東京といい勝負であろうが,4月~8月は雨なしでかなり乾いており過ごし易いとは思う.
暫く走ると4本ミナレットの比較的大きなモスクの前を通過した.そして背後の山が聖山スレイマン山だということだ.
スレイマン山麓の駐車場に停まると,私たちはスレイマン山へのトレイル,とは言ってもご覧の通り広い舗装道路だ,を歩き上に向かった.
スレイマン山は預言者スレイマン(ラテン語ではソロモンSalomon:1,011BC~931BC頃)が逗留したとされる伝説に因むそうだ.1,011BC~931BCと言えば,ムハンマドよりはもち論,キリストより遥かに古い旧約聖書の時代に遡る訳で,キルギスタンにイスラムが入るよりず~っと昔になるわけだ.
また後で登る山の頂上には1,510年建立というモスクがあるのだが,コーラン(クルアン)にはスレイマンは預言者の一人として記されており,その人の墓がモスクに在ったという伝説があるという.
ということでイスラムにとっても,その以前から伝統的な信仰にとっても大事な巡礼地となっているのだそうだ.
暫く歩くと博物館とその前の展望デッキがある.そこからオシュの街を見下ろすとこんな具合に見える.あまり高層建築はなく,とても緑豊かだ.
博物館があり,入り口にはユネスコ世界遺産の標識が貼られていた.そして発掘された各種資料や歴史の展示が見られると期待した博物館がまだ時間内なのに閉じられ,入れない.
今年のラマダン最終日が明日7月5日,今日はその前日4日なので,窓口係員が早めに仕事を切り上げて帰ったのだそうだ.普通予定変更時は旅行会社に連絡があるのだが,今回は全く知らせがなかったという.がっかり.
博物館が閉まっていたので,そのまま頂上に向かうことにした.既にお参りを済ませ下山する人とすれ違う.
トレイルは石の階段に手摺を備え,よく整備されている.
頂上のモスクに到着した.モスクはとてもコンパクトだ.頂上の僅かな平面部分に建てる制約があったのであろう.1,510年創建で,20世紀になって大規模修復されたという.
私たち異教徒は入れないが,信徒の方々は中に入っていった.外で寛いでいる人もいる.
頂上からオシュの街を眺めると,街はとても平らな面に四方に広がっている.フェルガナ盆地の底はとても平らなことがよく解る.そしてこのスレイマン山が突如平面から突き出ている.まあ随分突拍子もない地形という感じがする.
スレイマン山の高さは275mだそうだが,そんなにあったかな~と云う気もする.駐車場からはも少し少ないのかも知れない.
狭い頂上だが,お土産屋さん,アイスクリーム屋さんが営業している.ガイドTさんのお勧めでアイスを食べてみた.まあ普通に甘いアイスだった.いま改めて写真を見るとネッスルのようであるが....そうだったかな~?
トレイルは上りとは反対側にも付いていた.そしてこちらを下った.やはりよく整備されたトレイルだった.
暫く歩き,登山ゲートにきた.門型モニュメントには何やら瓢箪のようなものがくっついているのだが,Tさんにもその意味合いは分からないということだ.
ここには私たちのバスが迎えにきてくれて乗り込んだ.
なおスレイマン山は近年までキルギスタン唯一のユネスコ世界遺産だったそうだが,2014年にもう一つ(多数国に跨る遺産の一部だが)加わったそうだ.後日訪れるバラサグン遺跡だ.
バスは街の中を走り,既に一度泊まったことのあるSunriseホテルに向かった.スレイマン山から見たようにオシュの街は緑がいっぱいだ.それに道路は空いており,人も多くない.まあ混んでいるところを避けて通ったのかも知れないが.
ほどなくオシュの宿,懐かしのSunriseホテルに到着した.部屋のキーをもらうと,荷を運び,そして久しぶりにシャワーを浴びた.湯は十分に出てさっぱりした.
wifiも使えるのでメールをチェックし,ニュースもチラッと見てみる.
そしてレストランに行き,夕食を頂き,ビールを味わう.美味しかった.
またガイドTさんより,Ak-Sai Travelの名入りカルパック(kalpak:フェルト山高帽)を頂戴した.後で被ってみよう.
Sunriseホテルで一夜明け,7月5日になった.ホテルの庭に出てみるとポチリと雨が当たる.この程度で収まってくれればいいが.
ホテル前の通りを覗いてみると,まだ通勤時間前か,通りは閑散としている.バス停で待つ人も少なく,バスもなかなか来そうにないか.上にトロリー線のようなものがあるので,トロリーバスかな.
さてこの後は荷物を載せて,ウズゲンの街に向かう.