このクルマク峠編では,7月7日朝ソンクル湖のユルトを離れ,野の花を眺めながらクルマク峠に上り,やはり花見物しながらヤクが原へ下り,さらに平地へと下るときの写真を載せました.
ソンクル湖はマーカー13,湖畔のユルトキャンプは14,クルマク峠は15に位置している.
ソンクル湖のユルトサイトで朝食を頂き,バスに乗り出発した.
ソンクル湖畔では羊が餌場を目掛けて朝の移動中だ.お尻の大きな羊(ギッサル種と呼ぶようだ)や山羊も混じっている.
ソンクル湖畔ユルトの酪農家は馬で散歩中だ.いや仕事で家畜の様子を見に行くところかな.
さて砂利道はソンクル湖畔を離れ,北に向かい始めた.
ポツリ佇む草原のユルト前では少年が手を振ってくれた.手前の少し黄味を帯びたボトルは販売用馬乳酒であろう.
ところで乳牛は1日25lものミルクを出す(凄い!びっくりした)が,馬は大きいのに高々5lなのだそうだ.ただ薬効が強く,特に肺の病気に効くそうで,外国からサナトリウムに滞在し,馬乳酒を飲むという.
なお馬乳酒は冬には生産できない(ミルクがないか,或いは発酵できないか)が,馬乳酒が大好きなキルギス人は何としても飲みたい.そこで頭のいい中国人が,夏の間に大量に仕入れ,これを本国に輸入し,乾燥する(フリーズドライ?).そして冬になるとこれをキルギスに逆輸入し,粉末馬乳酒を水で戻し,高く売るという.キルギス国内でそのプロセスやればいいのでは....と思うが,今のところ生成管理基準を満たす工場の建設ができないのだそうだ.
なおEUとかTPPのように,このエリアではユーラシア経済連合が締結され,現在ロシア,ベラルーシ,カザフスタン,アルメニア,そして本キルギスタンが加盟済だそうだ.他の貿易圏と同じように相互自由貿易を目指しているが,衛生安全基準は厳しく,現在のキルギスタンの技術では,上記粉末馬乳酒の例の如くまだ大変ということだ.
やがて緩やかに上り始めた.先方の山には前日降った雪であろうか,白く覆っている.
道脇には酪農のユルトが建ち,丘には馬が草を食んでいる.
なおガイドTさんは旅行のプロジェクトマネジャーであるが,乳製品加工,貿易会社の立ち上げに関わっており,また建売住宅建設と販売事業も行っているそうだ.現在建設済の2軒の住宅を抱え,外国への出稼ぎ者が戻る秋には売れるだろう,利幅は大きい,と抱負を話してくれた.
かなり上ったであろう,やはり馬がいる.キルギスはやはり馬の国だ.
やはり標識はなく,なだらかな丘状で頂点が判り難いがクルマク峠近くになったようだ.
この辺りでもバスを降りて花を探して歩く.
全体に緩やかな丘陵状だが岩壁もある.Adさんの一号車ダッシュボードの電動フラダンサーが岩に貼り付いた雪を巧みに滑り降りていくようだ.
ここが一番高いというクルマク峠(Kalmak Pass:3430m)に着いた.気温が低めなので残雪が多くある.
ここでももちろん降りて,A先生に付いて廻る.先生は足が速く,また直ぐ花を見つけ出す.やはり専門家だ.
クルマク峠の僅か先,小川の流れる辺りでまた花探しで歩いた.
さてクルマク峠からは緑の斜面をトラバースし緩やかに下る.トラバース路の下側には川が流れる.
少し下るとヤクの遊ぶヤクが原に至った.ヤクがいるということはまだ相当高い標高であろう.
ヤクが原では私たちの通る道もヤクの生活圏で,当然道も,川も横切る.間近に眺めるヤクはやはり大きいな~
ヤクが原近くでも花探しした.小川がありA先生に続いて飛び越えた筈だ.
ヤクが原からさらに下った.緩やかな広い草原で,花が咲き,キルギスの象徴的光景に映る.
ここでもバスを降り,花摘みだ.
さらに下ると川に面した農家があった.ユルトではなく普通の家で,前には家畜囲いも備えている.2,3人のカウボーイが牛を追って川を渡らせている.いやひょっとすると牛ではなく,ヤクかな~
砂利道を進むと,やがて傾斜がなくなり,平地になった.川の流れも穏やかだ.この辺りの標高は1,800mくらいと思われる.
Adさん,Acさん山道ドライブお疲れ様でした.
さてこの後は,このままコチコルの村(Kochkor:1,767m)まで走り,そこで昼食を頂く予定だ.