このカザールマン編では,7月5日カルダマ峠を越えた私たちのバスはそのまま下降を続け,不思議なお花畑を眺め,さらにカザールマンの村へと下った.そして3軒の民家にチェックインし,宿泊したときの写真を載せました.
カルダマ峠がマーカー10,カザールマンは11に位置している.この間は引き続き未舗装の道である.
カルダマ峠から暫く下った.道には馬が遊んでいる.近くに遊牧の人たちがいるのであろう.
馬の一団から下るとユルトがあり,一家の皆さんが手を振ってくれた.とても友好的な方たちです.
さらに行くと牛が集まる庭にまた一軒のユルトがあった.乗用車も駐車している.伝統的暮らしに現代的利便性を採り入れているのでしょう.
そのうち緩やかで広い谷,花咲く野原になった.色々な花がこれでもかと咲いている.
で,不思議なのは写真右,青い矩形のお花畑だ.何だろう?
野生のまま放っておいて,こんなにきっちり矩形になることはなかろう.ラベンダーか何かを植えた畑に違いない,と思い,ガイドTさんに訊く.すると,これは畑ではなく,周りの牧草を刈り取ったら,残されたエリアにこの青花が増殖したのです,とのことだ.
こうした青花畑は,ここだけでなく,道の反対側にも数か所見えた.私はなおも納得できず,近くで肉眼で確かめたかったのだが,ちょっと遠過ぎて叶わなかった.
前のページにも花名は記したが,添乗Toさんの調査結果によると,不思議なお花畑の正体はこの花で,ムラサキ科シャゼンムラサキ属シベナガムラサキ(学名Echium vulgare)という野草だそうだ.
でも直現場で確かめたい気はまだあるな~困った.
道の脇では他の花も豊富だった.
養蜂の巣箱が置いてある.花が多いので蜜もふんだんにある訳で,養蜂には好適地だ.
お花畑からどんどん進んだ.暫くして小さな村が見えて黄色い花の畑があった.菜の花か,或いはからし菜か,区別できないが色鮮やかだ.庭木はポプラが多いようだ.
山が削られて切通しとなっている場所があった.川が削り取ってできたのか,いや切通しが先にありそこに川が流れ込んだか....いい風景だ.
なお道路は切通しを通過しないで,手前脇道を上って山の上に出る.
山の上の道から周囲を眺めると,地表の襞,或いはうねりのように見える.なかなか変わった光景だ.
壊れているが一応舗装跡がある.カザールマン(Kazarman)の村に入ってきたのだ.カザールマンはジャララバード州トグツトロ(Toguz-Toro)区の区都で,人口9,500人くらいということだ.以前露天掘りの金鉱があったのだが,掘り尽くされたようだ.
予め電話してあったのであろう,お世話になる民宿の前では家の人が待っていてくれた.どうぞよろしく願います.
お世話になるグルセイラさん宅も,また周囲を見渡すと,どの家も塀と門扉で囲まれている.やはりこうした囲いがないと物騒なのだと思われる.
なお番犬,しかもリード無しで,飼っている家も多いようだが,民宿の条件に,犬がいないことが含まれており,屋敷内にいる限り安心だ.散歩はちょっと怖いが.
私たちは添乗Toさん,ガイドTさん,ドライバAdさん,Acさん含めて15人おり,グルセイラさん宅だけでは部屋が足りない.そこでお向かいのこちらのお宅,それと3軒ほど離れたさらに別のお宅,併せて3軒のお宅に分宿することになった.部屋はくじ引きで決まり,私は全員で夕食を頂くグルセイラさん宅になった.
グルセイラさんに案内され,玄関から入れてもらった.
玄関では日本と同じように靴を脱いで上がるようになっていた.
門扉に続く前庭の他に,広い裏庭がある.果樹が植えられており果樹園と言ってもよかろう.その後ろにお手洗い小屋があり,なかなか遠い,特に夜は.
裏庭果樹園と玄関口にはリンゴの木があり,たわわに実っている.同行の方が言うに,間引きした方が大きく育つようだが,放っておいて自然に任すのがキルギス流らしい.
ドライバーさん,ガイドさん含めて全員座れる広いダイニングルームだ.普段居間も兼ねているのかもしれない.そして先ずはここに案内された.
熱くなくともよいもの,サラダや,揚げパン,ヨーグルト(アイラン),デザートなど先に並べられた.
次いでスープや,メインのベシュバルマク(Beshbarmak:ビーフ入り麺)を運んでくれた.ベシュバルマクはキルギスパスタというか,きしめんのように平たい麺である.正直コシが足りないので,も少し固茹にするといいように思った.
ここが抽選で当たった部屋だ.まあ民宿なのでこんなもんであろう.
ところでここでまた耄碌だ.メガネを何処かに置き忘れて,ないないと騒ぎ通し,ようやくベッドカバー下に見つかった.困ったもんだ.
---------------- サウナに行こう ----------------
さて私たちは夕食を頂くと,村に一軒あるというサウナに出掛けることになった.予約制で私たち皆で満室となるような小さな規模らしい.村の人もよく訪れるそうだが,今回は私たちだけという.
到着すると早速シャワーの後,サウナ室に入った.とてもぬるい,このままでは風邪を引きかねないよ~でもそのうちガイドTさんが入室し,石炉に何度か水を掛けると,熱い水蒸気で大分暖かくなった.でも暑いとまでは言えないか.
キルギスでは加熱に木材を使うのだが,その燃費は高く,ここは赤字経営,ただ村民の楽しみを奪うわけにはいかないので....ということだ.それを聞くと多少ぬるいくらい,我慢が必要かな.
さて,各民宿で一泊し,7月6日朝を迎えた.各家庭で朝食をごちそうになり,去ることになった.私たちは門扉前でバスに乗り込むと,グルセイラさんの皆さんが見送って下さった.どうもお世話になりました.
なおこうした民宿を希望する家庭は結構あるのだが,上述の犬がいないことなど含め,例えば部屋の広さ,シャワーやトイレ設備,...等々旅行会社が調査して選んでいるそうだ.