遍路19日目(2017年11月18日)Pilgrimage day 19

この遍路19日目編では,2017年11月18日ネストウエストガーデン土佐で朝食後出発し,またも中村街道を歩き,四万十川沿いを当初左岸,次いで右岸に渡り南下,内陸に入りカフェルーチェに至りランチ,食後海に向かい,民宿いさりびに到着するまでの写真を載せました.

遍路19日目周辺マップと札所


 

ネストウエストガーデン土佐を出発

ネストウエストガーデン土佐で朝食

ネストウエストガーデン土佐で朝食

11月18日朝となり,ネストウエストのレストランへ行く.朝食は予め和洋どちらか予約するのだが,久しぶりなので洋,即ち野菜サラダ,トースト,オムレツ,ソーセージ....などにした.一人でちょっと寂しいが,まあ普通に美味しかった.


土佐西南大規模公園を抜ける

土佐西南大規模公園を抜ける

食事が済むと,早速雨支度して,ネストウエストガーデン土佐をチェックアウトし,そして土佐西南大規模公園の林を歩き,やがて抜け出た.


中村街道を行く

またも中村街道へ

またも中村街道へ

出かける前は,中村街道手前の遍路道を行こうかな....そちらが短距離で,車も少なそうだし....と思っていた.しかし雨の中を歩き始めたら,やはりルートファインディングの煩わしさのなさそうな中村街道に向かっていた.

中村街道に取り憑かれてしまった.だって楽なんだもん.


土佐くろしお鉄道中村線が並行して走る

土佐くろしお鉄道中村線が並行して走る

前日も所々で出合った土佐くろしお鉄道中村線は今日もしばしば並行したり,跨いだりしながら進む.

今一両編成の車両が駅のホームを離れたところだ.ホームには車両長さよりかなり短いが,待合室が設けられている.こうした雨の日は屋根付き待合室が役立つ筈だ.


逢坂(おおさか)トンネル

逢坂トンネル

中村街道をどんどん行くと少し高度を上げ,そして逢坂(おおさか)トンネル入り口となった.

入り口にはなぜかトンボのレリーフが飾られている.実はここ四万十市では83種類ものトンボが見つかっており,中には生きた化石レベルの珍しい種も生息するらしい.トンネルのトンボはそうした市のシンボルとして掲げられたのでしょう.


四万十の町再び

四万十の町再び

トンネルを越えて行くとまた市街地になった.現在は四万十市の一部だと思われるが,歩道の幅が広いのが特徴的だ.こうした雨に日は車の跳ねる水を避けやすいので助かる.

アスファルトは使用年月に比例して轍が深くなる.そしてそこに水が貯まる.普通車だと轍からシフトして水跳ねを避けてくれるドライバーも多い.しかし大型車は対向車に近いので,水溜りは避けにくく,一般にここのように歩道幅は広くはなく,逃げられない.で,盛大に跳ね水を浴びることもある.コノヤローと思うが,これも修行のうちか.


四万十川沿いを南下

四万十川左岸に至る

四万十川左岸に至る

やがて四万十川左岸に至った.空模様が芳しくないので写りはイマイチだが,評判通りの清流だ.

ここからは進路を90度回転し,四万十川下流方向に歩く.土手の脇,或いは土手上の道路を行く.それにしても四万十川は大きな流れだ.


四万十大橋を渡る

四万十大橋を渡る

暫く下ると四万十大橋があり,これを右岸側に渡る.橋の途中で川上を望むと山間に雲が溜まっている.ああ,あのような山間の谷川を集めてこのような大河になったのかな~などと想像する.


四万十大橋でFさん,Mさんと再会

四万十大橋でFさん,Mさんと再会

さて四万十大橋を渡り,右岸袂に来た.ここで,な,何と2日前の16日朝,大坂谷川遍路道でおにぎりを頂いたFさん,Mさん仏西カップルに追いつかれ出会ったのだ.前回会った後,あの辺りで泊まって....,今度はこの辺で.....といろいろ話し,そのうちまた~とお別れする.


今度は四万十川右岸を下る

今度は四万十川右岸を下る

さて右岸に渡ったので,今度はその脇の道を流れの方向に下る.ただ左岸と違って土手上の道はなく,土手の外側なので川の流れは望めなくなった.


ルーチェへ

山側の国道321号線に入り,進む

山側の国道321号線に入り,進む

四万十川右岸を暫く下った後,内陸に行く道に逸れた.内陸向き遍路道は緩やかに高度を上げていった.周囲は山が多く,緑豊かだ.

なおこの遍路道は国道321号線で,語呂合わせでしょうがサニーロードの愛称があるそうだ.ただ何分にも山間の道だけにサニーというにはちょっと,と意地悪言ってみたい気も....


伊豆田トンネルを越える

伊豆田トンネルを越える

さて伊豆田トンネル入り口になった.長さが1670mもあるそうで非常に長い.これまで歩いてきたトンネルでは一番長いであろう.またガードレールこそ備えないものの,段差の付いた歩道があり,安心して歩ける.排気ガスは多そうだが....

なおトンネルを避けて,この上部の伊豆田峠を行く遍路道もあるそうだが大変な難路ということだ.


伊豆田トンネルを抜けるとルーチェ

伊豆田トンネルを抜けるとルーチェ

伊豆田トンネルを抜けると大きな水車があった.レストランの客引き用のようだ.そのレストランの脇にルーチェ(Luce/光)の看板を掲げた写真の小さなカフェが並んでいた.この名は確かどこかのサイトで見た記憶があり,入ることにした.

さて入ってみると,また驚いたことについ2時間ばかり前,四万十大橋を渡りきったところで再会したFさん,Mさん仏西カップル,それに近くで会ったというクロアチア青年とでコーヒーを飲んでいた.やあやあよろしく.ここはきっと遍路界では知られたお店なのであろう.

私はメニューを見て,カレーにコーヒーでもと,マスターに言いかけたら,今日はコーヒー付き豚角煮がお薦めです,と言う.お薦めなら逆らう理由はなくそれにしますとも,もちろん.そしてそれは安くて美味しかった.

お勘定し,席を立つと,一緒に仕事しているマスターの息子さんが,お接待ですと言って,なんと四角四面の食パンとヨーグルトを下さった.まさか食パンとは...想定外だが,有難く頂戴し,ザックに詰めた.そして翌日歩行中に食べさせてもらいました.ここのご一家も思いやり深い人たちだ.また色々話しているうちに,今夜泊まる予定の民宿いさりびさんとは親戚同士だそうで,このカフェ脇にはちゃっかりいさりびの看板が置かれたとも.


海に向かう

ざまにゆっくり土佐清水

ざまにゆっくり土佐清水

土留め擁壁の苔をむしり取って,ざまにゆっくり土佐清水と記されている.ざまにとは大いにと云った意味であろう,多分.また魚は有名な清水サバでしょうね,きっと.

それと,こうした立派な苔が成長するのはやはりサニーではなく,むしろ湿っぽいのではなかろうか....


市野瀬川かな

市野瀬川かな

苔アートを過ぎると,今度は川になり,越える.マップを見ると市野瀬川のようである.特段名の知れた川ではないがそれでも結構川幅がある.四国は大きな川が多いな~


苔の壁も続く

苔の壁も続く

伊豆田トンネルを抜けた後は基本的に太平洋に向けて緩やかな下りで,この辺りでも下り坂である.それと苔がまるで芝生のように擁壁に生え揃っている.なおこの時期は別に湿っぽいとか暑いとか感じることは些かもなかった.

そしてこの辺りから少し下ると,近くにお住まいのおじさんが近づいてきて,お接待です,頑張って,とおせんべいを下さった.どうもかたじけないです.


再び太平洋に出る

再び太平洋に出る

今朝宿の窓から眺めて以来,海が見えなかったが,再び太平洋に出た.岩壁が水辺に迫る,豪快な眺めのところだ.今日はこの後,明日はほぼ終日,明後日は大半を海沿いを嫌と言うほど歩くことになろう.


民宿いさりびへ

海岸沿いを南下し民宿いさりびへ

海岸沿いを南下し民宿いさりびへ

海岸に出た後,海岸沿い国道321号線を南下し民宿いさりびに到着した.この辺りに至ると確かに国道321号線はサニーロードの名に相応しいように感じられる.321号線は長いので,一括りにするには難しい.

いさりびさんの太平洋を望む入り道には,一本釣りたたきやら,清水さばやら....景気良く旗が並び,今夜の夕食が期待できそうだ.


民宿いさりびに到着

民宿いさりびに到着

若干チェックインタイムに早い3時少し前に着いてしまった.そこで軒先でカッパを脱ぎ,靴紐を解く.既に雨は上がっていたのでカッパは濡れてはいない.

そして3時を廻ったので,ブザーを押し,対応に出て頂いた女将さんに部屋や,お風呂,お手洗い,洗濯場,ダイニング....等々案内してもらう.トイレは普通の洗浄式が故障したのか,中東辺りでよく見る手動シャワー式で,ちょっと面食らう.

写真が二階の案内してもらった部屋で,太平洋を正面に望む.そしてほぼ乾いているとは思うが傘など広げる.またwifiはあったかな....はっきり思い出せない....

そして着替えると直ちに洗濯を始める,洗濯機は標準モード以外選べぬようべたーとテープで覆われていた.それで構わないのだが,うむむ....と云う印象だ.

続いてはお風呂だ.ごく普通の家庭用バスタブを備えていた.有り余る時間を潰すべくゆっくり浸かった.そして上がると,洗濯も完了しており,乾燥機に移し替え,スイッチを入れる.


早い時間にダイニングルームに

早い時間にダイニングルームに

早い時間に到着したので食事も早く準備してくれた.ダイニングルームに行くと,まだ5時を少し廻ったくらいなので,大相撲の取り組みは逸ノ城対栃煌山と,平幕同士の対戦がテレビに映し出されている.まあ食事時間が早い分には問題ない.

ダイニングルームのストーブは本物の薪ストーブで,燃やし方は女将さんではなく,ご主人が担当のようで,時々火の勢いを監視したり,薪を入れたりしてくれる.

ストーブはヒマラヤのバッティ(ロッジ)での乾燥ヤク糞タイプ以来だが,いさりびさんは薪式でゴージャスだ.なお現代の漁火はもちろん電灯やLEDであろう,それが無かった時代は薪を焚いていたであろう.ご主人は代々伝承してきた漁火焚きの技を,ストーブ焚きに応用しているのだ....想像です.(なおテレビで見たのだが,現在も長良川鵜漁など一部では燃焼式漁火も使われているようではある)


民宿いさりびの夕食

民宿いさりびの夕食

そしてお料理を並べてもらった.一本釣り(かどうかは不明だが)カツオの土佐造り,焼きカマス,しゃぶしゃぶ風ビーフ鍋料理....など.すばらしい,美味しかった.

ここも客は自分一人だけだったが,幸い女将さんと,今場所は振るわないものの高知県出身力士の話など交わしながら食事できた.これが民宿のいい点だ.

そして部屋に戻り,明々後日21日の行程と宿を検討.この辺りは要注意宿ありとのアドバイスを受けていたので,特に注意し,それに該当しないであろう鶴の家旅館を選び,電話する.そしてあっさり予約完了.



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