遍路22日目(2017年11月21日)Pilgrimage day 22

この遍路22日目編では,2017年11月21日民宿くももを出発し,北上後市野瀬川右岸を通り,真念庵を参拝し,三原村を通り,宿毛市平田町を歩き,鶴の家旅館に着くまでの写真を載せました.

遍路22日目周辺マップと札所


 

民宿くももを出発

民宿くももで朝食

民宿くももで朝食

11月21日朝が明けた.民宿くももの一階ダイニングに降りると,ベテランお遍路Mさんはとっくに出かけ,一人で朝食を頂く.お膳の脇にはお接待のランチ用おにぎりやデザートの入ったビニール袋も用意して下さった.ありがたく頂戴します.


今日は冷えたがだるま朝日は見えず

今日は冷えたがだるま朝日は見えず

デジカメを手にした女将さんが,寒い寒いと言いながら海岸から戻ってきた.今頃の冷え込みの激しい日にはだるま朝日が見えることがあるのだが,今日は見えなかったそうだ.

そしてランチの袋をザックに入れ,くももを出発した.お世話になりました.


海に湯気が立ち込める

海に湯気が立ち込める

民宿くももを発ち,海岸線を北上した.海面に湯気が上っている.海底から温泉が湧き出ている訳ではなく,今日のように冷え込んだ朝によく見る光景のようだ.感動的な眺めだ.


市野瀬川右岸通り

市野瀬川右岸通りを行く

市野瀬川右岸通りを行く

そのうち遍路道は内陸に入り,そして二手に分かれる.一方は足摺岬に向かう際通った市野瀬川左岸通りサニーロードで,他方は右岸通りだ.右岸通りと言っても川から離れているので川は見えず,それは県道21号線である.そして今回はその右岸通り21号線を歩く.

遍路道の周囲には刈り入れの終わった田んぼが広がっている.


分岐点になり右へ

分岐点になり右へ

次の分岐点になった.左は県道21号線をそのまま進み,三原村に行く道で,右は県道346号線経由で三原村に至るルートだ.距離は概ね同じ程度ではなかろうか.

私は四国八十八箇所霊場番外札所の真念庵を訪ねるため,ここを通り,その後県道346号線に至る 方向に折れた.


刈り入れ後再び伸びた稲

刈り入れ後再び伸びた稲

この辺の稲の刈り入れは早いのだと思う,その後伸びた稲は随分と高くなり,しかも穂も付けている.

スーパーで,8月中に新米として最初に並ぶのは四万十米ブランドなど,四国産を多く見かける.高知県では実際収穫は早い筈だ.


村の鎮守さま

村の鎮守さま

農道の遍路道を行くと石造りの鳥居があった.多分常駐神主とか居ない,村ごとにある鎮守さまタイプの神社であろう.


真念庵

三原,四万十分岐点

三原,四万十分岐点

ここは既にサニーロードに入り,足摺岬に下るとき通過したポイントであるが,今回逆から来ると三原,四万十の分岐点となる.そして今度は左の三原方面県道346号線に折れる.


真念庵への細道階段

真念庵への細道階段

県道346号線遍路道を歩くと間もなく真念庵の案内看板があり,右の小路に入った.そして少し行くと左に折れる細道階段を上った.

真念庵は江戸時代土佐出身の真念によって建立され大師堂で,札所間距離の長い37番岩本寺と38番金剛福寺の中間地点で,また金剛福寺を打ち戻り,39番延光寺への間に位置し,善根宿として始められたようだ.


どうやら行き過ぎた

どうやら行き過ぎた

細道階段を上ると右側に小さなお堂や,祠,石像などあり,さらに先には非常に多数のお地蔵さんが並んでいた.そして真念庵はまだかいな,とどんどん進んだ.

でも藪道だけで,お堂の気配はない.どうやら違うようだ,と引き返す.


真念庵

真念庵

引き返し細道階段近くまで,戻ると,往きで出合ったお堂になるが,どうやらそれこそが真念庵と理解するに至る.もっと大きなお堂と先入観があり,相当おっちょこちょいやったわけだ.

ということで,ここでお線香とろうそくを灯し,般若心経を読む.全く人の気配のない森の中で,ちょっと怖じ気付いたが一応終わりまで読んだ.

案内看板には納経所の位置も示されており,そこのお宅に伺い,ブザーを押すが,不在のようで反応がない.困って道に出て,チョロチョロしていると,お向かいのお宅庭に人が居られたので,尋ねて見る.すると,近くの集会所に居られるはずだから呼んできてあげましょう,と自転車でそこに行ってくださった.すみません,ありがとうございます.

そして納経所担当女性が戻り,納経帳の後ろのページに朱印と,墨書きではなく黒い印を押してくれた.お手数かけました.お向かいの呼びに行って下さった旦那さんには重ねてお礼申し上げます.


三原村

三原村に入ってきた

三原村に入ってきた

真念庵から若干高度を上げながら進むとやがて三原村の標識が見えてきた.車は少なく,静かでいい遍路道だ.


盛大なピラカンサス

盛大なピラカンサス

ピラカンサスが盛大に道に張り出している.迫力ですね.


野菊も

野菊も

道端には野菊も茂っている.かなり遅い時期だが,今が盛りに見える.


遍路道は右に折れる

遍路道は右に折れる

三叉路になり,道標で遍路道は右に折れ,そして13km先の第39番 延光寺に続いていることが示されている.今日は延光寺まで行かず,その手前で終わりとする.

なお前日痛めた左脚は今日も痛い.


宮ノ川トンネル

宮ノ川トンネル

1992年竣工,270mの宮ノ川トンネルになった.両側に歩道が設けてあり,結構だ.


トンネルの先は民宿がある

トンネルの先は民宿がある

宮ノ川トンネルを抜けると,古くからの農村があり,農家民宿と呼ばれる宿が2,3ある.うち一軒は16日目民宿なずなの女将さんに紹介してもらったどぶろくが飲めるという宿で,なかなか興味深いが,あいにくくもも(久百々)から近すぎて適さない.前宿泊地によってはいいのじゃなかろうか.


宿毛市平田町

宿毛市に入りダムサイト公園

宿毛市に入りダムサイト公園

三原村からこの辺りの遍路道県道21号線はやがて宿毛市(すくもし)に入ってきた.下を見下ろすと,植え込みや,今は枯れているが芝生,遊具などの整備された広い公園が見えてきた.近くに中筋川を堰き止めたダムがあり,それらと一体的に整備された公園のようだ.


梅ノ木トンネル

梅ノ木トンネル

公園上を過ぎると梅ノ木トンネルになった.1986年竣工,長さ215mだそうだ.ここも狭いが両側に歩道を備える.


中筋川ダム湖(蛍湖)

中筋川ダム湖(蛍湖)

梅ノ木トンネルの先には前述の中筋川を堰き止めたダム湖が見えた.深い青緑が美しい.ダム湖は蛍湖と名付けられているようだ.夏には蛍が舞うのでしょうか?


次は黒川トンネル

次は黒川トンネル

次は黒川トンネルになった.こちらも1986年竣工で,227mとのプレートが入り口に嵌め込まれている.歩道もあって,上の梅ノ木トンネルと似ている.


無人精米所

無人精米所

山から下り,平地に入ってきた.そして道路脇に無人精米所があった.コインランドリーと同じようなもので,玄米を持ち込んで,コインや紙幣オペレートの精米機で精米するのだと思う.ここ高知だけでなく,徳島でも何回か見掛けたが,やはり精米したての美味しいお米を食べたいというニーズが多いのであろう.


宿毛市平田町中心部に近づく

宿毛市平田町中心部に近づく

宿毛市平田町中心部に近づく,住宅が多くなった.車も増えてきた.

ここはちょっと海から離れているが,宿毛市は久百々とは足摺半島の反対側になり,浜辺ではだるま朝日ではなく,だるま夕日が名物だそうだ.


鶴の家旅館着

くろしお鉄道の通る宿毛市平田町

くろしお鉄道の通る宿毛市平田町

さて宿毛市平田町に入ってきた.市街地だが,落ち着いた(寂れた)田舎町の趣きの静かな町だ.

町の通りに沿って高架の鉄道が走っている.土佐くろしお鉄道中村宿毛線,以前窪川辺りで見掛けた路線の続きで,ここには平田駅があるようだ.


鶴の家旅館に到着

鶴の家旅館に到着

平田町を少し歩き,予約してあった鶴の家旅館に到着した.そして女将さんが部屋に案内し,お風呂やダイニングルームなどの設備を案内してくれる.

民宿と旅館,唯一の違いは布団を自分で敷くか,敷いてくれるかだが,ここは手廻し良く最初から敷いてくれていた.

また洗濯は女将さんがやってくれると言うので,お願いすることにした.そしてしばらくして出来上がりました,持ってきてくれたのだが,乾いておらず,濡れたままで,思わず,え~っと声を上げる.すると大丈夫です,部屋に架けておけば乾きます,と言われハンガーにかけた.そしてなるべくエアコン吹き出し口近くに置いた.そしてまた驚いたのだが,数時間したら乾いていた.乾燥機なくても意外と大丈夫なんですね~


夕食に行く

夕食に行く

時間になり下階のダイニングルームに行った.女将さんがお膳とビールを運んでくれる.あっ,やはりキリンだ,どうやらこの辺のデフォルトはキリンらしい.

そして大相撲の今日の結果がテレビで流れている.そろそろ6時というわけだ.あれっ,でも右の時計を見るとまだ20分前だな...多分合ってないな.


鶴の家旅館着の夕食

鶴の家旅館着の夕食

カツオ土佐造り,薄いビーフの炒め,鮎(多分)の塩焼き,湯豆腐,海藻の煮付けなどだ.美味しい.

歩いているとき川で鶴らしき大きな白い鳥を見掛けたが,女将さんに訊いてみた.確かにちょうど今時分この辺りには鶴が飛来してくるそうだ.鶴の家旅館の名もそれに因むようだが,多分以前からの創業で詳しくはないようだ.

さて今日はいい天気だったが,明日は雨のようだ.ちょっと大変かな~



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