D6:ギャルーへgo to Ghyaru

このD6:ギャルーへ編では,11月11日バラタンを出て,ドゥクレポカリ,アッパーピサンを経て,ギャルー到着までの写真と記事を掲載した.

バラタンを出発leave Bharatang (2,850m)

断崖の道

断崖の道

11月11日朝はバラタンで明けた.朝は陽が当たり気持ちがいい.朝食後いつものように7時半に出発した.

バラタンを出て森を抜けるとマルシャンディ川沿いの断崖の道に至る.殆ど垂直に切り立っており,さぞかし大変な工事であったと思われる.川側は怖いので山側に寄って歩いたが,怖いもの見たさにたまに川の方に行ってみた.しかし,やはり怖かった.


下は,バラタンとそこを出て暫くの眺め

バラタンを出てからの眺め
バラタンを出てからの眺め バラタンを出てからの眺め バラタンを出てからの眺め バラタンを出てからの眺め バラタンを出てからの眺め

ドゥクレポカリDhukare Pokhari (3,060m)

ドゥクレポカリに到着

ドゥクレポカリに到着

バラタンを出て1時間半くらい経ったであろうか,森を抜けた辺りでドゥクレポカリ(Dhukare Pokhari)の村に来た.新しくできた立派なロッジやパン屋さんが多いように見える.周りに障害物がなく陽当たりが良く,なかなか眺めもいいのが要因であろうか?


西にアンナプルナⅡ

西にアンナプルナⅡ

西側にはアンナプルナⅡが聳えている.この前見た山容とはかなり異なる.麓から見上げているため先の方が見えないためで,アンナプルナⅡ峰であることには間違いなさそうだ.


ドゥクレポカリ由来の池

ドゥクレポカリ由来の池

ドゥクレポカリの村を過ぎるとこの池があった.ドゥクレポカリのドゥクレ(Dhukare)=鳩,ポカリ(Pokhari)=池の意だそうで,村の名はこれに由来するそうだ.この時期は水が少ないが,夏の雨季には多くなり,大きな池になるそうだ.


マルシャンディに架かる木橋

マルシャンディに架かる木橋

池の先にマルシャンディをまたぐ木橋が架けられている.これを跨がないでマルシャンディ右岸の道を行けばピサンへ,越えて行けばアッパーピサンへと向かう.

その橋であるがなかなかよくできていると思う.橋は木製で,全体が凸型に湾曲し,橋の部材には圧縮応力と曲げ応力が適度に加わり,木材の性質をよく踏まえた構造だ.曲げモーメントが最大になる橋の袂に近くなるほど,板の枚数を増やし,応力が大きくなるのを防いでいる.貨車の板バネサスペンション同様の構造だ.まあ,素人の半可通コメントが....と思うが,ある意味感激したので.


下は,ドゥクレポカリの写真あれこれ

ドゥクレポカリの眺め
ドゥクレポカリの眺め ドゥクレポカリの眺め ドゥクレポカリの眺め ドゥクレポカリの眺め ドゥクレポカリの眺め
ドゥクレポカリの眺め ドゥクレポカリの眺め ドゥクレポカリの眺め ドゥクレポカリの眺め ドゥクレポカリの眺め

アッパーピサンUpper Pisang (3,200m)

マルシャンディ川向こうに渡り,少し登る

川向こうに渡り,少し登る

マルシャンディに架かる前述の橋を渡りアッパーピサンに向かう.この先暫くは,谷から完全に離れ,見晴らしのいい道を行く筈だ.

写真は家畜ゲートで,両側の孔に丸木を貫通し,通せんぼする.放牧した牛があらぬ方向に行くのを防ぐためであろう.


ラムジュンヒマール(Lamjung Himal:6,931m)

ラムジュンヒマール(Lamjung Himal:6,931m)

登り始めて少し行き,南を振り返ると山間から林の如く白い峰々がニョキニョキ立ち上がっている.アンナプルナⅡ峰の南東に位置するラムジュンヒマールだ.これだけ際立った特徴があれば判り易い.


アンナプルナⅡ峰と裾野

アンナプルナⅡ峰と裾野

さらに行くと,手前の山陰からアンナプルナⅡ峰が徐々に顔を覗かせ,やがて全容が見えるようになった.下部には氷河が流れ,さらに麓にはピサン(ロアーピサン)の集落が広がっている.いい眺めだ.やはりピサンルートではなく,こちらアッパーピサンルートを選んで良かったと思う.

アンナプルナⅡの右隣,なだらかに見える山はアンナプルナⅣ峰か?ここからだと結構低く見えるが,Ⅳ峰だとするとⅡ峰の奥に位置し,標高差も400mほどあるのでこんな感じになろう.でも正確にはやはり判らない.


アッパーピサンのゴンパ(寺)の囲い

ゴンパ(寺)の囲い

10時半頃アッパーピサンの村に到着した.石造りの家々はあたかも擬態の如く背景に溶け込んでいるように見える.村を歩いていると長い塀があり,タルチョーが張り巡らされている.境内に入ってみると,建築後それほど経ていないゴンパ(寺)があった.しかしひっそりとしており,常駐の住職は居ない様子だった.


チュル(Chulu:6,558m)

チュル(Chulu:6,558m)

マルシャンディの谷の遥か先にはチュル(Chulu:6,558m)が見えてきた.谷の右側(東側)にあるようだ.地図を見るとチュルは西,中央,東,極東と幾つかの峰からなるが,これは東かな?

なおアッパーピサンのすぐ北に,ほんの頭だけであるがピサンピーク(Pisang Peak:6,092m)も見えてきた.多分そのうち全体が見えるようになってくるだろう.


下は,アッパーピサンまでの写真

アッパーピサン近くの眺め
アッパーピサン近くの眺め アッパーピサン近くの眺め アッパーピサン近くの眺め アッパーピサン近くの眺め アッパーピサン近くの眺め アッパーピサン近くの眺め アッパーピサン近くの眺め
アッパーピサン近くの眺め アッパーピサン近くの眺め アッパーピサン近くの眺め アッパーピサン近くの眺め アッパーピサン近くの眺め アッパーピサン近くの眺め アッパーピサン近くの眺め

アッパーピサンで知り合った北インドからのトレッカー

アッパーピサンの茶屋でランチを食べたとき同室し,知り合った北インドのGさんご夫妻.この山域は旦那さんは2回目,奥さんは5回目だそうだ.チベット亡命政府のあるインド/ダライサラムにも近いラダックの辺りで旅行社を営んでいる,つまり社長だそうだ.そんな仕事に就いていながら,ネパールは素晴らしい!と連発する.カナジーももちろんその通りだと思う.

今日はここに泊まるのでこれまでに溜まった洗濯物を洗うのに忙しい奥さんのお話も興味深い.手洗いで大変でしょう?と問えば,普段からそうだから大丈夫,それにここは空気が乾燥し風もあるので直ぐ乾き助かるわ,と.ハンブルグ育ちで,若い頃ネパールに来て12年過ごし,インドに渡り15年経ったそうだ.ではソーセージが恋しいでしょうね?と訊いてみたら,仏教徒でベジタリアンだから,肉類は食べないのよ,と言われる.私も一応仏教徒ですが肉も,魚も,酒も....と半ばいい訳を述べると,いや~,仏教徒も地域によって,肉を含めて最適な食物を摂りますよ,例えばチベットでは野菜がないのでヤクの肉とか....と,傍らから旦那さんが助け舟を出してくれる.カナジーの場合,野菜も,穀類も...すべて入手可能なところに住んでいるが....

ハンブルグの両親はカトリックのクリスチャンであるが,子供には「宗教は自分で選ぶべきもの」と自由にさせてくれたそうだ.(一般に,独では幼児くらいに洗礼を受けさせるのが普通だそうだ)そこで,長じてからネパールに渡り,やがて仏教徒になったという.なかなか感銘深い話で,永く記憶に留まりそうだ.

北インドからのトレッカー北インドからのトレッカー

経営する旅行社,と言ってもカトマンドゥやポカラに無数に存在する小さな店のような感じで,インドでは例えばよくラダック/ザンスカールのトレッキングなどを手配するそうだ.3週間くらいのテント泊で,長年協業しているガイド,馬方や日本食は無理だが,焼きそばなど中華風料理も可能なコックを手配し,送り出してくれるそうだ.なお7月~9月がベストシーズンだそうだ.興味があるが,一人で3週間はちょっと寂しい....かも.でも行ってみたいな~いい人たちだし.


アッパーピサン出口のカンニ

アッパーピサン出口のカンニ

食事の後,Gさんご夫妻にお暇し,アッパーピサンを離れた.村の出口には住宅と同じように石を積み上げたカンニ(仏塔門)が据えてあった.きっと古くからここにあって,村を守ってきたのであろう.


アッパーピサンを振り返る

アッパーピサンを振り返る

さらに進み,振り返るとラムジュンヒマールを背景にし,斜面に貼り付くアッパーピサンの様子がよく窺えた.著しくたくさんの五色のタルチョーがはためいている.やはりこの村は特に信心深いのだな~と改めて思う.

ギャルーに着くget to Ghyaru (3,670m)

池が見えてきた

池が見えてきた

ギャルーに向かい進むと,マルシャンディ川のこちら側に池が見えてきた.う~ん,何ていう名だったか......?エメラルドグリーンのような色でなかなかきれいだ.


メンダン

メンダン?

このトレイルでは,住民にも,トレッカーにも殆ど人に会うことがない.それでも途中,道の中央に沿うこのように長く大きな仏塔,メンダンの一種か?に出合った.中には仏画が収められ,上にはマニ石が載せられている.クーンブやランタンでは,マニ石だけを長く積み上げたメンダンにはしばしばお目にかかるが,このように複雑な構造のメンダンは見られないと思う.

なお背後はアンナプルナⅡ峰.


アンナプルナⅢ峰が見えてきた

アンナプルナⅢ峰が見えてきた

さらに歩くとマルシャンディ川が遥か下に見える場所に至る.そして対岸にはアンナプルナⅢ峰,さらにその北にガンガプルナやティリチョピークが見えてきた.


アンナプルナⅢ(7,555m)

これがアンナプルナⅢ(7,555m)

アンナプルナⅢ(Annapurna Ⅲ:7,555m)は同山系で3番目の高さ.ここから眺めると尾根は白煙を上げ,ナイフのように切り立っている.


ギャルーに到着

ギャルーに到着

上述のメンダンを過ぎた辺りでマルシャンディに注ぐ川を越える.越えたところからギャルー(Ghyaru)までは急坂で,ハアハアしながら登った.やがて標高3,670mのギャルーに到着し,Yaku Ru Mount View Hotelというロッジに泊まることになった.

ギャルーは素晴らしい眺めの村だ.東からラムジュンヒマール,アンナプルナⅡ峰,同Ⅲ峰,ガンガプルナ,ティリチョピークが見渡せる.


ギャルーの夕日

夕日

ただ惜しむらくは太陽が山脈の背面にあって,概ねいつも逆光であることだ.そのため夕日を浴びる山を見ることができない.写真はアンナプルナⅡ峰のほんの一部が赤くなったのを捉えたもので,まあせいぜいこの程度だ.

陽が落ちるとギャルーの宵は急激に冷えてくる.Yaku Ru Mount View Hotelには珍しく吹き抜けの居間(?)があって,そこの薪ストーブに火が入れられた.周りには既に仏独カップルとカップルの男性側の仏女性友達2人,合計4人が取り囲んでいた.そこに入れてもらい,一通り挨拶を交わすと,「日本ではバカみたいに働いて,さっぱり休みが無いそうじゃないか?」とかのたまう.「まあ,仏独は世界一労働条件がいいと聞くので,それに比べれば...」と一応持ち上げてみたら,「仏では毎年3ヶ月の休暇がある」と仏青年は言った.確かに,大きな差がありそうだ.

分が悪そうなので「明日はモルゲンロート(カナジーありったけの独語)が見れるかね~」と話題を変えて見たら,たった一人の独女性が,「そうね,見れるといいけど」と応えてくれた.で,興味深いことに,旦那の仏青年が,「モルゲンロートって何」と英語で訊き,「サンライズよ」と答えている.4人組で中の夫婦の会話は英語,夫と女友達2人の会話は仏語,独語はこの中では交わされないようだ.ふ~ん,まあつまらない覗き見趣味はこれくらいにして,もうお休みしようっと,グッナイ皆さん!


下は,ギャルーでの写真いろいろ

ギャルーでの眺め
ギャルーでの眺め ギャルーでの眺め ギャルーでの眺め ギャルーでの眺め ギャルーでの眺め ギャルーでの眺め ギャルーでの眺め
ギャルーでの眺め ギャルーでの眺め ギャルーでの眺め ギャルーでの眺め ギャルーでの眺め ギャルーでの眺め ギャルーでの眺め


Cannergy'sホームへ