このD19:チョムロンへ編では11月24日,タダパニを出て,シプロン,グルジュン経由で,チョムロンに至るまでの写真と記事を掲載した.
タダパニのロッジで目覚め,外を覗くと昨夕と同じように濃い霧の中だった.ひょっとしたらマチャプチャレが見えるかも,と淡い期待もあったがやはりだめだったか.
まあでも降ってはいないことだし,トレイルでは埃が立たずいいこともあろう.食事を済ませ,7時半にタダパニのロッジを後にした.
タダパニを出て暫くは石楠花林をくぐり抜け高度を下げる.林を抜けると先方には深く大きな谷が見えた.モディコーラ(Modi Khola)の谷のようで,晴れていればその上にアンナプルナサウスが見えるのであろう.
林を抜けた後もどんどん下る.やがてシプロン(Siprong)の村に着き,ここで朝のお茶を啜る.茶屋向こうの谷の対岸には大規模な地滑りの跡が生々しい.数年前発生し,畑や家屋のみならず,人的被害もあったそうである.
お茶の後もさらに下った.下った先に写真の流れ,キムロンコーラ(Kimrong Khola)があって,その吊り橋を渡る.キムロンコーラは明日通る予定のジヌー辺りでモディコーラに注ぐようである.
下は,シプロン先,キムロンコーラまでの写真
キムロンコーラの吊り橋まで下ったが,渡り終えると一転して急な登りが待ち受けていた.トレイルの周囲には段々畑が広がり,農家が点在している.どんどん登るとグルジュン(Ghurjung)の村に至った.
家々には五色のタルチョーが掲げられ,この辺りもまた仏教徒が多いようだ.
下は,グルジュン辺りまでの写真
グルジュンを越えて行くと,比較的新しそうな巻き道を歩くようになる.そこを過ぎ,振り返るとシプロン対岸の地滑りより更に大規模な地滑りの跡が望まれた.崩れた幅も,落差も,傾斜もきわめて大きく,驚くばかりだ.高巻き道は,そこにあった道の代替として,細い家畜道を整備して作られたようである.
やがてチョムロン(Chomrong)に到着した.村の入り口近くの茶屋に腰を下ろし,オニオンスープにミックスモモのランチを注文した.キッチンで調理の一部始終を見せてもらったが.....見ない方が良かったかな~
食べていると,レダーで会ったイランの人たちが上から降りてきて,互いに再会を驚き,挨拶を交わす.これまでの経過を話し合うと,まあ互いに似たり寄ったりだ.6人のグループであったが,3人は予定通りアンナプルナBCに向かったそうだ.だが,この3人はここより少し上までいったものの天気が悪く,展望が期待できない,と考え,BC行きを中止,ここチョムロンよりちょっと下のジヌーの温泉に行くという.温泉楽しめるといいですね~と言ってお別れした.
チョムロンの村はかなり大きい.入り口の茶屋を出て石畳の道をなおも進むと,奥の小高く見晴らしの良さそうなところにエクセレントビュートップロッジ(Excellent View Top Lodge)があった.村はさらに先まで続いているが,先は谷間になっている.この日は生憎山が見えないが,晴れれば名前に恥じない展望が期待できそうなこのロッジに泊まることにした.
夕刻,ダイニングルームに行く.広いがストーブがないので寒い.でもそのうちにテーブルの下に入れる炬燵火鉢を持って来てくれたので助かる.メニューを眺めると「ステーキ」が載っている.でも肉の種類は記されていない.他国では当然デフォルトはビーフであるが,ヒンドゥーが国教のネパールでそれはあり得ない.では,マナンのように超タフなヤクか?ヤクとは書いてないから味がイマイチなバフ(水牛肉)か?どちらであって問題なしとはいかないな.....
で,結局「ステーキ」は止めて,オニオンスープに酢チキン(Chicken sweet & souwer),紅茶にした.これはアタリで,とても美味しかった.
ところで,ここのメニューにはハングルが併記された韓国料理のページが付してあった.どこのロッジでも普通メニューは英語だけで,自国のネパール語や,客が多いと思われる独語,ましてや日本語,中国語,仏語....などは一切載っていない.日の出の勢い,コリアントレッカー/クライマーだけは上得意様,特別なのかも知れない.
下は,チョムロンまでの写真
結局この日は丸一日雲が途切れることがなかった.白い峰は全く見えず,イマイチな日ではあったが,雨も雪も降らなかったのでまあ良しとしよう.でも明日は期待しよう.