このD18:タダパニへ編では11月23日,ゴラパニを発ち,グルンヒル,デオラリ,バンターティと経て,タダパニに至るまでの写真と記事を掲載した.
ゴラパニのロッジで2回目の朝を迎えた.西の空ではダウラギリより早くグルジャピーク(Gurja peak:7,93m)に陽が当たる.どうしてだろう?手前に在るのかな?いずれにしてもなかなかきれいだ.
いつものように7朝時半,ゴラパニを出発した.直ぐに石楠花の森に入り,登り道となる.そして暫く行くと見通しの良い高台に至る.この日の朝は雲一つない晴天で,登って来た方向には上述のグルジャピークから,ダウラギリ,ダウラギリアイスフォール,トゥクチェピークまでクリアに見えていた.
また,北にはニルギリ,アンナプルナⅠとサウスが,ゴラパニで見るのと僅かに形を変えて見えていた.
下は,ゴラパニを出て,最初の森を抜け広場までの写真
広場から再び林となり,また登った.すると先の山陰から次第にマチャプチャレが姿を現してきた.この方向から見ると,頂上は鋭いエッジの稜線のように見える.ふ~む!
程なくグルンヒル(Gurung Hil)の茶屋に到着した.昨日訪れたプーンヒル(Poon hill)の展望台が向こうに見える.プーンヒルも見晴らしが良いが,ここも劣らず展望がいい所だ.
ここで周囲を眺めていると,ゴラパニ方向から続々と登ってきた.やはり7時半から8時くらいに出掛ける人が多いのであろう.
下は,グルンヒルまでの写真
グルンヒルを過ぎると再び深い森となる.やはり石楠花の木が多い.春には山が赤くなると言われるが,間違いなさそうだ.木立の間から時々白い峰を望む.このダウラギリも間もなく見えなくなろうが,別れを惜しむように現れてくれた.
暫く行くとデオラリ(Deurali)に到着した.茶屋が数軒あり,その中の一軒でミルクティーとした.
デオラリとは峠のことだったと思うが,この場所は周囲が林で,見通しが利かない.で,峠かどうか,とんと見当が付かない.....
茶屋のおかみさんが日向で,白いぶつぶつ状のものを台の上に広げていた.ガイドGさんに「何?」と訊いたらヤクチーズを作った時にできる副産物,残りかすだそうである.それをこうして天日に晒すことで食品として再利用できるのだそうだ.まあ,豆腐製造時のおから,清酒製造時の酒粕....その類であろう.
下は,デオラリまでの写真
デオラリからは谷筋のトレイルを下る.殆ど周囲は見えない.林と谷川と小さな滝と.....を眺めながら歩く.この辺りでは所々プリムラが咲いていた.
歩いているトレッカーは意外と多い.デオラリ辺りで出会った独のこの大パーティとは,時々抜いたり,抜かれたり.このときは,メンバー幾人かが居なくなった,ということで,待っているところだ.
やがてバンターティ(Banthanti)に到着し,一軒の茶屋でオニオンスープと野菜春巻きの昼食を食べた.味はまあこんなものかな,といったところか.
食べていると,隣のテーブルに韓国の若いカップルが座り,お茶を飲んでいた.コリアンと聞くと,一般に元気よく話すもの,と勝手に思っていたが,この二人はとても物静かだった.先入観は良くないね.
下は,バンターティまでの写真
食事の前後から,天気がかなり悪くなってきた.バンターティを出ると,谷に向かってなおも下りが続く.途中霧が深く,空模様がかなり怪しくなる.降らなければいいがな~
上の写真が下り切った谷底のチョータラ(荷物台場)だ.そこからは難儀な登りが始まる.ただ登りはしっかりした石の階段を備えた場所が多く,足場は悪くない.
急坂を登り切ると,今日の目的地タダパニ(Tadapani)があった.タダパニはマチャプチャレを正面に望む景勝地の筈であるが,深い霧に覆われ,一寸(約3cm)先も見えない.朝は雲一つない好天だったのに.....でも,雨や雪が降らずに良かったと思う.
タダパニではロッジの数は多くない.最初訪ねたところは満室で,2軒目に訪れたスーパービュートップホテル(Super View Top Hotel)に泊まることになった.ダイニングルームにストーブは無く,テーブルの下に火鉢を入れる,言わば炬燵式暖房だった.
その炬燵で温まっていると,10人程度の大きなグループが入ってきた.ドイツに近い北仏の町の人たちだそうで,若い人は30代,年配者は60代くらいに見える.この日は,筆者と同様ゴラパニを出て,明日チョムロンだそうだ.ポカラ発着アンナプルナBC往復7日間のプランだそうで,フランス人にしては忙しそうな日程だ.ギャルーのロッジで,仏青年に「私たちは年3ヶ月の休暇が....云々」と聞かされただけになおさらだ.でもこう言ったら皮肉になるね.
下は,タダパニまでの写真