D21:ダンプスへgo to Dhampus

このD21:ダンプスへ編では11月23日,トルカを出て,ビチュクデオラリ,ポタナを経て,ダンプス到着までの写真と記事を掲載した.

トルカを離れるleave Tolka (1,700m)

トルカの朝

トルカの朝

RAMロッジの朝を迎えた.6時過ぎ展望小屋の辺りに立つと,北の空は雲が少ない.暫く光の変化を感じながら眺め続けているとやがてアンナプルナサウスと,ヒウンチュリが赤く輝いた.何度見てもいい光景だ.

赤い時間は瞬く間に終わり,白に変わる.で,母屋軒下のテーブルに戻り,朝食を注文する.ここでは米メーンの女性と同席し,待つ間雑談を交わす.
「昨夜は良く眠れましたか?」「え~まあ,いや実を言うと,ここ数ヶ月で最悪だったんだけど...環境が著しく変わったからかしら」
「ちょっと残念でしたね.で,何を頼みました?」「チャパティよ」
「ハンバーガー恋しくありませんか?でもここのはマックやバーガーキングとは全然違うので予めその覚悟で.....」「最近またお肉食べ始めたけど,7年間ベジタリアンやってたから,割と平気よ.健康第一,何しろ一回医者に診てもらうと400ドルくらい掛かるから,アメリカは大変よ」
「予備選でも最大の争点の一つでしたね」「そうよ,新しい大統領がどうにかしてくれるかしら?」
「でも,テレビでサブプライムローンで競売に付される住宅なんか見ていると随分立派じゃないですか?私なんて何十年も働いて,家一軒買うことも叶わなかった.アメリカ人は金持ちですよ」「銀行が,返済不能に陥ると予め判っていながら金を貸し付けるのよね.私は母から『いつ何時仕事を失うか知れないし,クレジットカードでは口座残高以上の買い物をしないことよ』と常々言われているの」


「旅行社のお仕事って言われてましたが?」「そうなの,日本のスノーピーク社なども少し関係しているの.今度グランドキャニオン24日間川下り,そうコロラド川の,に行くのよ.10年も待っているお客様がいるくらい参加できるチャンスが少ないのに,大変なラッキーよ!」
と,まあ,朝の何気ない,しかしとってもたどたどしい会話を流暢な日本語に置き換えて綴ってみた.そのうち注文の玉子とチャパティが出来てきて,ハチミツを付けて食べてみる.味はまあまあこんなものかな.


トルカを出る

トルカを出る

朝食を済ませ,ビチュクデオラリ(Bhichuk Deorali)に向けて発った.ロッジの先のまだ陽の射さない森を抜けて,意外にもまだトルカの農家が点在していた.さすがこの辺りまで来ると,一つの行政エリアは広く,住居も広く分散しているようだ.


下は,トルカでの眺め

トルカ辺りの眺め
トルカ辺りの眺め トルカ辺りの眺め トルカ辺りの眺め トルカ辺りの眺め トルカ辺りの眺め トルカ辺りの眺め

ビチュクデオラリBhichuk Deorali (2,100m)

ビチュクデオラリに到着

ビチュクデオラリに到着

トルカからビチュクデオラリ(Bhichuk Deorali)まではかなり急な登りだった.改めて地図で標高差を確かめると400mもあるではないか,それは難儀な筈だと納得する.

ビチュクデオラリの茶屋で背後を眺めると,アンナプルナサウスとヒウンチュリがきれいに見えていた.いい光景だ.西の方にはダウラギリが僅かに頭を覗かせるときがあるが,言われなければ判別できない程度だ.


ビチュクデオラリの丘で望むマチャプチャレ

ビチュクデオラリの丘で東を望む

ビチュクデオラリの茶屋の先は少し丘になっている.ここに登ると東側の展望が開け,アンナプルナⅢやマチャプチャレが展望できる.

またここに至ると,マチャプチャレの尾の部分が狭くなり,それなりに西に廻ったな~と思う.


下は,ビチュクデオラリ辺りまでの写真

ビチュクデオラリ辺りの眺め
ビチュクデオラリ辺りの眺め ビチュクデオラリ辺りの眺め ビチュクデオラリ辺りの眺め ビチュクデオラリ辺りの眺め ビチュクデオラリ辺りの眺め
ビチュクデオラリ辺りの眺め ビチュクデオラリ辺りの眺め ビチュクデオラリ辺りの眺め ビチュクデオラリ辺りの眺め ビチュクデオラリ辺りの眺め

ポタナPothana (1,900m)

ポタナの手前

ポタナの手前

ビチュクデオラリを越えると間もなく下りに差し掛かる.幅広くいい道になり,山から里に下りてきた感じになる,さてそのいい道を歩き北東に目を向けるとこんな風に見える.

左(西)から圧倒的な塊アンナプルナサウス,雲の掛かったヒウンチュリ,鋭く天を刺すマチャプチャレ,ちょっととんがったアンナプルナⅢ,黒っぽい三角形アンナプルナⅡ,この絵では外れたラムジュンヒマール,と望むことができた(リンクはこの先で撮ったショットを含む).

ポタナ(Pothana)には5年前に訪れたことがあったが,今回はその時より雲が少なく展望が良かった.


霊峰マチャプチャレ

霊峰マチャプチャレ

ネパールの人々にとってマチャプチャレだけは別扱いだ.別扱いの霊峰としてクーンブ地方にクーンビラというのも存在する.素人的には,一見何の変哲も無さそうに見えるクーンビラの方が霊峰として崇められるに至った経緯や理由を推察するのが難しいように見える.片や,こちらマチャプチャレは見ただけで畏敬の念を抱きそうな形で聳えている.果たしてそのような単純な理由ではないであろうが.....

マチャプチャレの標高は6,992m,ネパール政府は何人にも登山許可を出さないそうであるが,そうした山はあってしかるべきであろう.わが富士山も霊峰であったが,夏の登山道は渋滞するほどの人込みだ.まあ,これはこれで誰でも登れるのでありがたいことであるが,そうでないのも残した方がいいだろう,と感覚的に思う.だって,どんどん消え去るものばかりなのだから.....


ポタナでマニ車を廻し,経を唱える人

マニ車

ポタラの村にもまた(とつい言ってしまう)チェックポストがあった.ここで係官が台帳に書き込んでいる間,隣を眺めると一所懸命マニ車を廻し,経を唱える人が居た.

さて,そろそろトレッキングも終盤であるが,ベシサハールを出てここまで,アンナプルナ一周エリアは住まう民族に拘わらず,総じてチベット仏教徒が多いようだ.もちろんヒンドゥーもキリスト教徒もいた.山の生活は仏教に馴染むのであろうか?


下は,ポタナの写真あれこれ

ポタナ辺りの眺め
ポタナ辺りの眺め ポタナ辺りの眺め ポタナ辺りの眺め ポタナ辺りの眺め ポタナ辺りの眺め ポタナ辺りの眺め
ポタナ辺りの眺め ポタナ辺りの眺め ポタナ辺りの眺め ポタナ辺りの眺め ポタナ辺りの眺め ポタナ辺りの眺め

ダンプスに来るget to Dhampus (1,650m)

ダンプスが近くなる

ダンプスが近くなる

陽光漏れる林を行くと,すり鉢状ダンプス(Dhampus)の丘陵斜面が見えてきた.段々畑に点々と農家が居を構えている.そのダンプスから上の畑に向かうのか,額にドコを支えた若い女性が上ってきた.ネパールでは老若男女,荷物はこのようにして運ぶ.


ダンプスで宿泊したロッジの家族

宿泊したロッジの家族

ダンプスではニューエクセレントビューゲストハウス(New Excellent View Guest House)という長い名のロッジに泊まった.

ダンプスに着いた頃は雲が多くなり,山は流れる雲の間から断片的にチラリホラリという状況になった.それでも,頭の中で,それらの断片をジグソーパズル的に組み合わせて全体を再現しようとする.我ながら健気なものだ.(←普通,暇つぶしと言う)

ロッジオーナーは共に31歳のご夫妻で,それまで稲作などで資金を蓄え,2年前銀行から借金して建てたそうだ.やり手ですな~でも,このご夫妻はとても心優しく,また親切だ.

ご夫妻には保育園に通う5歳の男の子と,写真の1歳の女の子がいる.抱いているのは近所に住む52歳の若いお祖父さん.祖父さんは,去年ご主人を亡くし,機織で細々と生計を立てているお隣の61歳の未亡人の織った布を並べたごくささやかな店を営んでいた.


下は,ダンプスの写真あれこれ

ダンプス辺りの眺め
ダンプス辺りの眺め ダンプス辺りの眺め ダンプス辺りの眺め ダンプス辺りの眺め ダンプス辺りの眺め ダンプス辺りの眺め
ダンプス辺りの眺め ダンプス辺りの眺め ダンプス辺りの眺め ダンプス辺りの眺め ダンプス辺りの眺め ダンプス辺りの眺め

ロッジの屋上に上がり,奥さんと話していると,東の一軒置いて先を指差し,あの赤い屋根は日本人の経営するロッジですよ,予約を取っておかないと泊まれないそうですけど,と教えてくれた.

直ぐそこなので,さてどんなところかと訪ねてみた.『月の家』と日本語の表札が掛かり,庭先に男女の職員がいて案内してくれた.二人はカゼトラベル(風の旅行社)カトマンドゥ支店の社員で,出張で今日来て一泊し,明日戻るという.この日客はなかったが,日本で予約した客のみ宿泊させるのだという.すると,同旅行社との関係は,契約旅館より強く,社員保養所よりは若干緩い,お客様用直営ロッジ,まあそんな感じか.

また太陽熱湯沸かし器につなげられた大きな五右衛門風呂も見せてくれた.話しでよく聞くが,現物を見たのは日本を含めても最初かな?釜茹での刑に処せられるシーンを思い浮かべ,いや体験しながら浸るのも悪くなさそうだ.

カゼトラベルはまた,ここから数十km離れた場所にもう一軒ロッジを保有しており,そちらではヤギや牛の飼育を行い,そのミルクなどを客に供しているそうだ.で,カゼトラベルって,何人くらい働いてるのですか?と訊いたら,「40人くらいかな~」と.随分多いので,派遣ガイドやポーターを含めての話しかも知れない.



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