巡礼18日目:マンシージャへday 18:Mansilla
この巡礼18日目:マンシージャ編では,2019年5月29日ベルシアノスの朝,アルベルゲで朝食後出発し,エルブルゴラネーロ,レリエゴスを経て,マンシージャに到着し,同街を見て回ったときの写真を載せました.
マンシージャ付近のGoogleマップmap around Mansilla
濃い赤線がこの日歩いたトラック.歩行距離26.52km,歩行時間5h38min.
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ベルシアノス・デル・レアル・カミーノの朝Bercianos del Real Camino

ベルシアノスの朝
ベルシアノス・デル・レアル・カミーノの朝になった.アルベルゲ2階のベッドルームから,写真の幾らかきしむ階段で一階のダイニングルームに降り,パンとクラッカーにバターや,ジャムを塗って頂戴した.
さて出発だ.

巡礼道を西に行く
ベルシアノスのアルベルゲは,曲がっているのだが巡礼路上に位置しており,道標通りに行くと,程なく車道に並走するようになる.土の路面は歩き易く,プラタナスの並木も心地よい.
エル・ブルゴ・ラネーロEl Burgo Ranero

車道はトラクタも行く
この辺りは全て農業地帯であるので車道はトラクタも走る.移動中は負荷が無いのでかなりのスピードで走行できる.もちろん振動はそれなりに有ろうが,舗装道路なので大きくはなさそうだ.

エル・ブルゴ・ラネーロの村に入る
そのうちエル・ブルゴ・ラネーロの村に入ってきた.通りは広く,路面は普通の舗装だ.またレンガ造りの住宅が多いようだ.比較的新しい村なのであろうか.人口は733人だそうで,かなり大きな村だ.
そして中程にトンガリ屋根の鐘楼を持ち,道路と長いスパン接触している教会が建っていた.エル・ブルゴ・ラネーロのサンペドロ教会(Church of San Pedro in El Burgo Ranero)と呼ばれるようだ.16世紀に建てられ,少なくとも現在の姿はレンガ造りだ.ただ残念ながらドアは閉ざされ,覗くことはできなかった.

大型移動スプリンクラーの片端
大型移動スプリンクラーが,畑の縁,巡礼路の縁で散水待機中だった.これは片端で,給水ホースに繋げられている.側で見ているとかなり大きく,迫力がある.
この辺りでKtさんと,初めてお会いする町田のMnさんと一緒になった.Ktさんには以前もスプリンクラーで一緒になったのでこれには何かと縁がありそうだ.
Mnさんは,私の住んでいる辺りも飲み歩いたものだが,今はマラソンや登山の日々だという.見るからにスポーツマンの立派な体躯だ.

スプリンクラーは続く
スプリンクラーは続いた.両端支持梁を畑の幅いっぱいに,7,8スパンあろうか,連結されている.いや~桁が違いますね.大型回転タイプスプリンクラーは中東方面でよく見かけるが,ここの移動タイプは初めて見た.回転タイプと違って,散水残しエリアを生じない.ただし回転タイプより構造が複雑で,移動運転に高い精度が求められよう.

小川が流れ林がある
小川があった.小川があるとその脇に林があることが多い.ただここは自然に発生した雑木林ではなく,きちんと植林された林のようだ.
ちょっと一休みし,Ktさんにさくらんぼを頂いた.大変美味しかった,ごちそうさま.そしてこの後,スーパーとかで買い物する度にさくらんぼを仕入れた.kg単価で幾種類か販売されていることが多いが,さくらんぼに関しては単価違いがそのまま美味しさに比例しているように思えた.

日干しレンガ遺跡のようだ
日干しレンガ構造物が壊れた跡のように見える.あたかも中央アジアとか新疆ウイグルの遺跡のように見える.はて何だろうと思うが手がかりは無いな~

麦以外の野菜畑
ここはじゃがいもでしょうか,とにかく麦ではない野菜の畑だ.結構広いですね.

巡礼路は続く
変わりなく車道に並行し,巡礼路は続いた.そしてそこには轍が刻まれている.この辺りはトラクタの通行がときどきあるのかも知れない.
レリエゴスReliegos

スペイン国鉄renfe列車が行く
全く落書きがなく,白い列車がきれいだ.機関車牽引方式のためか,先頭機関車に比べて後続客車長さが短いように見える.

タンデム建築
前日モラティノス村で見た洞窟貯蔵庫と同じような建物であろう.やはりワインセラーなどとして使われているようだ.ただしこちらは自然の丘を掘った洞窟は長さが足りないためか,手前は丘を延長するか如くかまぼこ形建物を繋げている.これで道路に接することができるので,トラクタやトラックが横付けでき,物流面で役立つのであろう.
レリエゴスは大陸性地中海気候に分類され,寒い冬と暑く乾燥した夏の年間差は約15℃だが,毎日の昼と夜の差は20℃を超えることもあり,大きそうだ.そこで先ずは住居用にこうした建物が建設されたのではなかろうか.

レリエゴス現代の街並み
レリエゴスの現在の姿は,舗装通りの両側に普通の住宅が並ぶ形式で,ごく一般的な形態だ.人口は227人だそうで中規模であろうか.

モダンな造りの農家
広いバルコニーに外階段など,他ではあまり見かけないデザインだ.トラクタが庭にあるので農家と断定した.ゼラニウムの鉢もさりげなく自然な感じだ.
マンシージャ・デ・ラス・ムラスMansilla de las Mulas

マンシージャの街に入る
マンシージャの街に入ってきた.広い道路に,多くの建物が並ぶ.今朝出たアルベルゲのイタリアンオスピタレラ女性の言われたように大きな街に見える.きっと電気屋さんはあると思えた.
そしてGoogleマップを開き,予約してもらったアルベルゲ(Albergue de Gaia)を目指す.

アルベルゲにチェックイン
アルベルゲ(Albergue de Gaia)は直ぐ見つかった.こうしたポイントが分かっているときのGoogleマップは最強だ.アルベルゲの入り口ドアを開けると直ぐ脇が一応レセプションで,奥さんにパスポートとクレデンシャルを提示し,レジストレーションしてもらった.そしてベッドルームや,ユーティリティ,庭の案内を聞き,シーツをもらい,ベッドルームに入る.
コンパクトなアルベルゲで,部屋数は2,3と多くないようだ.

キチネットにダイニングテーブル,ランドリー
これらはいずれもコンパクトに纏められている.清潔そうだ.
この街に宿泊する目的がUSB充電ケーブルを買うことだったため,ご主人に電気屋さんの在り処を訊いてみた.すると,な,何とそうしたものを売っているお店は一軒もない,と言う.ガーン!!でも任してくれ,10分くらいで探してくるから,と壊れたケーブルと同型ケーブル(Cではなく古い型)を持って,探しに行った.そして同じ型で,しかも色や長さもほぼ同じものを持ってきてくれた.充電可能かどうか繋いで見ると,見事充電が始まった.助かった,ありがとうございました.
お代を払いますから,と言うと,いいからいいからと無料にしてくれた.客の中には忘れて置き残していく人がいるのでしょう(私も他所では忘れたことあり).なお当初スペアを持っていたのだが,パンプローナで返送した荷に含めていたのだ.いくらでもない重さながら,少しでも減らしたい一心で,だった.

マンシージャの街を歩いてみる
USBケーブルを頂いたので,最大課題は解決した.ここはもうビールでも飲みに行くか,とマンシージャの街を歩いてみる.
特段変わったものはないようだ,というかあまり気を払ってない.黄色いポストはスペイン郵便の標準であるようだが,入り口のサイズはかなり狭く限定されているように見える.大きなものは定形外として郵便局に持っていくのであろう.

マンシージャの城壁
マンシージャの街を歩くと結構あちこち城壁の一部が残されている.この写真は両側に壁があるので城門だったようだ.またところによってはそのまま建物一部壁として取り込まれている場所もあった.
12世紀,ここマンシージャは明日訪れるレオン王国の領地だったそうで,当時のフェルナンド2世が城を築いたようだ.城壁の大きいところは高さ14m,厚さ3mとかなり巨大なものだったようだ.

広場とバーや教会
広場があり,周りにバーやカフェ,少し離れて教会があった.教会の鐘楼は高く聳えているが,屋根に平らな部分がなくどこも急勾配なためであろうか,コウノトリの巣がない.
この教会はサンタマリア教区教会(Parish church of Santa Maria)と呼ばれ,18世紀バロック様式建築のようだが,ドアは閉ざされていた.ただしそのはるか昔1,220年にはその礎は築かれており,当時周辺で唯一の教会だったようだ.

広場に面したバー
広場に面したバーが開店していたので入る.先ずビールと,欠けてしまった左下の肉じゃがのようなものを食べる.なかなかいける味だった.

皿が特徴
こちらは皿が特徴だ.そして食べ物は魚か肉の練り物をフライにしたものだったかな.....
いずれにしてもこのお店で食べたものは皆美味しかった.
後で知ったのだがこの地方には,1,948年12月28日8.9kgの隕石が落下し,深さは35cmのクレーターが形成されたそうで,隕石自体はマドリード博物館に収蔵されたそうだ.そしてこの黒いお皿が形や色からするとその縮小レプリカではないかと思われる.なかなか気の利いた演出ですね.

午後4時,30℃
午後4時ころアルベルゲに戻る時,道路の温度表示板が30℃を示していた.多分この時間帯は当地で一番気温が上がる頃ではなかろうか.
ただ湿度が高くないようで,さほど堪える感じではない.

アルベルゲの庭に出てみる
街から戻りアルベルゲの庭に出てみた.陽が傾いてきたので隣家の影になって来つつあるようだ.
夕方になり今度は直ぐ隣のバーに行く
夕方(自分的には夜)になり,今度はアルベルゲ直ぐ隣のバーに行く.すぐ隣りだが,経営的には無関係と思われる.
ここでは既にカウンタに並んでいるものを2,3食べてみた.残念ながら昼過ぎのお店と違って,ここはイマイチの味だった.ただしビールは普通に美味しかった(当たり前か)

ガラシアの聖母マリア礼拝堂
バーを出て,アルベルゲの少し先に教会があった.赤と白のデザインが強烈だ.Ermita Virgen de Graciaというようだ.ガラシアの聖母マリア礼拝堂とかに相当するのであろうか....一応そうだとしておこう.
この時間になるとドアを開けてくれるようで覗かせてもらう.

ガラシアの聖母マリア礼拝堂内部
強烈なデザインの外観と異なり,礼拝堂内部は聖母マリア像だけのとてもシンプルでスッキリしたものだ.
本教会は上述のサンタマリア教会とほぼ同時期,おそらく14世紀後期に建てられたと見られるようだ.意外と長い歴史があるのですね.