巡礼29日目:パラスデレイへday 29:Palas de Rei
この巡礼29日目:パラスデレイ編では,2019年6月9日ポルトマリンのアルベルゲを出発し,ゴンサール,オスピタル,リゴンデ,レステドを経由し,パラスデレイのアルベルゲ(Albergue de peregrinos Os Chacotes)に落ち着くまでの写真を載せました.
パラスデレイ付近のGoogleマップmap around PalasdeRei
濃い赤線がこの日歩いたトラック.歩行距離24.99km,歩行時間6h33min.
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ポルトマリンPortomarin
ポルトマリンを出発
ポルトマリンのアルベルゲダイニングルームで,前日隣のスーパーで調達した食べ物を食べた.そして薄明かりの中,イタリアンMaさんと一緒にアルベルゲを出発した.そして直ぐにハット置き忘れにはっと気付き,引き返す.
前日サリアの朝,独りでろくに道標も見ないで進んだら,間違っており,引き返したバカな体験を踏まえ,Maさんは既に先に行ったし,今日は人の来るのを待って,後に付いて行くことにした.でも尾行とか付きまといになるとまずいので所定間隔を維持しながら.
そしてミーニョ川ゲートまで来た.ここから右に曲がる筈だ.
やれあっちだこっちだと行ったり来たり
私が勝手に先導者にした人たちもどうやら迷っているようで,やれあっちだこっちだと,橋も行ったり来たりした.そうか間違うのは自分だけではないのだと,少し安心(?)する.そしてくっついて行く限り,行ったり来たりしても安心していられます.勝手なものですね.
先導の方ありがとうございました.
林の道に入る
ミーニョ川支流の橋を渡り,少し行くと巡礼路は林の中になった.シダが多く,多雨地帯でもありそうに見えるが....雨は関係ないかな.
精麦工場のようだ
巡礼路はそのうち車道と並行するようになった.傍らには大きなタンクや大屋根の建物が並んでいる.
左にCAMAGANの表記が見えるので引いてみると,家畜の床敷用麦殼商品が載っていた.麦殼はあくまで精麦工程の副産物で,麦や小麦粉生産工場かと思われる.
巡礼路は林に入る
巡礼路は林に入ってきた.あまり密ではないが大木が多い.
100km以内に入ったためか,幾らか巡礼者が増えたように見える.
ゴンサールGonzar
トウモロコシ畑
以前はあまり見なかったトウモロコシ畑が多く現れ始めた.まだ小さい苗であるので,冬の間は別の作物が植えられ,その収穫後にトウモロコシが植えられたのであろうか.つまり二毛作であろうか.
ゴンサールに入る
ゴンサール(Gonzar)エリアの始まり辺りであろうか.写真で見える範囲だけでも薄い直方体の高床式貯蔵庫が見える.トウモロコシのなかった地方にはこのスタイルの貯蔵庫は見えなっかったのに,トウモロコシ畑が見えるようになった昨日辺りから貯蔵庫も見るようになった.つまりこれはトウモロコシ専用貯蔵庫か.
で,Wikiで見てみるとこれらはオレオ(Horreo)と呼ばれる穀倉で,トウモロコシに限定されるようなことは一切記述されてない.単に偶然の一致であろう.なおオレオはスペイン北西部(ガリシアとアストゥリアス)およびポルトガル北部に多いそうだ.
ゴンサールの麦と牧草の畑
緩やかな斜面の麦と牧草の畑の中を非舗装の巡礼路が続く.とっくに過ぎ去ったが,少しメセタの大地を思い起こさせるような景観だ.
オスピタルO Hospital
傷んだ家の在る集落
傷んだ家の在る集落を通過した.レンガ造りスレート屋根構造だが,壁の漆喰が剥がれ,窓が開いている.廃棄されたように見える.スペインもやはり人口減で住宅が余ってきているのでしょうか.
ところではっきりしないが,そろそろオスピタル(O Hospital)のエリアに入ってきたのではないかと思われる.
道がいろいろ交差する辺り
この辺りでは車道がいろいろ交差している.巡礼路もそれらの脇を進んでいく.
あと78.1kmの標識
サンティアゴまであと78.1kmの標識だ,ガリシアの磨かれた標準道標と違って原石の表面のままで,距離の有効数字は小数点以下一桁と遠慮がちだ.オスピタル村特有スタイルなのであろう.
ただ落書きが多くて,石も気の毒だ.
小さなチャペルあり
巡礼路の脇にとても小さなチャペル(Capela da Madalena)があった.
小さいが石積みの精度は高く,ランダムな形状の石と石の隙間がなく,ちょっとインカの石積み技術を彷彿させる.
小さなチャペル内部
チャペル内部を見せてもらった.屋根部分内側は木製で,正面にシンプルな祭壇が据えられている.
ここでは係員の方に,クレデンシャルにスタンプを押してもらう.何人か待つ間,前の女性とオラ程度の2,3言葉を交わす.女性はタリンから来ているそうで,それは遠いところですね,と言うと,日本はもっと遠いじゃないと返され,まあそうですけど.
並木の巡礼路を行く
松やポプラであろうか,道端には並木が育ち,また路面も良く,順調に進む.
まだオスピタルのエリア
まだオスピタルのエリアではないかと思われる.石造りの家は美しく頑丈そうだ.
古の巡礼者病院
これは一軒の家の壁に嵌め込まれていた,多分記念碑の写真.額縁には丁寧(?)にも英語で「古の巡礼者病院」とマジックで書き加えてくれている.きっと巡礼路からは見えない少し離れた場所に立っているのであろう.
オスピタル跡はこれまでもあったが,今より圧倒的に困難だった中世の巡礼者は怪我や病気の罹患が多かったのでしょう.それどころか強盗も多く,命に関わる事態もしばしばのことだったという.
リゴンデLigonde
先方にリゴンデの村
オスピタルを過ぎて行くと先方の丘斜面に村が見えてきた.次のリゴンデ(Ligonde)の村であろう.たくさんの木に包まれたいい村に見える.
路肩にポール状記念碑
少し歩くと右側にポール状記念碑が見えた.上の「古の巡礼者病院」のポールと少し似ている.しかし基部など形状が異なるので,同病院跡の碑ではないであろう.ただこれが何であるかは理解してない.
リゴンデの村に入る
リゴンデ(Ligonde)の村に入ってきた.遠目にも樹木が豊かと感じたが,実際そうだった.この辺りはペンションとかかな.
緑のトンネル
いや~実に素晴らしいトンネルだ.今日の行程は実に単調だが,まあこういう優しい道もあるからいいことにしたい.
まだ芽が出たばかりのトウモロコシ
実は畑に種を直接撒くのか,あるいは他所の苗床で発芽させ,それをここに植え替えるのかを知っていない.どちらにしてもまだ芽が出たばかりのトウモロコシだと思う.これが日々どんどん成長していく様子を見るのは,生産者にとって楽しみでしょうね.
レステドLestedo
レステドの教会
リゴンデの次はレステド(Lestedo)の村になった.そして直ぐに墓地と教会,名はレステドのサンティアゴ教会(Igrexa de Santiago de Lestedo)だそうだ.前日バルバデロで眺めた教会Iglesia de Santiago de Barbadeloと同じ名なので,全く同系統の教会なのでしょう.
ただし建物の構造は全く違っており,こちらレステド教会は非常によく見る形式の建築だ.
また好きな緑のトンネル
教会を過ぎると,また私の好きな緑のトンネルだった.いいですね~
レステドの村
そしてレステドの村だった.ただしここ一箇所というわけでなく,幾つかの箇所に分かれているのではないかと思う.ただひたすら歩いているのみで村の名所やポイントとか意識せず,ボーッと歩いてんじゃねえよ!と言われかねない態度だったので印象が浅い.すみません.
パラス・デ・レイPalas de Rei
パラスデレイの村に入る
野道を行き,今夜の宿泊地パラスデレイ(Palas de Rei)の村に入ってきた.村はそれなりの大きさがある筈だが,目指すアルベルゲ(Albergue de peregrinos Os Chacotes)は入り口近くに在るようなので直ぐであろう.
アルベルゲの玄関前
予定通りアルベルゲ(Albergue de peregrinos Os Chacotes)にはあっという間に到着した.ただまだレセプションが開いてないようで,二人連れの方が待っていた.お二人は,大分前になるがベルシアノスで無理やり唄わせられたので私には悪印象のアルベルゲだったが,そのダイニングルームでお会いした78歳のコリアン男性と,(多分)そのお嬢さんだ.以来時々お会いし,オラ程度の挨拶を交わしてきた.
お二人の中の男性は私より高齢なためか,同じアルベルゲに泊まったときはさっさと床に入り,そして次の朝はいつももの凄く早い時間に出発する.とてもお元気だ.
アルベルゲのベッドルーム
時間になりアルベルゲのドアが開き,順にチェックインさせてもらった.そしてベッドを任意に選び,シーツを張り,シェラフを広げ,確保する.別に混み合ってないときもこれを型通り実行するのがアルベルゲの掟のように見える.
アルベルゲ全体は新しい建設のように見える.しかしなぜか今は必須なモバイルとかカメラに必要な充電用差込口が余り見当たらない.
キッチンに充電に行く
レセプションの背後にキッチンがあり,ダイニングテーブルもある.また別室に立派なダイニングルームも備えている.ベッド近くに差込口が見つからなかったので,キッチンに行って充電した.
私はあまり用がないのだが,ここのキッチンの設備ははっきり言ってちょっとプアに見えるが....普通か?
洗濯物をラジエーターに掛けて乾かす
この日は手で洗濯した.だが外の天気はかなり怪しい.そこで洗濯物をベッドルームのラジエーターに掛けて乾かした.マナーが悪いが,ちゃんと乾いた.
小学校かな
アルベルゲはパラスデレイの入り口に在ったので,レストランを探しに内側に歩いた.そして広い校庭のある小学校でしょうか,を通過した.平屋建てで緑がいっぱい,いい学校ですね.
緑地公園も
学校に隣接し緑地公園もあった.何より驚いたのは実際に子どもたちがここで遊んでいたことだ.これまで通過してきた村では立派な公園が在っても,実際に遊んでいる子たちは大都市を除いて見ることがなかった.何が違うのだろう,と思うが...
バーレストランあり
バーレストランがあった.やった~
そしてメヌーができるかどうか訊くとOKという,これもやった~だ.
横のテーブルに赤ん坊を抱いた女性とも一人の女性が座っていた.いや~可愛いですねと言うと,ちょうど一ヶ月なのだという.そしてもう一人の女性は友人で,この赤ちゃんを見せてもらうため他の街から訪ねてきたのだという.
メヌーを頼む
そしてスープにポーク何とかかんとか,そしてデザートのアイスをお願いした.
そして直ぐ出してくれたワインは丸ごと一本で,単純な私はこれで大喜びだ.気分がいい.またそれと同時に出してくれたバゲットは硬い皮が飛び散りやすいが,中はねっとりとし,とても美味しい.
各皿の味は....もちろん覚えているわけない.ただ不味いとか,というネガティブな印象はないので普通に美味しかったと思う.不味いときは根深く覚えていたりする悪い性格なので.....