巡礼25日目:ラファバへday 25:La Faba
この巡礼25日目:ラファバ編では,2019年6月5日ビジャフランカの朝,アルベルゲを出て,ペレヘ,トラバデーロ,ラポルテラ,アンバスメスタス,ベガ,ルイテラン,ラスエレリアスを経由し,ラファバに至るまでの写真を載せました.
ラファバ付近のGoogleマップmap around La Faba
濃い赤線がこの日歩いたトラック.歩行距離24.67km,歩行時間5h30min.
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ビジャフランカ・デル・ビエルソの朝Villafranca del Bierzo

フェニックスアルベルゲの朝
6月5日フェニックスアルベルゲで朝を迎えた.まだ薄暗いが空を見上げると,天気はあまり芳しくないようだが,まだ降ってはいない.
そして中庭からダイニングルームを覗いてみると,朝食の用意ができているようだ.

朝食を頂く
ダイニングルームに行き,朝食を頂く.特にチェリーは美味しい.
さて他の人も出発し始めたことだし,私も続こう.

朝のビジャフランカを行く
アルベルゲを出て,旧伯爵家大邸宅を過ぎ,ビジャフランカ(Villafranca)旧市街の石畳路を進んだ.ここは道誤りで前日反対方向から歩いて来たところだ.
この日は道標を無視することなく,ちゃんとその通り歩こう.

風変わりな堰
この辺りはビジャフランカの新市街若しくは郊外になるのだと思う.ただ多くの住宅は斜面に建ち,生活面では不便があるかも知れない.
そしてここの川の堰はとても面白い.普通堰は流れに直角方向に設置されるが,ここは平行に,つまり片側の土手が堰になっている.土手堰は長いので,流れ落ちる滝も長く,なぜこうした構造にしたのか興味が尽きない.

ビジャフランカ郊外の畑
ビジャフランカ郊外は住宅地だけでなく畑も傾斜地や谷になっているところが多いようだ.ここはそんな谷の例だ.この整然と並んだ植物は何でしょう.非常に高密度なのでブドウとかではないでしょうし.....とにかく他ではあまり見かけなかった作物のようだ.
ペレヘPereje

ペレヘのエリアに入る
ビジャフランカ郊外の先は,境界が判るわけではないがペレヘ(Pereje)のエリアになるようだ.
この辺りは歩きの巡礼路と自転車の巡礼路(車道)が分離されている.傾斜は緩いが自転車は結構大変そうだ.

きれいな林の道
巡礼路は一本になった.とても広く,周りは雑木林で実に清々しい.
この辺りでテキサス男性に追い抜かれた.この時はどこから来たとか話しただけだったが,後日別の場所で偶然また会うことになる.

ペレヘの村
雑木林の道を行くとやがてペレヘの村に入った.こちらのお宅は花好きなのでしょう,道路に面して鉢を並べて,私達通行人も楽しませてくれる.いいですね~
トラバデーロTrabadelo

バルカルセ川
ペレヘの先を歩くと巡礼路は川と並行するようになった.バルカルセ川(Rio Valcarce)のようだ.実は上記ビジャフランカの新市街の風変わりな堰のあった川もバルカルセ川で,またさらにこの先所々で出合うことになる.
つまり巡礼路はこの川の谷間を走り,村々もその傍らに形成されているのだ.

高速道をくぐる
高速道の橋の下を潜った.この高速道とは後にまた交差することになる.

製材された木材の乾燥
この辺りは木材を産出するようで,製材され,板と角柱になった木材が重ねられている.乾燥させてから出荷されるのであろう.
木の種類は判らないのだが,時々大きな木が生えている.ただし規則正しく植林されたものではなく,自然林のように思える.

トラバデーロの村になる
次いでトラバデーロ(Trabadelo)の村になった.建物は自然石構造で,表面は漆喰で平にし,色を塗ったものが多いようだ.そしてもちろんちゃんとバーが揃っている.

トラバデーロの製材所
原木から板や角材に加工する製材所があった.製材し,乾燥してから出荷する方が付加価値が高まるのでしょう.

トラバデーロ村過ぎの上り坂
トラバデーロ村を過ぎると緩やかな上り坂となった.時々雨が落ちてくるのが惜しいが,本来緑豊かで快適な巡礼路だ.
ラ・ポルテラ・デ・バルカルセLa Portela de Valcarce

一部青空が見える
緩やかな上り坂が続いたが,一部青空が見えてきた.多分一時のことであろうが,やっぱり青空はいいな~
黄色い花は2日前,イラゴ峠下りで咲いていた黄花と同じかな.

ポルテラの村になる
そしてラポルテラ,正しくはラ・ポルテラ・デ・バルカルセ(La Portela de Valcarce)の村に入ってきた.
道幅も広く,家々もあまり密集してないようだ.

聖ファンバウティスタ教会
ラポルテラの一画には聖ファンバウティスタ教会(Iglesia de San Juan Bautista)が建てられていた.
17世紀から18世紀にバロック様式で建設されたそうで,平面図が長方形,身廊先に主祭壇一つのみのシンプルな建物だ.

聖ファンバウティスタ教会礼拝堂
礼拝堂内部は石の壁上に木製の屋根が架けられ美しい.そして身廊の先に主祭壇があり,こちらも比較的さっぱりした形態だ.
さて聖ファンバウティスタ(San Juan Bautista)とは,ヨルダン川でイエスに洗礼を施したヨハネ(バプテスマの聖ヨハネ)のことのようで,祭壇中央,右手に紙(のようなもの)を持った人がそうでしょうか.
アンバスメスタスAmbasmestas

アンバスメスタスの村に入った
ラポルテラの村を離れ,少し行くと今度はアンバスメスタス(Ambasmestas)の村に入った.巡礼路は車道側道で,両側には石造り,スレート屋根の立派な建築が多い.

アンバスメスタスの外れは牧草地
アンバスメスタスの外れまで来ると,周囲には牧草地や,家庭菜園クラスの小規模農地がところどころに見られた.
局所的に陽が射してちょっとHDRiのような画像になった.
ベガ・デ・バルカルセVega de Valcarce

ベガ・デ・バルカルセの村に入る
バルカルセ(Valcarce)は上述のように川の名前だ.ベガ(Vega)はスペイン語で「肥沃な草原」の意だそうで,バルカルセ川畔の肥沃な草原が由来であろうか.
なおVegaの複数形はVegasで,ネバダのラスベガス(Las Vegas)は肥沃な草原が原意だそうだ.ネバダの私の印象は砂漠や荒野の原爆実験場で,草原のイメージではないと思ったが,実は砂漠のオアシスがあったのだそうだ.
閑話休題,ところでここの「肥沃な草原」だが,地質は良いのかも知れないのだが,斜面や凹凸が多いので,麦とかでなく,葉野菜とか根野菜が適しているのかも.

ベガの村を進む
やはりこの村も石造りスレート屋根の立派な家が多い.手前からカフェや薬屋さんのようだ.薬屋さんは日本のドラッグストアのようにいろいろ取り扱ってはおらず,ほんとに薬だけのようだ.
ルイテランRuitelan

ルイテランに至る
次はルイテラン(Ruitelan)の村だった.暫く前にその下を潜った高速道とまた交差する.
高速道は片方向づつ独立に高い位置で架橋され,橋脚のスパンが随分長く見える.多分大きな地震が無いのでしょうな.

ルイテランを越え,また野の道
ルイテランを越え,当然のごとく野の道になった.車も通る道であるが,実際は殆ど通らず安心して歩ける.
ラス・エレリアスLas Herrerias

ラファバまで4.7kmの標識
今日の宿泊予定地ラファバまで4.7kmの標識があった.1時間余りで着くかな.

ラスエレリアス目掛けて下る
ラスエレリアス目掛けて一旦下り道に入った.先方には何人もの巡礼者が歩いている.田舎道で見る人は皆西への一方向,巡礼者だけだ.通学の子供らも見ないのは,スクールバスだからでしょうか.

ここはバルカルセ川支流
川幅は狭いが少し先でバルカルセ川に注ぐ支流のようだ.
そしてLas Herreriasの標識があるので,村に入ったようだ.
エレリアス(Herrerias)とは鍛冶屋のことだそうで,元々鍛冶屋さんの村だったのでしょうか.

ラスエレリアスの村に入る
ラスエレリアスの村に入ってきた.入り口は看板を見るとホテルで,歩道は赤い石で舗装されている.
検索して見ると人口はちょっと不明,ホスピス病院と聖母教会があるらしい.写真右側大きな建物がその病院であろうか.

ラスエレリアスの村を抜け上り道に
ラスエレリアスの村を抜けると上り道になった.マップを見るとラスエレリアスからラファバの間は比較的急勾配に描かれている.ラスエレリアスの標高は675mで,ラファバは915mに位置するというから,240mの上りということになりそうだ.

親切な道案内
自転車は直進,歩行者は左に,というピクトグラフ付き道案内.一目瞭然ということばがピッタリ当てはまる.
左の巡礼道は結構きつそうですな.
ラ・ファバLa Faba

ラファバへの上り道
ラファバへの上り道ではあいにく雨が降り,時々結構強くなる.
路面は若干ガレた部分もあり,左側は崖で下に谷川が流れている.路幅が十分あるので問題ないが,積雪期は縁に寄らないようにするのが無難そうだ.
またところどころに馬の生地雷が落ちているので気が抜けない.

ラファバの方向は二通り
さてラファバのエリアに入ってきたようだ.矢印が二通りある.はてどっちに行くべきか.ここは確か右に行った筈だ.ラファバの村は一本道に沿うのではなく,幅があるのでラファバの何れかの箇所に出るのだ.

ラファバの教会に出る
そしてラファバの教会に出た.そのままラファバ教会(Iglesia de La Faba)と称されるようだ.夜に巡礼者ミサがあるという.
教会の前にはアルベルゲがあった.このアルベルゲに泊まろうかなと思っていると,直前に着いていたドイツ男性が,ここはドイツ人専用だ,という.ホントかよと訊くと,いやドイツ人とイタリア人なら可能だ,と若干変化した.ほんじゃレセプションで訊いてみる,と言うと,2時まで開かないよ,と言う.明らかにヘイトだと思ったが,こんな人物と一緒に居るのはこちらも不快極まりないので,ここを去ることにした.雨はちょっと酷くなる.ときに短時間ながら雹まで降ってきて驚いた.

バーレストランに入る
先ほどの場所から幾らか先に行ったところにバーレストランがあり,看板にはアルベルゲも併設してあるように記してある.
でここに入ってビールを飲む.そして一時頃であったが,食事もできるかどうかマスターに訊くと,できると言うので嬉しい.

ビーフは普通
で,ビーフを焼いてもらった.味はまあ普通で,こんなものであろう.
次にマスター(アルベルゲのオーナーでもあるようだ)にアルベルゲ(Albergue Casa El Arbol)について訊く.部屋はこのバーの二階だが,独立外部階段で上ったところの3室で,部屋面積は同一.シングル一室,ツインも一室,2段ベッド2台4人室も一室,全て一部屋当たり24ユーロ.つまり,シングル部屋なら一人24ユーロ,4人部屋なら一人6ユーロとわかり易い.

このシングルルームにする
先ずは部屋を見てみますか,と言われ,2階に上がり見せてもらう.結果このシングルルームにした.バスルームは共用だがちゃんとバスタブがある.客は少ないので空いていた.またおまけ的に洗濯機は無料でいいそうだ.しかし乾燥機は故障していて,これは多少工夫が必要だった.取り敢えずメイドのおばさんのアドバイスでランドリーの紐に吊るす.

ラファバアルベルゲの屋上テラス
洗濯も,紐吊るしも,お風呂も終わったので,アルベルゲ近くのグロサリーショップにビールやツマミを買いに出かけた.アルベルゲ近くで,気の利いたつまみがいろいろ(ナッツ類,ハモン,ケソ,サラミ...もちろんビール,それにバナナ,チェリーなど)あった.いい店だ.
そしてショッピングを終え,ランドリーの紐に吊るした洗濯物を触るとあまり乾く気配が見えない.そこで先ずはランドリーから,この屋上に移した(写真中央).
風があり,時々晴れる.これで完璧に乾くであろう.ただ天気雨がたまに襲ってくる.という訳で,洗濯物を監視しながらビールを楽しむことにした.いやビールの合間にチラッと空模様を眺めることにした.そして実際いきなり雨が来て,取り込む場面もあった.

導波器が3列のアンテナ
屋上テラスでビールを飲んでいただけではない.日本ではあまり見ないタイプのTVアンテナ観察もした.基本的には八木宇田アンテナで,同軸ケーブルに接続されるダイポール放射器のサイズ(幅)からしてUHF帯のアンテナであろう.ただ導波器が別方向に3列もあるのだ.日本のUHFアンテナは電波の来る方向に一列だけだ.電波到来方向が上下に3方向,あるいは到来方向が上下方向に変動するのか.....結局理解できてない.
空模様がかなり怪しくなってきた.早く飲んで引き上げるか.