巡礼32日目:サンティアゴ・デ・コンポステーラへday 32:Santiago de Compostela

この巡礼32日目:サンティアゴ編では,2019年6月12日,今日は巡礼最終日ペドローソのアルベルゲで目覚め,朝食後出発.サンパイオ,ラバコージャ,モンテドゴソ,サンティアゴ新市街を通過し,サンティアゴカテドラルに到着,そして巡礼事務所で巡礼証明書を頂き,セミナリオアルベルゲに落ち着いたときの写真を載せました.

サンティアゴ付近のGoogleマップmap around Santiago

濃い赤線がこの日歩いたトラック.歩行距離20.7km,歩行時間4h51min.

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ペドローソの朝Pedrouzo

ペドローソのアルベルゲで食事

ペドローソのアルベルゲで食事

さて巡礼最終日6月12日朝になった.ペドローソのアルベルゲで目覚め,前日スーパーで仕入れていた食事を摂り,出発準備だ.同じ頃もう一人の男性も出かける用意をしていた.


ペドローソの街を通り抜ける

ペドローソの街を通り抜ける

街灯の灯るペドローソの街を西に向かい,通り抜ける.既に歩いている人ももちろん西に向かっている.


やがてトウモロコシ畑になる

やがてトウモロコシ畑になる

ペドローソの街を抜け,徐々に明るさが現れてきた.暫くしてトウモロコシ畑になるが,やや霞んで遠景はぼやけている.まあ降らないでいてくれればありがたいが.


先方に村

先方に村

先方には白い壁,赤い屋根の住宅の建つ村が見えてきた.アメナル(O Amenal)の村であろうか.う~ん雲行きは怪しそうだな~


サン・パイオSan Paio

ユーカリ林を行く

ユーカリ林を行く

巡礼路は非舗装に変わり,ユーカリ林に入っていった.ユーカリの木は丈が高い割に枝葉が疎であるためか明るいように思う.


石の道標

石の道標

大きな石の道標があった.かっこいいが矢印や距離表示はなく,巡礼路の上にありますよ~と云うことだけが判る.

この辺りから右側の大きな街道と並行して走る区間となっている.ただし街道は低く位置し,くっついているというわけではない.


林に陽が射してきた

林に陽が射してきた

少しして林(並木)道に入ってきた.そしてそこに陽が射してきた.うれしい.

この辺り左側(南側)にはサンティアゴ空港の滑走路があったと思う.ただこの辺りを通過中は飛行機の発着音は聞こえなかった.まあ,単一滑走路の地方空港であるのでフライトの数はそう多くはないであろう.


サンパイオの教会

サンパイオの教会

そのうちに小さな教会が見えてきた.サンパイオのサンタルチア教会(Iglesia de Santa Lucia y San Paio)と呼ばれるようだ.


サンタルチア教会礼拝堂

サンタルチア教会礼拝堂

扉が開いており,中を見せてもらった.主祭壇には大きな羽をもった人物像が置かれている.この人がサンタルチアなのでしょうか.検索してみると,283年生まれの聖女で,304年に殉教したという.目と視覚障害者の守護聖人として,カトリックの少ない北欧でも尊敬されているという.

それとサンタルチアと聞くとイタリアの歌を思い浮かべるが,正に彼女のことを称える歌だということだ.


サンパイオの村

サンパイオの村

サンパイオの村は続いた.住宅は密集せず疎らに建てられている.いい村だ.


ラバコージャA Lavacolla

サブゲイラ教会

サブゲイラ教会

サンパイオの次はラバコージャ(Lavacolla)の村になった.

先ず教会があり,サンパイオデサブゲイラ教会(iglesia de San Paio de Sabugueira)ということらしい.ということはここはまだサンパイオの村の中なのかもしれない.

1840年建立で,三角屋根の上に鐘楼を置いたシンプルなデザインである.右側は墓地である.


小川を渡る

小川を渡る

また林の道になり,小川が流れていたので渡る.林と小川の巡礼道は実にいいですね.


林を抜け畑になる

林を抜け畑になる

いつものように林を抜ければ畑になる.そして巡礼道は農道になった.これもいつものパターンだ.何より天気になったのが嬉しい.


菅笠のMjさんに会う

菅笠のMjさんに会う

ラバコージャのこの辺りで菅笠の男性が先を歩いてた.菅笠は間違いなく日本人で,3人目だ.男性はMjさんだそうで,私より若干若いか同年代でお住まいも割と近くだそうだ.

Mjさん自身は仏教徒だが,亡くなられた奥様がカトリックだったという.そうしたことからクレデンシャルも自分用,奥様用2枚を持ち,一緒に巡礼しているという.

なお話は飛ぶが,熊野古道を歩いたことがあるそうだ.やはり宿の確保が課題で,一ヶ月前くらいに予約するのが安全ということだ.熊野古道については,パンプローナでお会いした品川区の女性Mtさんも歩いたことがあり,山道で大変と話してた.


モンテ・ド・ゴソMonte do Gozo

モンテドゴソの丘からサンティアゴ方面を望む

モンテドゴソの丘からサンティアゴ方面を望む

やがてモンテドゴソ(Monte do Gozo)の丘に着いた.写真は丘からサンティアゴ方面を望んだものだが....カテドラルは....写っているのかどうか判らない.

モンテドゴソ(Monte do Gozo)とは喜びの丘の意だそうで,巡礼者がサンティアゴカテドラルを初めて目にして歓喜することに由来するそうだ.私も肉眼では尖塔が少し見えたような気がしたかな?


巨大な十字架のモニュメント

巨大な十字架のモニュメント

丘には巨大な十字架のモニュメントが据えられていた.台座の側面に何か記されていたのだが,写っていなかった.


モンテドゴソ近くの礼拝堂

モンテドゴソ近くの礼拝堂

モンテドゴソ近くに小さな礼拝堂があった.礼拝堂はシンプルな構造で,祭壇には白い聖母子像が置かれていた.


アクセサリーショップ

アクセサリーショップ

巡礼路の道端で,おじさんがアクセサリーを手作りし,販売していた.街に近くなったのであろう.


風変わりな石のオブジェ

風変わりな石のオブジェ

いかにもピカソの国らしい,かなりデフォルメされた(人物)像.オリジナルの姿を思い浮かべることは常人には難しいような....


今度は見えるかな~

今度は見えるかな~

また見晴らしの利く場所になった.今度はカテドラル見えるかな~で,手前の斜面が邪魔しており,多分その背後になるようだ.


サンティアゴ新市街new city of Santiago de Compostela

鉄道を越える

鉄道を越える

巡礼路は鉄道線路の上を渡った.サンティアゴは鉄道駅があり,後日そこから乗ることになる.


これは何か

これは何か

さてこれは何でしょう.色とりどりのアルファベットでSantiago de Compostelaと記されている.つまりサンティアゴ市の入り口ゲート標であろう.しかし,スペイン人気質として,こうしたところに落書きせずにはいられない.そこで市当局広報部担当者は予めメッシュのバックパネルとし落書き不可能な工夫をしたのだ.だが敵もさるもの,おみくじのようにハンカチやTシャツをメッシュに掛けたのだ.さ~すが.


カフェで一休み

カフェで一休み

そろそろサンティアゴ新市街に入ってきたようだ.カフェがあったのでMjさんと入った.

私にはエスプレッソはもちろん,カフェコンレチェ(カフェラテ)も量が少ない.そしてMjさんにエスプレッソグランデと言うといいですよ,と聞き,以降そうした.でもスタバのトールサイズとか比較すると,グランデと言えどもまだ物足りない.


さていよいよ旧市街に向かうか

さていよいよ旧市街に向かうか

街路樹のある幾らか上り加減の道になった.さていよいよ旧市街に向かうのかな.でも緑が多いから暫く先になるかな.


サンティアゴ・デ・コンポステーラ到着arrive at santiago de compostela

石畳の旧市街に入る

石畳の旧市街に入る

巡礼路は石畳になった.両側の建物も石造りが多い.正真正銘旧市街の趣だ.道の先に尖塔が見えているが,教会の名は不明ながらかなり大きな教会のようだ.


サンタマリア教区教会

サンタマリア教区教会

アザバチェリア広場(Plaza de La Azabacheria)から写したコルチセラの古いサンタマリア教区教会(Parroquia de Santa Maria la Antigua de la Corticela)(訳は正しくない可能性大だが)ではなかろうか.

カテドラル(大聖堂)に行く少し手前で眺めた立派な教会.ここも工事中のようである.


トンネルの階段を下る

トンネルの階段を下る

このトンネルを潜り,カテドラル前の広場,オブラドイロ広場(Praza do Obradoiro)に出る.この階段はカテドラルの構造の一部になっているのかも知れない.

既に参拝を終えて戻ってくる人も多い.また巡礼者と比べて一般の信徒の方,観光客の人が圧倒的に多いと思う.


サンティアゴ大聖堂に至る

サンティアゴ大聖堂に至る

そしてとうとう32日目にしてサンティアゴ大聖堂に到着した.いや~大きいですな~また広場も大きく余裕ありますね.ゴロンゴロンして達成感を表現している人もいる.

とにかくサンティアゴのおかげか,あるいは神のおかげか,無事歩けたことに感謝したい.以前バスで来て見物したときとは違って,達成感,いや自己満足を抱くことができた.良かった.


巡礼事務所に行く

巡礼事務所に行く

オブラドイロ広場右側階段を降り,右に進んだ先に巡礼事務所があり,巡礼完了報告に行く.この通りは比較的地味な道だがバーやお土産店が見える.事務所は通りの終端付近だ.


巡礼事務所では巡礼者の長い列

巡礼事務所では巡礼者の長い列

巡礼事務所に入ると既に巡礼者の長い列ができていた.

順番が来るまで一時間半はかかったと思う.Mjさんといろいろおしゃべりした.Mjさんは奥さんが亡くなった後頻繁に山に出かけるそうで,丹沢や大山にはほぼ毎週登るということだ.それはすごいですね.なお前述のようにクレデンシャルを2冊携え,双方にスタンプを押してきたので,ここで巡礼証明書を二人分申請するという.後で結果を聞くと,奥様分は巡礼ではないが,巡礼区間共に巡った意の証書を作ってくれたそうだ.これで天国でホッとしておられることでしょう.


これが頂戴した巡礼証明書

これが頂戴した巡礼証明書

順番が来て,クレデンシャル,パスポート,申告書を提出し,この巡礼証明書を頂戴した.実はこれより少しサイズが小さい縦長の証明書と2枚セットで頂いた.写真の大きい方には歩いた距離779kmが書き込まれているが,縦長タイプにはそれを記してない.

これを持って会計に回る.そこには卒業証書を入れるような紙筒も販売しており,全部合わせて4ユーロだった.そしてマップをもらい,明日巡礼者ミサの行われる教会はサンフランシスコ教会(Convento de San Francisco)で正午からですよ,とマーキングしてもらった.


サンティアゴ旧市街を通り,アルベルゲを目指す

サンティアゴ旧市街を通り,アルベルゲを目指す

さて次はアルベルゲだ.そしてこの辺りであったか,Mjさんの知り合いという愛知のSkさんご夫妻にお会いする.Skさんはいろいろご存知で,Mjさん同様アルベルゲセミナリオノール (Albergue Seminario Menor La Asuncion)の評判がいいかもと話してくれた.ただしMjさんご自身はもっといい別のところだったかな.太鼓判をもらったのでそこを目指す.このアルベルゲは旧市街の外,谷を隔てた丘の上にある.

先ず旧市街を横断するのだが,途中幾つもの古く大きな教会を通過した.その一つはこれでサンフルクトゥオーゾ教会(Church of San Fructuoso)と呼ばれるようだ.


サンティアゴ市場を通り抜ける

市場を通り抜ける

旧市街縁辺りに位置する大きな市場を通り抜けた.市場は商品毎に棟が分かれ,写真は肉屋さんの並びだ.入り切らない八百屋さんなどは建物外で営業している.サンティアゴの台所のようで繁盛している.


谷を越え,丘に上る

谷を越え,丘に上る

市場から谷を下り,南の丘に上った.そこから旧市街を望むとこの写真のように見える.びっしり建物が建ち並んでいる.


サンティアゴのアルベルゲに到着

アルベルゲに到着

アルベルゲ(Albergue Seminario Menor La Asuncion)に到着した.Seminarioと付くので元は神学校だったようだ.随分大きな建物で,宿泊できるベッド数はかなりあろう.

そしてレセプションに行き,クレデンシャルとパスポートを提示し,泊まりたい日数を告げる.予めMjさんにここは個室があり,連泊可能と聞いていたので,個室を今日から連続で三日間,とお願いした.

すると,何ら問題なく登録し,カギとシーツセットを手渡してくれた.一般のアルベルゲには連泊不可能と聞くが,ここは巡礼完了者が泊まるので,少なくとも翌日の巡礼者ミサ参加など考慮し2連泊,休暇を含めて3連泊(あるいはそれ以上)を認めているようだ.お代は3泊分で57ユーロと安かった.


セミナリオアルベルゲの部屋

セミナリオアルベルゲの部屋

セミナリオアルベルゲの部屋は格子窓に扉型木製ブラインドが付いている.設備は小さなテーブルと洗面台,写真写ってない部分にシングルベッドで,例えばカギは昔ながらの鍵穴に差し込み廻すタイプ,照明など暗めで,造りは古い感じだ.


セミナリオアルベルゲの庭

セミナリオアルベルゲの庭

3階(日本式では4階)の部屋窓から庭を見下ろすとこんな風に見える.いかにもセミナリオのデザインと雰囲気が感じられる.

また向こう側はサンティアゴ旧市街の眺めだ.

なおエレベータは一基付いており,地階を上下するにはありがたい(既に十分歩いたので).

また手洗いやシャワーは共用であるが,大量に用意されているので,常にがら空きと思って間違いない.


地階のダイニングルーム

地階のダイニングルーム

地階には広いダイニングルームを備えていた.そして写真手前に売店があり,果物やパン類,乳製品,ハムやサラミ,ナッツ類,ワインやビール,水,おやつ類,冷凍パスタ類など種々販売されているので大変便利.

ということでアルベルゲに引きこもったまま過ごせるのでとってもだらだらリラックスできる.

ただ常時オープンではなく,営業時間には要注意.


キッチンとランドリー

キッチンとランドリー

ダイニングルームの奥,売店の横にキッチンがあり,例えばコルク抜きや,フォーク,ナイフ類,それに電子レンジが使用できる.私は使わないが,調理する人には鍋やまな板,電磁調理器など,他のアルベルゲ同様備えている.

キッチンの奥はランドリースペースになっている.特にここのドライヤーは調子がいい.厚めのウール靴下も一回の作動時間で完全に乾く.