巡礼22日目:ラバナル・デル・カミーノへday 22:Rabanal del Camino
この巡礼22日目:ラバナル編では,2019年6月2日朝,アストルガのアルベルゲを発ち,ムリアス,サンタカタリナ,エルガンソを順次歩き,ラバナル(ラバナル・デル・カミーノ)に到着したときの写真を載せました.
ラバナル付近のGoogleマップmap around Rabanal
濃い赤線がこの日歩いたトラック.歩行距離20.94km,歩行時間4h53min.
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アストルガAstorga
アストルガの朝
6月2日朝になった.前日スーパーで仕入れた食べ物や飲料を持ってダイニングルームに行き,朝食を食べる.既にSnさんもここで食事中で,済むと早々と出ていった.ブエンカミーノ.
私は部屋に戻り,忘れ物がないかチェック.少し前にタッチペンを忘れたのは痛い(指だけでは更にミスタッチ多くなる).また何か忘れないようにせんと.
写真は市の中心辺りの商店街だが,左端のベッド屋さんが煌々と明かりを灯しているのが面白い.何故かな~
エルサレムのイエスの参入の同盟教会
これまで見てきたスペインの教会とは全く異なるモダンデザインの教会があった.
GoogleマップではCofradia de La Entrada de Jesus en Jerusalenカトリック教会と載っている.エルサレムのイエスの参入の同盟とかの意味らしいが,関連する写真では白い装束にグリーンやブルーのとんがりコーン状マスク(米国のKKK団装束と少し似ている)の人たちが行進する場面がいっぱい検索される.さて何でしょうか.
アストルガ郊外となる
巡礼路はアストルガ郊外に入ってきた.住宅には横から陽が当たり始め,白い壁が輝く.
聖なるキリストの礼拝堂
マップでErmita del Santo Cristoと載っている.Ermitaはエルミタージュとか出てくるが,よく判らない.とにかく礼拝堂である.
聖なるキリストの礼拝堂内部
大変稀有なことだが朝早くから一人の案内女性が入り口で待機しておられる.幾らかお布施を入れ,礼拝堂内部を見せてもらった.
祭壇はキリスト像のみのわかり易い形態で,原っぱの中の礼拝堂にしては意外とテーブルとベンチが多いことに驚く.ただ場所が場所だけに立ち寄るのは巡礼者が主であろうか.
野の巡礼路となる
そして長く続くであろう野の巡礼路に入った.
この辺りは車道脇に巡礼路が設けてあるが,車の通りは少ないので安心して歩ける.
ムリアス・デ・レチバルドMurias de Rechivaldo
ムリアスの村に入る
ムリアス(Murias de Rechivaldo)の村に入ってきた.この辺りの家は石を漆喰で固めた構造が多いが,石の色がいろいろで,なかなかきれいなモザイク模様を描いている.もちろんそれが狙いであろうから,色石の表面に漆喰が付着しないように施工されている.
ムリアスの村を過ぎる
ムリアスの村を過ぎると当然また野の道に入る.この辺りは独立の巡礼路になっている.
ところで以前,レオン辺りまでか,巨大スプリンクラーが要るような広い畑が多かったが,この辺りは所々に木立があり,あのような広大な畑を見なくなった気がする.
なお標高880mでこれまでとほぼ同様だ.
サンタ・カタリナ・デ・ソモサSanta Catalina de Somoza
サンタカタリナに入る
サンタカタリナ(Santa Catalina de Somoza)の村に入ってきた.少し上ったようで標高984mくらいのようだ.
家の構造はやはり丸石を漆喰で固めたまだら模様壁が多い.こちらのお宅はきれいにバラを壁に這わせ,見事だ.
サンタカタリナを出ると荒れ地っぽい
サンタカタリナを抜け,同じように野の巡礼路に入る.この辺りは灌木と言うか雑木というか,分散的に生えて荒れ地っぽい感じだ.ただ風景としてはなかなかいい.
エル・ガンソEl Ganso
エルガンソ入り口の水場
エルガンソ(El Ganso)入り口になった.そこには水場があった.ただ「ACUA NO ...」と書いてあるから,多分今は飲めないのだろう.
水はいいとして,石造りにスレート屋根,芙蓉の花,いい雰囲気ですね.
エルガンソの村
エルガンソの村に入った.教会も見える.標高は更に上がり,1,010mになったようだ.
ただこれまでの村同様,開いているバーやお店はあまり見えず,寂しげな雰囲気を湛えている.
サンティアゴ教会礼拝堂
教会はサンティアゴ教会(Iglesia de Santiago)と呼ばれるようで,礼拝堂を見せてもらった.祭壇はキリストの磔刑像だけのシンプルなものだ.
写真にはテーブルや椅子がないが,正教会のようにこうしたものを置かないのであろうか.それとも単にその前に出てシャッターを切ったか.
礼拝堂の大きさからするとエルガンソ村の人口は少な目ではなかろうか.
真っ直ぐな巡礼路になる
いつもと変わりなく村を抜ければ,野の巡礼路になる.轍が見えるのでトラクタや農業用車両は稀に通るのであろう(私達の通行中は合わなかったが)
少しだけ山道っぽいルートに入る
単調だった巡礼路だったが,少しだけ山道っぽいルートに入るようだ.嬉しい.いくらか林や坂がありそうだ.
少しガレた道
期待通り,若干ガレた道になった.でも浮石はあまり無さそうだし,それに距離も大して無さそうである.
こんな花も咲いている
私が初めて見るこんな花も咲いていた.花は下から順に上に向かって咲いていくようで,下側は既に黒く丸い実を付けているようだ.
久しぶりの林だ
この日の巡礼路には並木も林も殆ど無かった.そしてエルガンソの大分先,このあたりで林に入った.やはり時々こうしたところを歩きたいのだ.気持ちが安らぐ.
ラバナル・デル・カミーノRabanal del Camino
ラバナルの村に着く
今日の宿泊予定地ラバナルの村(Rabanal del Camino)に着いてしまった.まだ11時半だ.アルベルゲの開店は2:00PMというから2時間半待ちになる.さてどうしたものか......
取り敢えず少し先のアルベルゲに進もう.建物や村の雰囲気は手前で通過した2,3の集落と似たりよったりの感じだ.
Ermita de San Jose教会
GoogleマップではErmita de San Joseと記されている.Ermitaが曲者で,アストルガ出口にあったErmita del Santo Cristoと同じパターンだ.そのときは一応聖なるキリストの礼拝堂としたので,同じにすれば,聖ホセの礼拝堂ということになるが....
この礼拝堂は,一般の住宅の丸石壁と違って四角に切り出したブロックを積み上げた構造だ.接着する漆喰の厚さは薄く均一であるので強度が増し,大型建築を可能にするのであろう.
各種色石の織り成すモザイク模様は,色相,明度,彩度の差が少なくとてもきれいだ.
Ermita de San Jose教会礼拝堂
上写真のようにドアが開けられていた.そして覗かせてもらった.
主祭壇はキリスト像の周りをピカピカの彫像が取り囲む構造で,上記Ermita del Santo Cristoよりかなり立派だ.
テーブルは一列で,旅客機で言えばナローボディよりさらに狭いタイプだ.
デルカミーノの聖母被昇天教会
村を進むと教会があった.デルカミーノの聖母被昇天教会(Iglesia de la Asuncion de Rabanal del Camino)と称されるそうだ.
この聖母被昇天教会は12世紀ロマネスク様式で建設が始まり,18世紀には砂岩の切石やスレートを多用した改築が行われたようだ.
写真では欠けてしまったが,右側建物後端は半円筒状で,これはかなり特徴的に映る.写真はまずかった.
アルベルゲで待機
聖母被昇天教会の前というか隣がアルベルゲ(Refugio Gaucelmo)だった.まだ開店まで2時間ある.やはり悩む.次に行く時間は十分にあるのだが,その次以降の計画が立てにくくなる.
とりあえず玄関にザックを並べて待つ.結局ドアが開くまで待つことになるのだが.
聖母被昇天教会昼のミサ後
聖母被昇天教会昼はコリアンを話す神父さんが居られるようで,昨晩一緒の部屋だったSoさんご夫妻,足を痛めた若い女性始め多くのコリアン信徒の方がミサに参加されたようだ.そしてミサ後も外でその神父さんを取り囲んで続きの話し合いを継続していた.
Soさんとその後話したのだが,やはり時間が余り過ぎるので,次の宿のあるところまで歩くそうだ.それは一つの解だ.ブエンカミーノSoさんたち,特に足を痛めた若い女性は無理しないで.
アルベルゲの玄関で待つ
私を含め何人かは開くまで待つことにした.ベンチが一つあり,左は以前にもお会いしたカナリア諸島の男性,右はデトロイトの女性だった.
早く開けてくんろ,と思う気持ちは皆一緒で,やはり口にする.誰も聞いてくれるわけではないが,もちろん.
デトロイトは一時財政面で大変と伝えられていたが,現在はまあ米国の大都市の中では普通くらいなのではとのこと.カナリア男性は,カナリアの島はこれまで7つと言っていたが,最近8つになった,という.私はじゃあ竹島と同じようなことかと思い,力で他国からぶん取ったのか,と訊いた.デトロイト女性も同じように思ったようで,戦争で,と問う.でも残念(?)でした,単にそれまでも存在した小さな島を,住民が増えたか何かの理由でカウントに加えただけだそうだ.
そうした何でもない話で時間を潰しているうちにようやく時間になり,ドアが開けられた.写真はそのレセプションで,女性オスピタレラが受付けてくれた.
アルベルゲのベッドルーム
アルベルゲ(Refugio Gaucelmo)のベッドルームは2段ベッドの並ぶ,言わば典型的アルベルゲではなかろうか.私はもちろん歳なので下段を回して頂く.ありがとうございます.
アルベルゲ周辺
アルベルゲのダイニングルームバルコニー辺りから背面を覗くと,アルベルゲの庭はかなり緑が多く,いいところだ.周辺も野があり,山があり結構だ.またこうして改めて建物群を眺めると,住宅も,大きめの施設も概ね赤い瓦葺き一色であると認識する.壁の丸石コンクリートと共に,この辺りの標準構造と見た.
近くのコンビニで食料調達
前日アストルガでは大きなスーパーが見つかり,食料を買えて大変良かった.今日は小さな村で,バーを探すのが大変かな~と思っていたら,直ぐ近くにコンビニがありますよ,と教えてくれた人がいた.
それはほんとにアルベルゲ近くで,不動産チラシで1.5分の距離だった.
そこで写真のようなビールとつまみ,それに果物や明日の食料を買ってきた.写真三角形のブルーチーズは,普通塩辛すぎると云う常識を覆す低塩分に抑えられ,逸品だった.
夕刻のミサに参列(一応)
一応巡礼の旅なので,たまにはミサに参加せねば,と先ずは待機で表のベンチでアルベルゲ真ん前の聖母被昇天教会鐘楼を眺めていた.すると一人の寺男が梯子のような階段を上っていき,そして鐘を突いた.鐘は下方でロープを引くか,あるいはロボットで鳴らすものと思っていたので大変驚いた.
この合図で入り口に行き,ミサに参列した.定刻前に行ったのだが既に満席で,後ろや横の立ち席だった.小さな村なのに信心深い人たちが多いのでしょう.
最初から35分間ほぼ賛美歌だけで,その後聖職者の方が,各国語で短い祈りが捧げられ....だったか.
そして申し訳ないが殆ど理解しないまま時間が経過し,終わりになった.すみませんでした.
ただ本来のというか,日常のカトリック信徒の皆さんの教会での過ごし方を垣間見ることが少しできた気もする.