巡礼1日目:ロンセスバージェスへday 1:Roncesvalles

この巡礼1日目:ロンセスバージェス編では,2019年5月12日サンジャンピエドポーで朝を迎え,出発し直ぐに道間違えて歩き,少しして戻り,本来の上り道に入る,そしてそのままオリソンへと上り,さらにピレネー越えを継続し十字架辺りを通過し,仏西国境に至り,少し高度を上げた後ロンセスバージェスへと下り,ロンセスバージェス村のアルベルゲに宿り,ここで一日を終えるときの写真を載せました.

ロンセスバージェス付近のGoogleマップmap around Roncesvalles

濃い赤線がこの日歩いたトラック.歩行距離25.91km,歩行時間7h33min.

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サンジャンピエドポー出発直後西に逸れた突起は道を間違えたトラック.

サンジャンピエドポーの朝morning at Saint Jean Pied de Port

早朝サンジャンピエドポーを出発

早朝サンジャンピエドポーを出発

サンジャンピエドポーの公営アルベルゲで朝を迎えた.このアルベルゲではありがたいことに一階のダイニングルームに簡単な朝食,パンにコーヒーなどを用意してくれており,これを頂戴して早々と6時半頃出発した.一連の動作は周りの動きに連れられた面が大きいが,自分でも初日だからと気合いが入っていたと思う.

通りに出るとまだ街灯が灯り,歩く人の姿はぽつりぽつり見えた.


車道に逸れる

車道に逸れる

さて前日歩いたノートルダム門を過ぎ,ニーヴ川を渡るといよいよ道標を頼りに歩く.直ぐに青字に貝殻と小さな矢印,それに何やら文字が添えられた小型の道標が見つかり,その方向に進んだ.

道は舗装され,少し上り,振り返ると明るくなったサンジャンピエドポーの街が見下ろせた.


出発し直ぐに道間違いgo Wrong way

北のルートに入ったことに気付く

北のルートに入ったことに気付く

おかしいな~サンジャンピエドポーではあれほど大勢の巡礼者が泊まっていたのに,この道では誰にも会わんな~それに道標が小さい.....ということで,普通ルートではなく,積雪期などに安全性の高い北側の舗装車道に歩いていると思い当たった.端からドジを踏んでしまった.

そして来た道を戻り,通常ルートを目指した.


通常ルート見つかる

通常ルート見つかる

途中まで戻り,通常ルートに入るショートカットがありそうなのでそちらに進んだ.また間違えると困るのでgoogleマップを見ながら歩き,今度は何とかなった.ロスタイムは30分位であったか.

先方に歩く巡礼者の姿があちこちに見える.あれが通常ルートに違いなかろう,と安心した.これぞ大繁盛フランス人のカミーノだと思う.最初間違えた北のルートは四国巡礼路並みで,自分以外歩く姿は見えなかった.

教訓:これからは誰かの後を付いていくことにしよう.


戻り,ピレネーに入るreturn and climb Pyrenees

通常ルートに入る

通常ルートに入る

通常ルートに入り,周囲が麦畑や牧草地に包まれた道を緩やかに上る.少し行くと写真のような飲料などの自販機があった.こうした自販機は,この先都市も含めてめったに見かけることがないのだが,水も食料も背負っているので今は要らない.


ピレネーの山々の傾斜地を行く

ピレネーの山々の傾斜地を行く

トレイルはピレネーの山々の傾斜地を通る.傾斜は緩やかで,畑の緑やトレイル脇樹木が美しい.斜面に点在する白い壁,赤い屋根の農家も眺めのアクセントになっている.


大きな花

大きな花

道端に大きな木があり,大きな花を咲かせていた.花びらは先端がカールし,内側にシベをたくさん囲っている.きれいな花だ.


マンテマ

マンテマ

これはマンテマの仲間でしょう.このマンテマは先っぽが普通の花の花弁のようにきれいな円形に開いてますね.


トウダイグサの仲間

トウダイグサの仲間

これはトウダイグサの仲間でしょう.私が普段見かけるトウダイグサは全体がグリーンぽいが,ここのは彩度の高いイエローで,とっても目立つ.


羊の放牧

羊の放牧

牧草地に羊が放牧されていた.羊は大型で殆どが白い.豊かな牧草でどんどん大きくなりそうだ.


未舗装路に入る

未舗装路に入る

この辺りでトレイルは未舗装路に入った.多分舗装路をそのまま進んでもオリソンに出るのだと思う.自転車の人はきっとそれが正解であろう.


オリソンへpass by Orisson

オリソンに向け上る

オリソンに向け上る

未舗装路に入ると傾斜が少し急になった.霧の切れ間からは区画された緑の大地がきれいに見える.また全般には霧雨模様で寒いが,背中は少し汗ばむ.

この辺りで南アから来たという中年カップルと前後して歩く.二人とも小さなナップサックで軽そうだ.ヨハネスブルグからのフライトが冷え冷えで,奥さんが風邪をひいたそうだ.確かに奥さんはガラガラ声でお気の毒な様子だ.そしてこの日の負荷を軽くするため,ザックは配送サービスを利用し,ロンセスバージェスに送ったということだ.「今日だけよ,明日からは背負うから」と強調されていた.ご夫妻には後日別の場所でも再会することになる.


オリソンに着く

オリソンに着く

そのうちオリソンに着いた.前日会った大阪のIhさんは今日このアルベルゲに宿泊予定と言われていたが,まだ朝の9時なので早過ぎてチェックインできないであろう.遅く出かけて来ることでしょう.

この辺り霧雨から小雨に変わりだした.ザックからカッパを取り出して羽織った.カッパズボンまでは要らないようなので,履かなかった.実際その後雨が強くなることはなかった.ただ雨で手が濡れ,若干標高も高くなったせいか手がかじかんでファスナーの開閉には些か困った.

道路を挟みアルベルゲの反対側にトイレがあったが,寒いせいもあろう,列になっていた.入ると窓も電灯もなく真っ暗で驚いた.


白っぽい牛が霧に覆われて

白っぽい牛が霧に覆われて

オリソンから再び歩いた.白っぽい牛が霧に覆われて隠れ蓑を纏った如く目立たず草原に寝そべっていた.


十字架辺りへwalk around the Cross

オリソンの先

オリソンの先

オリソンの先は舗装されたいい道だ.積み上げたケルンの上に何やら碑の如きも見える.

そしてこの辺りで,サンティアゴ・デ・コンポステーラの少し手前に住んでいるという壮年男性に出会う.男性はこのカミーノが2回目だという.そして私に「何日で歩く予定?」と訊くので,ガイドマップの日数を思い浮かべ「34,5日です」と答えたら,「それは速いね,私は40日の予定だ」という.男性は私より若く立派な身体をしているので,途中途中遊びながら行くのでしょうか.


草原のお花畑

草原のお花畑

トレイル脇の草原はささやかではあるがお花畑になっている.白や黄色の小花が広がる中に,紫の比較的大きな花なども見える.


ここは1095m

ここは1095m

ここは標高1095m,右はXX,左上はXXとの標識があった.前日巡礼事務所で間違えると大変な場所の注意を受けた辺りかな~でもここでは歩いている人が大勢いるので,その方向になびくので問題ない.


自転車巡礼者も一休み

自転車巡礼者も一休み

自転車巡礼者も原則歩きの人と同じルートのところが多いようだ.ただし狭く危ないところは別ルートのところもある.ここはいい道だが,休みなく連続的に高度を上げるのはキツ過ぎるようで,たまにこうして息を整えているようだ.

自転車は押しなべて太いタイヤのマウンテンバイクだ.その点街道筋でよく見かける普通のサイクリストが細いタイヤで軽量のスポーツ車に乗っているのと違うようだ.


非舗装路に入る

非舗装路に入る

道はいいし,天気は良くないが,雨もひどくはならなかった.大勢歩いているので道間違いの心配もない.先ずは快調に進む.

そしてこの辺りで一旦非舗装路に入った.さらにまたケルンの碑があった.尤もこうした碑や十字架は結構頻繁に存在しているのだが.


少し青空が見えてきた

少し青空が見えてきた

僅かながら前方に青空が見えてきた.期待できるかな~

トレイル脇の白と赤平行線はここがカミーノであることを示しているので,歩いている場所に間違いないことを知らせてくれる.でも方向については必ずしも解り易くはなく(私にとって),単純な黄色矢印が好きだ.


スポットライトを浴びた馬

スポットライトを浴びた馬

たまたま小さく切れた雲の間から陽光が漏れ,馬を浮かび上がらせたようだ.も少し広がるとなおいいんだけどな~


移動売店

移動売店

巡礼者相手の移動売店があった.お昼には若干早いがここでコーヒーを買い,ザックからサンドイッチを取り出し,脇の石に腰掛けてランチとした.


石の十字架

石の十字架

鉄柵で囲まれた石の十字架があった.囲われているのでカトリックの聖人とか福者とか大事な人物に因むものでしょうか.

土台右側に少なくともフランセのような文字が見えるし,ここはフランス領だからフランス人関連かな....


仏西国境へwalk to the border between France and Spain

少しラフなトレイルになる

少しラフなトレイルになる

その後国境に向かい少しラフなトレイルになった.雨で若干泥濘みのようになっている部分もある.


仏西国境近くに至る

仏西国境近くに至る

ログデータを見るとこの辺りから仏西国境ラインに近いようだ.そしてまだ仏領内なのであろうが,トレイルは国境線に沿うように見える.シェンゲン協定もあることだし,国境云々を気にすることは全くないし,EUの理想的な一面ではなかろうか.


羊が草を食む

羊が草を食む

トレイルの向こうに白い羊が草を食んでいる.トレイルが仏西国境ライン近くであれば,羊はスペイン側ということになる.羊はそんなこと無頓着であろうが.もちろん私も意識してないが.


きれいな林

きれいな林

いや~きれいな林ですね.トレイルの右斜面には,名前は分からないが白樺のように白い木肌の樹木が若草色の葉を付けている.実に素晴らしい.

実斜面は意外と急峻で,例えば冬季トレイルが雪で覆われ,雪庇に足を入れたりすると事故になりかねない.実際そうした事故は過去にあったようだ.


あと765kmの標識

あと765kmの標識

サンティアゴ・デ・コンポステーラまであと765kmとの標識があった.フランス人のカミーノは800kmと言われるがそんなに歩いてないので,800kmより少し短いのであろう.私の場合道を間違えるので実際の歩行距離は長くなるが.


救援要請所

救援要請所

上標識の後,水場と写真の救援要請所があった.ここはwifiが使えて,SOS発信のプッシュボタンが備えられていた.現在の環境はいいが,積雪期などは頼りになるときがあろう.

なおSOSの送信先はスペインのようであった.つまりスペイン領に入ったのかな.手持ちのガイドマップではこのピレネー越えの最高点は国境を越えた後のCollado Lepoeder 1,430mと載っているが,はてそんな場所があったかな....?


家畜越え防止柵

家畜越え防止柵

トレイルに家畜越え防止柵,すだれが敷設してあった.牛はこうした穴開き柵が越えられないのでよく使われるが,ここでは国境を越えて逃亡せんとする牛を防御するためか....いや牛にもシェンゲン協定が適用されてます.


このオベリスクが国境の標識?

このオベリスクが国境の標識?

救援要請所辺りから写真のドイツ女性と一緒に歩いた.女性はこのオベリスクが国境の標識だと言う.ただ新しいスマホでセルフィーがうまく操作できない,なので写真を撮って,というので,シャッターを押した.ついでに私のも押させてもらった.厚かましい,でもいいじゃないですか.

この黒いオベリスク状石柱には何か記されていたのだが....思い出せない.でも仏西国境とかは一切無かったように思う.


ロンセスバージェスへgo down to Roncesvalles

ロンセスバージェスへの下りに入る

ロンセスバージェスへの下りに入る

ということで少なくとも上オベリスク辺りからは下り一辺倒になる.目指すはロンセスバージェスだ.

このトレイルもまた非常に美しい.昨秋落とした茶色の葉が地面に散り,鮮やかな明るい新緑が林を覆うように育っている.


ピレネーが連なる

ピレネーが連なる

取り敢えずピレネーの一部を越えてきたわけだが,雲の切れ間から先を覗くと,大きなピレネー山脈の続きというか,他の部分が連なって見える.そして山間の谷も見える.ロンセスバージェスはあの谷の一部にあるのであろうか....いや,もっと先に位置しているであろう.


小さなアルベルゲ

小さなアルベルゲ

さらに下ると小さなアルベルゲ(と書いてある)があった.とても小さな小屋であるがソーラーセルやアンテナも備えている.一昔前はアルベルゲだったが現在は実質的に避難小屋の役割であろうか.


小さなアルベルゲからまた上る

小さなアルベルゲからまた上る

下り一方かと思っていたが,小さなアルベルゲからまた上りに入った.そして上り切ると歩いてきたトレイルや少し先の様子も見えた.

また陽の当たらない斜面にはまだ少し雪が残っている様子も窺える.


ロ風車のあるモニュメント

風車のあるモニュメント

そして小さな風車のあるモニュメントの前になった.風車は通信機器の電源として実用されているのかも知れない.モニュメントはロンセスバージェスへの分岐道標でもあり,この右脇の小径を下ればいい.


家畜止め扉のあるトレイル

家畜止め扉のあるトレイル

小径を下ると広々した林のトレイルとなる.トレイルには家畜止め扉が設けてあり.巡礼者はこれを開閉して通過する.なお扉両サイドにはワイヤ(通電されてないと思う)の柵が設けられている.


とてもきれいな林を通過

とてもきれいな林を通過

上からの続きであるが,通過する林はとても美しい.高尾山のヒノキや杉の密な林も美しいが,ここの広葉樹は地面に対する密生度が低く,つまり疎らで,地面落ち葉の茶色,黒い木の幹,若葉の明るい緑の織りなすハーモニーが素晴らしいのだ.


緑の小径を行く

緑の小径を行く

やがて山の斜面に広がる落葉樹の林を過ぎると,平坦部に降り,小さな樹木の緑に包まれた小径を行くようになった.ロンセスバージェスが近くなったのであろう.


ロンセスバージェスに至る

ロンセスバージェスに至る

小径を行くと,小川があり,その先に石造りの堅固な建物群が見えてきた.これがロンセスバージェスの村というか,修道院複合体もしくはコンプレックスというか,まあそういった集合体として理解していいようだ.そしてそのうちの一つがアルベルゲのはずで,皆の行く方向に付いていった.

そして標高が下がり,地形も変わったためか,青空のいい天気に変わった.できればピレネーの上の方でこうあって欲しかったが,こればかりはやむを得ない.


ロンセスバージェスの村the village of Roncesvalles

ロンセスバージェスのアルベルゲに到着

アルベルゲに到着

この歴史のありそうな建物(の一部)がアルベルゲ(Albergue de peregrinos de Roncesvalles)らしく,中に入るとうじゃうじゃ巡礼者が受付オフィスの前で屯していた.私もうじゃうじゃの一人としてキョロキョロしていると,整理担当者が黄色の札をくれて,「黄色札の人は45分後くらいから受付できるようになります,一旦外に出てお待ち下さい」ということだ.到着順にグループ分けし,それぞれの色札を渡し,整理していたのだ.

そして実際私達の黄色グループの受付は45分ではなく,その2倍は要して始まるのだった.ロンセスバージェスの宿はここしかなく,今朝サンジャンピエドポーを出発した人の多くはここに泊まるようで大変混むのだ.


ロンセスバージェスの中庭で待ち,立ち話

中庭で待ち,立ち話

さて黄色札を手に,中庭で待った.大勢待っている.そんな中で,風体から互いに日本人と感じ,挨拶を交わし話をした.男性は福岡の方で70代だが私より少し若く,このカミーノは3回目だという.

今回はスペイン側でロンセスバージェスの少し先から歩き始め,昨日は一旦サンジャンピエドポーまで歩き,そこで宿泊.そのときのルートは雨が酷かったので,私が今朝出だしで間違えた舗装車道ルートで行ったそうだ.そして今日は通常ルートを歩き,ここに宿泊ということだ.男性はスマホは持たず,印刷されたマップに,歩数計,それと過去の記録ノートで,現在地と行き先位置情報を確かめながら歩くそうで,概ね確度は十分高いという.きっと電源や電波確保が十分できない登山をやる人なのであろう.それにカミーノでは一日42kmくらい歩かないと物足りないそうで,只者ではないですね.ただ今回はサンティアゴまでは行かず,途中で抜けバレンシア方面に行く予定だそうだ.そちらもぜひ楽しんでください.


ロンセスバージェスのレセプションで登録

レセプションで登録

さてようやく黄色札グループの登録受付が始まった.担当者は複数人で,先ずは名前や生年月日の他に巡礼目的のチェック項目などの申請用紙記入があった.スペイン語だけでなく,英語も併記されていたので助かった.

そしてはっきり覚えてないがシャワーやランドリー,キッチンやダイニングルームなどの説明を受け,ベッド番号カード,それに希望したこの日の夕食券,明朝の朝食券をもらった.今足し算すると27ユーロだ.寝室はドーミトリー,食事は質素(でも一応ワイン付き)だが四国遍路の個室民宿の半額くらいで済み,ありがたいものだ.

自分で食材を準備してきた人たちも多いようだが,そうした人々はもちろん夕食券,朝食券は不要だ.


ロンセスバージェスのアルベルゲ寝室

アルベルゲの寝室

私のベッドは3階の308番だった.エレベータで上がると先ず古い修道院施設を木材を多用してリニューアルしたようで,垂木や梁の柔らかな色合いが美しい.それに少なくとも3階の寝室は2段ベッドではなく,皆普通の一段で,しかも2ベッド毎が開放ブースで仕切られている.


ロンセスバージェスアルベルゲのベッドサイド

アルベルゲのベッドサイド

そして各ベッドには電源とコインロッカーが設けられている(コインはドアを開けたとき戻るタイプ).今後あちこち泊まるアルベルゲの中で最もきれいで設備もいい方だと思う.

ただしwifiは速度が遅く,ラインなどを使ってみたが,タイムアウトなどでうまくいかなかった.単に使い方がまずかっただけかな~

シャワーは他のアルベルゲでもそうであるが,甚だ使い勝手が良くない.つまり着替えを濡らさず置く場所が確保できなかったり,直ぐに止まるプッシュ式バルブ,湯は熱くても部屋が寒い.....など.まあこれはヨーロッパの標準なのであろうが....でも湯が冷たいところもあるので,まだ良いほうだとは思う.

シャワーで順番待ちしているとき,私の前の青年と話した.青年は,「母がカトリック,父はそうでなく,自分はたまに教会に行く.多分10%くらいだけカトリックだ」という.面白い表現ですね.なおコリアン巡礼者がこれほど多いのは,まあ信徒は確かに多いが,近年TVでカミーノ番組が大々的に放映されたからでしょう,との見解だった.


ロンセスバージェスの礼拝堂入り口

礼拝堂入り口

福岡の男性にロンセスバージェス村の各施設の場所を訊いて歩いてみた.アルベルゲの中庭対角方向に行くとアーチ型通路を経て,片側が大きな教会の礼拝堂,反対が僧坊(と言うのか?)だそうだ.

僧坊はアーチ型通路の上でつながっている.


ロンセスバージェスの礼拝堂

礼拝堂

礼拝堂を覗かせてもらった.なかなか大きく,立派な礼拝堂だ.主祭壇背後のステンドグラスが鮮やかだ.間もなく始まる夕方の礼拝のため既に座っている人もいるし,またどんどん集まって来つつある.

私はここにいてはまずいかな~と思い,引き上げた.


さらに外側に出て振り返る

さらに外側に出て振り返る

礼拝堂からさらに外側に出て振り返ってみた.僧坊や修道院運営者,アルベルゲ運営関係者の住居....まあそういった人たちのための建物であろうか,いくつも建てられている.

それと庭や広い石畳の通路が備えられ,また整備工事の最中でもあった.


ロンセスバージェスの古い教会とバーレストラン

古い教会とバーレストラン

庭を出たところに古い教会(左)と古い修道院(中央),それにバー及びレストラン(右の赤屋根)があった.

古い教会は直線主体の力強いデザインで美しい.私には回廊のアーチ柄列柱はイスラム建築の影響を受けているようにも見える.

レストランは夕食と明日の朝食を頂戴するところだ.ロンセスバージェスの食べ物はここでのみ摂ることができる.


ロンセスバージェスのレストランに入る

レストランに入る

さて午後7時になった.食券を持ち前述のレストランに行く.皆一斉に行くので列になり,ウエートレスがテーブルに誘導してくれる.魚(ただしその種は訊いても不明)とチキンというので,山に近く,川魚であろうと警戒しチキンにする.

私はテーブルの端で,向かいは米メリーランド州の若い女性,横は釜山のやはり若い女性,斜向こうは59歳のソウル男性だった.この4人でワイン1本だった.あまり飲まない人も居られたので喜んで代飲(?)させてもらった.

メリーランドは,昔仕事で,弁護士Lさんにクレイ射撃に連れて行ってもらい,ワシントンDCへの帰り途中「メリーランドクラブケーク」をごちそうになった記憶が甦った.前席の女性にあれは美味しいですね,と話すと,彼女も,そうです,あれは最高ですと応じてくれた.一般に必ずしも評判高くないアメリカ料理の中で絶品の一つではないかと思う.

隣の釜山(プサン)女性に,昔流行った「釜山港へ帰れ(Come Back To Busan Harbor)」を知ってますか?と訊ねたら,ご当地ソングに拘わらず全然知らないそうで,やはり若い方だ.代わりに前の59歳ソウル男性は「知ってますよ」ということだ.またお仕事は?と訊いてみたら,就職に備え簿記や会計の勉強中だという.有り体に言えば今は失業中なのでしょう.頑張って下さいね.

59歳ソウル男性は数年前膵臓がんになり,手術を受け,同時に退職し毎日運動に励んでいるという.そして至って元気に過ごしているということだ.私もいい先生に診てもらい,膵臓手術し,12年間元気でいますので,今後とも頑張って下さいと励ました.

ということで大したメニューではなかったがいろいろな人とお話しながら食事でき,ワインも美味しかった.

食事を終え,ベッドルームに戻った.同じブースのもう一方のベッドには,私がこのベッドに来る前からザックが置いてあったが,その所持者を見かけることはなかった.さて寝るとするか.