巡礼27日目:サリアへday 27:Sarria
この巡礼27日目:サリア編では,2019年6月7日トリカステーラのアルベルゲを出発し,南側ルートを辿りレンチェ,サモス,ゴロルフェ,アグイアダを経て,サリアに至り,サリアの街を見物したときの写真を載せました.
サリア付近のGoogleマップmap around Sarria
濃い赤線がこの日歩いたトラック.歩行距離27.02km,歩行時間6h44min.
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トリカステーラTriacastela
アルベルゲの朝
6月7日トリカステーラのAlbergue Municipal de Triacastelaに朝が来た.外を眺めると今日も雨模様だ.残念だが仕方ない,こればかりは.
ということでカッパを着てアルベルゲを出発する.
トリカステーラの村を縦断する
アルベルゲは東端にあり,巡礼路は西に向かうので,村を縦断する.小さい村なので多くは前日オーバーランした部分だ.終わり頃には石造りの教会もあるが,早い時刻なので閉じたままだ.
村外れの三叉路では双方向の道標
トリカステーラ村外れはT字型三叉路となっており,サンティアゴには双方向の道標が立てられている.左に行けばPor何とかで19.73km,右に行けばPor何とかで12.53kmということだ.はてどうしたものか.Por何とがは経由地を指しているのか,それとも合流点か.....困った,解らない.誰か来るまで待とう.他力本願はカトリックでも大事な思想なのだ(うそ)
暫くして2日前ペレヘに向かう道中でお会いしたテキサス男性Txさん現る.きっと同じアルベルゲに泊まっていたのでしょう.そしてどちらが良いでしょうかと単刀直入に訊いてみる.すると男性は前回左へのコースを歩いたので,今回は右のコースを歩く予定だ.今回初めて歩くのであれば,左のコースが長いけれど簡単で,途中サモス修道院もあるからそちらがお勧めです,ということだ.さらに,サモス修道院は内部も素敵なのでぜひ見たらいい,とも.
はい,左に行きます.それとミシュランマップでも載っているのは左のコースだけで,右はどうやら慣れた巡礼者用のようである.どうもサンクスでした.
レンチェRenche
最初暫くはLU-633の脇道を行く
三叉路を左に行くと,巡礼路は州道若しくは国道であろうLU-633道の脇に沿う道となる.車の量は多くないので安心して歩ける.
そのうち野良道に入る
巡礼路はそのうち野良道に入っていった.野良道は時々小川と交差し,小川は写真のように堰で分水路が 形成されているところもある.
小さな村を越えていくのだが,東地方のように大きな塊としての村の構成はあまり見られず,バラバラに家が分散している.これは広い平面の土地がないためにそうした形態になったのではなかろうか.村だけでなく,牧草地や畑も概して段々畑状で決して広くはない傾向だ.
小さな教会と墓地
小さめながら教会と,付属する墓地はところどころに見られる.教会はかなり傷んでいることが多いが,墓地はピカピカに磨かれた墓石など立派なものが目立つ.カトリックの世界では墓の維持に関する問題などは起きてないのでしょうか.
林の巡礼路
農家は疎らで,斜面や荒れ地が多いので巡礼路は必然的に林の道が続く.歩く分にはとても快適,文句なしだ.
一時車道と交わる
もちろん巡礼道は一時車道と交わったり,あるいは並行して走る.ここは一時並行して走った後,また分岐してラストレスへ向かう場所だ.道標がしっかりしているのがありがたい.
サモスSamos
蔦とバラで覆われた家
さてここはラストレスの村であったか.見事なまでに蔦とバラで覆われた家があった.なかなか壮観ですね.
斜面のトラバース路
サモスに向け斜面のトラバース路に入った.斜面下側は牧草地になっている.牛を連れてきたり,連れ戻すのは大変そうだが,草の生育は良さそうだ.
小さな教会あり
村が塊としてないので,教会もその一画に,という訳にもいかないようだ.そしてこうして独立した場所に築かれたようだ.
こうした小規模な教会は専任聖職者も困難で,幾つかの教会を巡回するケースが多いと聞いた.日本の小さな神社の事情とよく似ていると思う.
一部陽が射す
一部分だが雲が切れ,陽が射してきた.陽の当たる牧草地や林の緑は実に美しい.晴れ間広がって欲しいな~.
サモス修道院に続く小径
そのうち周囲が藪と雑木林の中を行く小径に入った.木々の間からサモス修道院の建物上部がちらりと覗く距離になった.小径の両側は所々石垣で保護されているが,その石垣にもびっしり草が生え,覆っている.多雨高湿エリアなのであろう.
サモス修道院遠景
サモスの街に入る手前でサモス修道院を眺めた.エクステリアが統一された複数の建物がある.相当大きい.
上記小径から眺めたとき,修道院上部だけが見えたように,修道院は谷あいの地にあり,周囲は全て緑の山に囲われている.
また手前を流れる川には鴨が水浴びし,時々きれいな緑地に上がり,身体を休めている.
サモスの街に入る
修道院に行くためには一旦サモスの街(村)に入り,少しそこを歩く.小さな街であるが,アルベルゲやホテル,バーやカフェ等揃っているようだ.
サモス修道院の一つの建物
サモスの街から少し歩くと,この立派な建物前になる.先ほど眺めた統一デザイン複数建物群とは違う趣向だ.
そしてTxさんのアドバイスに従い,中に入らんと思い,右端の入り口に行く.
サモス修道院玄関
さて右側玄関を入るとこんな眺めだった.あると思っていたレセプションらしきものが見当たらない.困った.ここで「頼も~」と声を張り上げようとした矢先,黒いローブに身を包んだ男が現れた.そして中を見せてもらいたい旨頼んでみた.すると.xxxxxxxxxxxxでxxxxxxxxだ,と言っているようだ(内容の一欠片も解せず).つまりだめだということだろう.ここは引き下がるしかあるまい.
カフェバーに寄る
修道院直ぐ近くのカフェバーが開いていたので立ち寄る.マスターは朝から一人で頑張っているが,この時間帯はあまり混んでないようだ.
コーヒーにピザ
コーヒーにピザをお願いしたらxxxxxxxxxxxxでxxxxxxxxだ,とか言うことなく,あっさりシーと受けてくれた.それはそうであろう,単なるコーヒーだもの.グラシアス.
ゴロルフェGorolfe
サモスを離れまたLU-633に戻る
さていささか残念だったサモスを離れ,いつぞや,いやつい今朝の出だしの頃歩いたLU-633街道に戻ってきた.車道脇に設けられた巡礼道でなかなか快適だ.それにうまい具合に一部青空も覗いてきた.続くかな~
サリア川が並行する
そのうちLU-633街道および巡礼路にサリア川(Rio Sarria)が並行する区間に入った.川の畔は木が茂りいかにも谷あいの流れらしい景観だ.
街道を離れ,また山道へ
やがてLU-633街道沿い巡礼路は右に逸れ,山道に入って行った.朝方の歩行パターンと同じだ.全体の歩行距離や時間は山道がずーっと多い.
そしてサリア川かその支流であろうか,ここに架かる橋を渡った.渡った先には村があった.
緑の山道
木立に囲まれた巡礼路がまた現れた.この日はそうした道が度々現れ,結構だ.
牧場と小さな教会
傾斜地の牧場は瑞々しい緑で覆われ美しい.そしてその先方には小さな教会が建てられている.さらにその左は共同墓地であろう.今日のルートは墓地も目立つ.
この辺りはゴロルフェ
明確な境界はもちろん知らないのだが,ここは標識からゴロルフェ(Gorolfe)のようである.多分上記教会や墓地もその一部かと思われる.
アグイアダAguiada
少ないニワトリがいた
他国の農家庭先ではニワトリは最もよく見かける家畜だが,スペインではあまり見ない,と思っていたがここで見た.勝負に出れば強そうな顔つきと体躯で,チキンとの形容は当てはまりそうもない.
急傾斜地のトラバース路
急傾斜地のトラバース路になった.左に行くと怖そうなので右側を歩く.
またまた川を渡る
また川があった.ここに架かる橋は石のアーチ橋であるが,草で覆われた橋脚の左右補強部分のデザインを見ると結構歴史ある設計なのかも知れない.
ポプラ林の牛
きれいに植林されたポプラ林の中に牛が放牧されていた.私を不審者として捉え,じーっと監視される.監視ご苦労さんです.
アグイアダの村辺り
アグイアダ(Aguiada)の村辺りになった.石造りスレート屋根が多いようだ.それと石積みの頑丈な塀が目立つ.どちらかと言うと物騒な地帯なのであろうか.
LU-P-5602街道を越える
LU-P-5602街道の陸橋を潜った.これを越えるとサリアは近かろう
サリアSarria
サリア郊外に入る
ガーベジコンテナーにサリアと記されているので,郊外ではあるがサリアに入ってきた.緑深き山間の道が長く楽しめたがここらでおしまいになろう.
サリアの街のインフォメーション
サリアの街に入るとインフォメーションが在った.マップにインフォメーションと記してあっても実際は開いてないケースが間々あるが,ここはちゃんと営業していた.
そして市のマップを頂戴し,アルベルゲへの道順を教えてもらった.
サリア川を渡る
暫く街を行くとサリア川(Rio Sarria)に行き当たり,橋を渡る.静かな流れで周囲は緑豊か,いいところだ.この周辺はアルベルゲが多いようだ.レストランや各種お店も多い地帯で便利であろう.
巡礼者シルエットの壁画
朝焼けあるいは夕焼けの山道を行く巡礼者がシルエットで描かれている壁画だ.とてもすばらしい.折角こうした立派な作品に仕上がっているのだから,この上に普通の落書きが重ね加えられないことを祈りたい.
アルベルゲに向かう通り
ここはアルベルゲの少し手前.なかなか落ち着いた雰囲気の街並みだと思う.いきなり雨になったりするので警戒は緩められないが,別に街のせいではないし....
アルベルゲにチェックイン
アルベルゲ(Albergue San Lazaro Sarria)は通りに面しているのだが,レセプションはちょっと路地の引っ込んだところにある.そしてそこに行きオスピタレラの女性にクレデンシャルを提示しチェックイン.
ここは珍しいことに不織布ではなく普通の布のシーツにピローケース,それにバスタオルだ.値段は10ユーロで若干高い方かも.使い捨ての不織布と,洗濯し再利用する布とではどっちがエコか?これはちょっと簡単にはいきそうもないな....
そしてオスピタレラ女性の背後にはビール棚があり,あ,あれも一本,と反射的に言葉が出る.1ユーロと安い.
アルベルゲのベッドルーム
聖ラザロアルベルゲのベッドルームは大きな部屋で比較的ゆったり2段ベッドが配置されていた.まあこんなもん,と言うか一般的であろう.
昨日トリカステーラでもそうであったが,気温は低目なのでベッドルームは暖房してあった.
他,シャワー自体は熱い湯が出るのだが,バスルームは暖房されてないので寒い.ただしこれは殆どどこのアルベルゲでもそうであった.
アルベルゲのサロン
アルベルゲには一応こうしたサロンも設けてあった.左端は暖炉だ.日本と比べるとやはり気温はかなり低いのではなかろうか.
サリアの街CitySarria
聖ラザロ礼拝堂
時間がいっぱいあるのでサリアの街を歩いてみた.
最初はアルベルゲの直ぐ近所,アルベルゲの名にもなっている聖ラザロ礼拝堂(Capela de San Lazaro)の外観を眺めてみた.
随分コンパクトな建物で,かわいらしい.聖ラザロ(San Lazaro)はイエスの友達で,一度亡くなって棺に収まっていたが,それを知ったイエスが「ラザロよ起きなさい」と言ったところ蘇ったというあの人だ.
丘に上って眺める
サリアは坂と丘の街だ.そして聖ラザロ礼拝堂に手前道を上り丘の上に来た.白やクリーム色など明るい色の壁,黒い屋根の建物が多いようだ.幸い今のところ晴れて,街が美しい.
Sarriaの広場
丘の一番上に「Sarria」と記された広場があった.観光客は一応ここまで歩いてくる.
広場に面して補修中の礼拝堂が立ち,下に向かう繁華街への始点にもなっている.
補修中の礼拝堂
ほぼ終了したのだと思われるが,補修中の礼拝堂を見せてもらった.とても簡素なデザインの主祭壇で明り採り窓も十分あり現代的な感じだ.
広場から下りバーレストランへ
広場から目抜き通りと思しき道を下る.ショッピングには良さそうな街並みだ.バーやレストランも揃っている.このバーで,今の時間で食事も可能かと訊くと,OKというので入らせてもらった.
そして先ずはワイン(並の)をオーダーする.
夕食
そして普通の人には早い時間だが,私には丁度いい夕食時間で,スープに,ビーフを焼いてもらう.この写真を見ると,添えられたのはフライドポテトだけという質素なものだった.
ラメルセド修道院
一旦Sarriaの広場に戻り,もと来た方向に進みラメルセド修道院(Convento de la Merced)にやって来た.石造りの随分大きな建物だ.最初13世紀に建設が始まり,この正面はルネッサンス様式ということだ.
玄関に担当者が居られたので,中に入って見ていいか訊ねたら,どうぞどうぞと言うので見せてもらう.ただ今ミサの最中なので礼拝堂内部では物音を立てないようにとのことだ.
ラメルセド修道院中庭と回廊
広い中庭を囲うようにアーチ型列柱の回廊が巡らされている.回廊はロマネスク様式からゴシック様式への移行期の様式になるという.回廊の二階部分は格子窓の並ぶ部屋のようだ.修道士さんの住まう部屋なのであろうか.
玄関のモザイク画
通りから玄関に至る道にモザイク画が敷かれていた.手裏剣やファンのようなものが見えるが,もちろんそうではなく,何らかのカトリックの意味合いが含まれるのであろう.
よく見るフェニキアやローマ時代のものに比べて赤や黄の彩度が少し高く,きれいだ.
ラメルセド修道院夕方のミサ
ラメルセド修道院では案内があった通り夕方のミサが執り行われていた.参列者は一般市民の方のようである.