ヘッドランプ(ヘッドライト,ヘッ電)

このページでは山歩きで使用中のヘッドランプ(別名ヘッドライト,ヘッ電とも)について記しました.山道を歩いたり,テントサイトやネパールの小屋などでヘッドランプは欠かせない.懐中電灯(フラッシュライト)やランタンもあれば便利な場面はあるが,荷物の量が限定される場合,圧倒的にヘッドランプのプライオリティが高いであろう.(車でキャンプ場に行く場合などでは多分大型のフラッシュライトやランタン等も大活躍するでしょうし,サイクリングではチャリにマウントできるフラッシュライト.....ランプは用途別ですね.)

ヘッドランプ色々な要素の見比べ

そんな訳でカナジーがハイキング/トレッキングでヘッドランプを選ぶときの比較項目を表に整理してみた.比較項目の挙げ方が少し変だったり,判断は全て感覚的○×であったりするが,まあ結構現実に即していると思う.

ヘッドランプ色々な要素の見比べ表

比較項目利点欠点好み
光源LED
(発光ダイオード)
球切れ心配無用
電池長持ち
光源輝度高く眩しい
照射色限定される
電球
(クリプトン球等)
照射光が電球色電池寿命短い
球切れあり
サイズ大きい

電源アルカリ乾電池どこでも入手可
安価
他機器との共用可
低温時寿命短縮
NiMH充電池エコ(多分)
ランコスト安
他機器と共用可
小屋で充電不可
低電圧で使用機種限定
自己放電大

リチウム電池寿命大(自己放電小)
容量大
低温時性能低下小
高価
入手性に難あり

電池サイズ単3型乾電池容量/価格比大
世界どこでも入手可
他機器と共用性大
単4型乾電池入手性比較的良容量/価格比小
単1など容量大入手性に難あり
電池本数1本理想的
軽い
容量少ない
2本偶数単位で使用
3本ランタイム大奇数使い
重くなる

4本ランタイム大さらに重くなる
電池室構成発光部と一体全重量小形態によっては不安定
発光部と別前部は軽い全重量増大
ケーブルがじゃま

トップストラップ有り装着安定性大?鬱陶しい
無し(又は外せる)さっぱりしている
軽い
照度ガス濃いときも見易い
操作容易
ランタイム減少
ランタイム長い
操作容易
老眼にはきつい
可変状況に応じ変えられる操作が面倒
照度変化変化無し常に一定照度突然消える
徐々に低下突然消えない照度が徐々に低下
照射角度スポット的には明るい使いにくい
大(又は可変)使い易いスポット的には暗い

例えば照度とランタイムは相反するので,当然のことながら,全部が○になるような機種は存在しない.まあそのような項目を天秤に架けながら探すことになる.幸いヘッドランプは釣りや各種業務用でも使われるためであろが実に色々な製品が,その辺の金物屋,スーパーを含めてあちこちで販売されている.スポーツ用品店ではパナソニック(Panasonic),ペツル(Petzl),ブラックダイヤモンド(Black Diamond),コールマン(Coleman),シルバ(SILVA),プリンストンテック(PRINCETONTEC),ロゴス(LOGOS),ジェントス(GENTOS).....などが多いようだ.

ペツルMyoXP E83P

Petzl Myo XP E83P

これまで幾つか使ってみたがペツルMyoXP E83P(←写真)はお気に入りの一つだ.ペツル(Petzl:仏)の日本代理店サイトを見ると『ペツルは1970年代初頭にヘッドランプを発明しました』と載っているが不思議に思える.なぜなら大昔,電球を発明したトーマスエジソンがその宣伝のために大勢の人が額に電球を装着したシーンの写真だったか,記事だったかを目にした記憶や,かなり昔鉱山などでヘッドランプを装着した鉱夫のシーンが映画であったような......?記憶違いかな~?まあそれはさておき,ペツル社がヘッドランプの老舗であることに変わりなく,なかなか信頼できる製品を出していると思う.

MyoXP E83Pは同社製品の中ではかなり明るいタイプで使い易い.拡散フィルターを回転すると照射角度が広く,とても均一に光が回る点も秀逸だ.DC/DCコンバータを内蔵していないのか照度が変化するが,一気に消えることはないし,ニッケル水素(NiMH)電池も問題なく使える.なお電池残量はインディケータの色と点滅で表示してくれる.電源ボタンの操作で照度切り替えが可能で,シーケンシャルな操作はまあ一般的なものだが,ボタンは小さく若干押しにくい.別のブーストボタンで短時間高輝度にすることができるが,筆者には用途がない.

普通偶数単位で販売されているアルカリ単3電池を3本使用するのは何となくすっきりしないし,総重量も増えるのは欠点だ.ただ電池ケースは分離されているので,重量の多くは後頭部に分散され,前頭部はコンパクトで装着感は意外と良好だ.目に眩しくなく全体の照射位置を傾ける操作もし易い.

それにしても電池室から発光部に繋がるごついケーブルは9巻きもコイルが巻かれ,無駄に重量が増えているように思える.ソニーやパナソニックラジオの巻き取り式イヤホンケーブルのような技術を見習えば,インピーダンスを増さず,強度も十分な軽量ケーブルにできると思うが,やはりそう云った技術は門外不出かな~パナソニックもヘッ電を多数商品化しているが,やはり本体に関してはPetzlに一日の長があるかな~ならば,本体の技術とケーブルの技術のクロスライセンスも考えられるな~とか,秋の夜長に勝手に妄想してみるか~

ペツルMyoXP E83P2

Petzl Myo XP E83 P2

ガスが濃くなると老眼のためトレイルが非常に見えづらくなる.なので同じペツルMyoXPの型番だが,照度を上げた改良型が出たとき,早速これを入手してみた(写真→).旧タイプがMyoXP E83P,新しいのがMyoXP E83P2と,サフィックス違いの同型番で,形態は全く同じだが色とストラップの模様は少し違っている.それ程大量に出回っていないのでインジェクションモールディングの金型は変わっていないであろう.....余計な話だが.

で,実際明るさがどのように変わったのか付属の使用マニュアルから拾い上げ表にしてみた.真ん中の2列が比較対象だ.

使用中ヘッドランプの比較

項目\機種Petzl
MyoXP E83P
Petzl
MyoXP E83 P2
ZebraLight
H501w
電池単3×3←〃単3×1
Ni水素電池の可否←〃(○?)
重さ(電池込み)175gr←〃63gr
明るさとランタイム
(下段は新電池での照射距離)
ブースト?lm×?hr
照射距離:85m
150lm×?hr
照射距離:97m
?lm×70hr
照射距離:45m
85lm×80hr
照射距離:72m
80lm×2.3hr
?lm×90hr
照射距離:35m
?lm×100hr
照射距離:54m
15lm×19hr
?lm×170hr
照射距離:20m
?lm×180hr
照射距離:34m
2.7lm×84hr
光の色合い白色←〃電球色系
電源電圧低下時の挙動暗くなりながらも点灯←〃一気に消える
拡散板回転式←〃なし
(元々照射角はとても広い)
本体材質樹脂←〃金属(Al)
付属品トップストラップなど←〃夜光性白色マウンタ,Oリングなど

2つの製品で必ずしも同じ仕様項目が載っているわけではないのだが,照射距離だけは両者に記載されていた.2つ比較すると,まあ一割方ほど明るくなったと云うことか.

実際「高」で照らすことは必ずしも多くないので,実使用上明るくなったか?と問われると明確には答えられない.デザイン的には新しい方が好みだが,実用上は旧機種のままでも構わなかったかも知れない.確か,1万円近くしたから....

ゼブラライトH501w

ZebraLight H501w

Petzl Myo XPは大変いいランプだが,皆でテントで食事するときなど輝度が高いので,向かいの人に眩しくないよう明るさを絞る必要がある.ならば,最初からそれ程明るくなくとも小型軽量タイプをもう1つ揃えるのもいいのではと探してみた.以前使っていたPetzl Tikka系なども良いのだが,こちらは単4電池(3本)なので,Myo XP用の単3と2種用意しないとならない.

そこで単3で軽量,比較的明るい....と云った条件で探し,このゼブラライトH501w(←写真)に行き当たった.単3×1本であるが,DC/DCコンバータ内蔵なので結構明るく,照射角はとても広い.ただランタイムはかなり短く,照度がだらだら落ちることがない代わりに瞬時に消えてしまう.瞬時に消えるスペックは,一般に山歩きでは問題であるが,夜歩くことは少ないし,小屋やテントでは支障なく使えるであろう.また発光色が所謂電球色(米ZebraLight社サイトではNeutral Whiteと記され,日本的感覚と若干異なるも,色温度4000-4300Kと十分低い値が記載されている)で,なかなかいい感じだ.なおPetzl Myo XPとの比較を上の表に並べて示した.

カタログ仕様ではNiMH電池可となっているが,我が家のエネループ何本かで試してみた限り,点かないときも間々あるようだ.充電直後(満充電)でないといけないのか?或いはエネループ以外のブランドならいいのか?いずれにしてもクリティカルなようなので充電池は止めて乾電池で使うのが無難なようだ.

ストラップに付けたゴム製マウンタに丸い本体を差し込む方式で,その回転位置を決めて照射位置を自由に調節できる.ただこの勘合が甘くてちょっと頼りなく,私はマウンタの上に小さな異物を貼り付けて少し回転が硬めになるようにしている.また別途夜光性白色マウンタも付属しているが,あまりにも煌々と光るので放射性アイソトープなど含まれていやしないか....と,少し気がかりだ.

結論として,若干高価(7,000円余)であるが造りが良く,超小型軽量,明るいので,小屋/テント用,リュック内非常時常備用にはとてもいいと思う.

------------- 以下余談 -------------

世の中にはフラッシュライトのマニア(←解ります,そのわくわく感)が結構居られる.ヘッ電はフラッシュライトと比べて流石にその数は僅かであろうが,ゼブラライトH501wはフラッシュライトをベルトにくくり付けたような形式で,しばしば準フラッシュライト的に注目されるようだ.この機種のLEDはそのスジでは良く知られるCREE XLamp XR-E Q3 5A(多分3W)で,外装は放熱性良好なAl挽き加工品にオリーブ色アルマイト(多分)処理が施され,電池蓋にはちゃんとOリングも挟んである.こうした美しい仕上げはきっとマニアの嗜好にも適うと思われ,そう云った方々のブログから当製品を知るに至った.感謝いたします!

ヘッドランプと引くと,圧倒的に車のヘッドランプ,バイクや自転車のそれが出てくる.まあ,人の頭に着用するものとは比較にならないほど大きな産業とマーケットが形成されているので当然であろう.車のヘッドランプは桁違いに大きな出力が要求されるが,それだけ省エネルギーの余地が残り,また効果が見込める訳で,従来のハロゲンランプやメタルハライドランプに替わってLEDが採用され始めているようだ.交通関連では道路や鉄道の信号機が既にかなりの部分がLEDに置き換わっているし,室内照明用LEDも急速に広がり始めた現在自然の流れであろう.

ところで上述の如く,「ヘッドランプ」や「ヘッドライト」は圧倒的に車関連が幅を利かすが,『ヘッ電』は専ら人が着用するものに限定されるようだ.言い始めた人は,他用途のものから区別する専門用語として考案した訳で,エライ,拍手!

会社に勤めていた頃,電荷を蓄える素子であるコンデンサ,漢字で蓄電器,英語でキャパシタ(capacitor)のことを『コン電器』と呼称する先輩が職場に居られた.コンデンサ+蓄電器から造った合成語で,『ヘッ電』の発想に通じるものがあろう.今『ヘッ電』を見たり使ったりする度に『コン電器』の先輩はどうしているかな~?達者かな~?と思い出される.(2010/9/23)


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