今年の正月マレーシア旅行を終えてクアラルンプール空港から出国時の荷物スキャン検査でショルダーバッグ内のナイフが見つかり没収されてしまった.実は旅行中このナイフを使おうとあちこち探していたのだがどうしても見つからず困っていたのだが,それがこんなところで見つかるとはなんとも皮肉なものだ.大分前であるがロンドンから成田に戻る時,当時見つかり始めた狂牛病対策で食肉加工品が没収されたことがあったが,これで没収されたのは二度目ということになる.なお加工肉食品が持ち込み禁止になったことを当時自分はまだ認識しておらず,多分没収対象になったのはその頃ではなかろうか?
没収されたナイフはビクトリノックス(Victorinox)の『スモールオフィサーシリーズ』の中の『ツーリスト』というタイプだったと思う.殆どの商品が偽物というカトマンドゥはタメルで,稀有な本物として買ったものだった.尤も高がありふれた小型ナイフなのでたいした金額ではない.さてこれはまあ折りたたみナイフなのであるが,ナイフ以外にコルク抜きやマイナスドライバーなど合わせて6種のツールが折り込んであった.これらはしばしばアーミーナイフ,十徳ナイフナイフと称されることもある.
さてナイフがないと次の旅行から困るので新たに探すことにした.いろいろ見てみたが没収されたビクトリノックスで不具合がなかったし,まあ定番でもあるから同社のサイトで見てみた.
私の場合条件として
先ず全長僅か58mmの『ミニシリーズ』に注目するが,ハサミ,ヤスリ...いろいろ付いているも残念ながらコルク抜き付きタイプがない.
次に,1891年スイス陸軍に初納以来の実績があるという『ソルジャー・シリーズ』は信頼性が高そうで,それに『アーミーナイフ』の元祖のような雰囲気で魅力的だ(完全にミーハー的).でもソルジャーにワインは似つかわしくないというためかコルク抜き付きタイプがない.
ソルジャーには不要でもオフィサーにワインは欠かせないだろう.そこで『オフィサーナイフ 91mmシリーズ』,『スモールオフィサー84mmシリーズ』の中の数タイプにはちゃんとコルク抜きが備えられている.でもこれらはスイス陸軍御用達とは書かれていないから,オフィサーと称してはいてもまあアマチュア用であろう.なお他シリーズにもコルク抜き付きがあるが,自分にとっては余計なものが付加され過ぎている.
さてこの二者中91mmシリーズにはナイフ,栓抜き,コルク抜きだけのシンプルなタイプが見当たらず,また84mmシリーズより若干大型だ.
で,結局スモールオフィサー84mmシリーズの中の『ウェイター』が一番合っているようだ,となった.なお重さが載っていないがいま手元の秤に載せてみると35gで十分軽い.購入後出掛ける度に持っていくが特段の不具合も無く便利に使えている.まあ,単なるナイフだからそれが当たり前であろうが.
なおビクトリノックス社サイトでは税込価格\2,310と記載されているが,実際はもっと安く販売されており,アマゾンでは確か送料込みでもず~っと安価に購入できたと思う.
機能的には正に『ウェイター』のツールそのもので,実に的を射た名だ.でもそれが何故『オフィサーシリーズ』なのかはピンと来ない.他にもオフィサーシリーズには例えばツーリスト,ティンカー...とかの名もそうだが,まあアーミーナイフの伝統と,新しい商品マーケティングの狭間で社員の苦労が偲ばれるようだ(←よそ者が完全に出過ぎたことを口走ってる)
------------- 念のため ---------
以上は私がトレッキングなどに出掛けるとき便利という観点で選んだナイフです.藪の雑木を切り払ってテントを張るとか,またその木を刻んでキャンプファイヤを焚くとか,夜中に現れたヒグマと格闘するとか,仕留めたクマをさばくとか.....まあ,そういった用途にはそれなりのナイフ(ナタに近いか?)をお選び下さい.
また銃刀法や,ハンドキャリーでの機内持ち込み(もちろん不可)などについて十分ご留意ください(小型でも).
(2011/11/18記)
スポンサーリンク