ルーペは,家の中では頻繁に使う(自分の場合)が,旅先ではそう度々使うものではない.しかしながらやはり細かい文字が読めない場合これに頼らざるを得ない.例えば下の写真のようなタウンマップを,ホテルフロントでもらうことがあるが,これが往々にしてばかに細かい文字で記されていることがある.こんな場合ルーペがないとお手上げだ.
それで旅行のときに小型ルーペを持っていく場合がある.そのルーペを選んだ根拠は.
という訳でNikonニューポケットタイプルーペ20D(2倍,3倍,5倍)が選ばれた.そして例えば細かい文字で記されたマップを覗いて見ると,小さな通りの名も読める!!と云う訳で,当たり前だがルーペはやはり老眼には役立つ.(逆に老眼でない人には無用の長物です.手相を観る人,シャーロックホームズ風の人....など例外ありますが)
Nikonルーペ20DとVixenルーペで覗いてみたマップ
実際使っていると,8D(2倍)と12D(3倍)どちらでも結構細かい文字が読み取れる.なので2つレンズは冗長で,どちらか一つ,8D若しくは12Dで十分かな....とも思う.その方が薄くてバッグのポケットに仕舞うのに良さそうだし.(花や植物の観察する人にはこの2枚レンズタイプがちょうどいいかも知れないですね)
また倍率Mは2通りの定義(下参照)があり,Nikonと異なる定義では.それぞれ3倍,4倍,6倍と元のNikon表記より1だけ大きくなる.
大分前に買ったので覚えてないが,今ネットで価格を見てみると,20Dは送料込み5,000円弱~くらいで販売されているようだ.
なお家庭で使うときはやはり大きな80mm径レンズ8Dタイプが,視野が広く,大きな柄でしっかり握り易く圧倒的に使い易いことには変わりない.
------- Nikon以外も探してみる -------
そんな訳でレンズ1枚のものを探してみた.探すと言ってもそういったタイプは世の中に山ほどあり,アマゾンで適当なサイズ,安いもの,評判....などでVixenポケットルーペから選んでみた.それが上写真下側のVixenレクレールルーペ(色はアイリスブルー)で,何とたったの@645円(送料込み),激安,タダ同然だ.レンズは四角いプラスチック枠にインサートモールディングされたガラス製で,若干重い(と言うほどでもないか)が口径も大きく,広視野で綺麗に見える.倍率は上写真のように,Nikonの8Dと12Dの間くらいの倍率だ(仕様は3.5倍).見え具合が大変良いのに安いのは,ケースが皮革とかではなくフェルトで覆った折りたたみビニール板で,些か品位に欠くが,まあこれもコスト削減活動の成果,あっぱれと言う以外なかろう.なお繰り返すが,見え方にNikonとの有意差は微塵にも感じられない.いや待て,仔細に見ると,Nikonは色に対してニュートラル,Vixenは僅かだが青み掛かっている(上の写真でも判ります).例えばスライド原版を見たりする人,コンパクトカメラのレンズ前に翳して簡易マクロ撮影する人....などには向かないかな.でもマップを見る分には関係なしだ.
まあ,何れにしても,この写真は,各ルーペをマップ上から60mmほど離して置いて撮った写真だが,Nikonの8Dと12D,Vixenどれでも,元の文字より大きくなって読めるようになっていることが判る.
-------- 現段階の結論 --------
という訳で,どちらでも構わないのだが,Vixenはまだ買ったばかりで一度も旅行に持っていったことがないし,1枚レンズで薄く,見え具合もいいので,次回出かけるときはこれにしてみよう.
---- 屈折力(ディオプタD)と倍率M ----
ところで屈折力(ディオプタD)とは何か?見てみた.するとレンズ焦点距離f(m)の逆数(D=1/f)ということだ.なので,f=1/Dで,8Dのルーペの焦点距離は125mm,12Dのは83.3mm,2枚重ねた20Dでは50mmということになる.
次にルーペの倍率の定義は次の2通りあるそうだ.
【定義A】倍率M=D/4 ←Nikon仕様に記載されたDと倍率Mはこちらに当てはまる.
【定義B】倍率M=D/4+1 ←Vixen仕様倍率Mは3.5倍で,実際覗いてみる(上写真)と,Nikon8Dと12Dの間くらいに見える.また平行光を結像して焦点距離をみるとf=100mmで,D=1/0.1=10,M=3.5=10/4+1と【定義B】に合致する.なお【定義B】の+1は明視距離が関係し,焦点距離fの長い(低倍率)場合だけに付加するのだとの解説も見かけた.
2通リの倍率定義があるのは甚だ不便であるが,世の中実際どちらを採用しているか見てみた.
【定義A】を採用:Nikon,エッシェンバッハ
【定義B】を採用:(Vixen),池田レンズ工業
【定義不明】:PEAK,テラサキ,カートン光学....説明が見つからない.
といった様子だ.PEAKは日本を代表するルーペメーカーと思っていたが,それでも説明が見当たらない.......
(以上2014/2/4記)
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