旅の小物(7)コンパス(方位磁石)

たまに地図にコンパスを載せて山名を調べたいときがある.こうした場合カシオプロトレックガーミンGPSのコンパスは不透明で厚みもあるので使いにくい.こうした用途には昔ながらの方位磁石(磁針式コンパス)がいい.方位精度が高く磁極ズレ(磁気偏角)補正もやり易い.(なおカシオプロトレックの方位分解能は16方位(22.5度)ととても粗い)

コンパスのメーカーは数知れずあると思うが,スポーツ店ではシルバ社(SILVA)スント社(SUUNTO)の製品が特に多く並んでいる.この両社のコンパスは定番であろうが,私はここのところごく一般的で安価(税込定価\1800,実売はさらに安い)なSUUNTO『A-10』という製品を使っている.イラストで気づいたことを示すと以下のような感じだ.

SUUNTO_A-10の説明イラスト

SUUNTO『A-10』


オイルなしタイプであるが磁針は然程ふらふらせず,安定もまあ早いと思う.充填オイルがないので使用温度範囲も-35~60度Cと全く問題なし.いつもリュックのポケットに入っているがなかなか壊れない.そう,この製品の最大の特徴は耐久性ではないかと実感している.新しいのが売れず儲からないであろうが,メーカーの良心が感じられる一品だ.

--------- コンパスの思い出 ---------

『アラビアのロレンス』は私の好きな映画だ(歳ですね!).ロレンス(ピーターオトゥール)のガイドが砂漠の井戸の水を飲んだ廉で,蜃気楼の如く遥か彼方から現れた土地所有権者ハリト族アリ首長(オマーシャリフ)にライフルで撃ち殺される.アリの『砂漠で井戸水は人の命より大事だ』との言に悲しみ,また憤るロレンスが『とりあえずこれがあるから目的地(フェイサル王子の陣地)まで辿りつけるさ』とコンパスを掲げて言った途端にアリの鞭でそれが取り上げられ,『こうなったらどうするかね?』とアリに言われるシーンが思い出される.印象が強烈で,そのことは他のページでもくどく何回か書いたように思う.

なおロレンスのコンパスは折り畳み照準付き金属製でいかにも頑丈そうな英陸軍式といった雰囲気のものだった.

(2012/1/6)


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